一歩踏み出す勇気

こんにちは、平です。

私は仕事柄、日本全国のさまざまな場所に行きますが、JRなどでは年配になればなるほど、多彩な割引が使えるようです。

そして、その割引を使って旅をしているご夫婦などにお会いすることもありますが、そうした人たちは全体で見れば少数派なのかもしれません。

奥さまたちの中には、若いころ、「彼がデートに連れていってくれない」という不満をもっていた方も少なくありません。

休日ごとに彼の部屋に行き、ゴロゴロと過ごし、テレビを観たり、彼のために料理を作ってあげたりしているうちに一日が終わってしまったわけです。

そして、ご主人の定年退職後もあのころと同じように、どこかに連れていってもらうどころか、ゴロゴロとしているだんなさまの世話‥‥、いや、ひょっとしたら、介護といってもいいぐらい、なにもかも世話をしてあげなければいけないという状態がずっと続いて、人生を終わる‥‥。

「そんなの、とんでもない!」と女性陣は思っているようですが、男性陣はなぜかあまり自覚がなく、重い腰を上げることもなかなかありません。

ところが、いったんこの重い腰が上がると、とんでもないようなことをしでかす男性が意外といるのです。

最近、私の趣味の一つに登山が増えたのですが、登山ファンの中には、ご夫婦で“日本百名山”に登っているというような人たちもたくさんいらっしゃいます。

その場合、圧倒的に多いのが、奥さまが「ご主人の趣味につきあって始めた」というパターンであるようです。同じように、ゴルフ三昧のご夫婦もよくいらっしゃいますが、やはりご主人が奥さまを誘ったのがきっかけである場合が多いようです。

また、私の知り合いには、旅好きが高じて、“ロングステイ”というのでしょうか、1年のうち1・2カ月を外国で暮らすというライフスタイルをとっている人たちも何人かいます。

東南アジアあたりのロングステイなら、日本で暮らすより物価が安く、とても快適らしいのです。

昔は治安の問題もあったようですが、最近はたいていの国で治安が安定していて、その中でも安全なエリアを滞在地に選べば、恐い目に会うようなことはめったにないそうです。

で、日本で年金をもらい、海外の各国にロングステイしたり、あるいはもっと長期間暮らしたりといった人が増えているわけです。

そうしたカップルたちの特徴は、やはり、定年退職後にライフスタイルが一変するということです。

そこには、「いままで会社や家族のために尽くしてきたのだから、いまからこそ、時間と年金と退職金を自分たちの喜びや楽しみのために使おう」という発想があります。

そして、彼らは喜びや愉しみを求めることにとても意欲的です。

日本には、「楽しみに投資する」という考え方を罪悪と捉えるような文化があります。

一方、アメリカやヨーロッパには“夜の文化”というものがあり、夫婦でショーやオペラに出かけ、ともに素晴らしい時間を過ごすことがあたりまえのように行われています。

それに対し、日本では「夜は家にいるもの」、「明日のために早寝せねば」と考える人がほとんどで、楽しみに投資するという考え方は文化的・歴史的に根づいてはきませんでした。

また、「武士は食わねど高楊枝」という言葉がありますが、どうも、日本では自分のしたいことをガマンし、滅私奉公することが男性の成功の秘訣と考える人が大半です。

定年退職後にもそのパターンが存在し、家でつまらなそうにテレビを観ている男性というのが多く見られます。が、これにつきあわされる女性は、たまったものではありませんよね。

人生の節々には、多くの変化が訪れます。

社会人になる、結婚する、子どもをもつ、会社を辞める、定年を迎える、余生を過ごす‥‥。

そうした変化のたびごとに、考え方・生き方の形を変えることができれば、それぞれの時期を充実した時間に‥‥、ひいては、充実した人生にすることができるようです。

あなたがなにか新しいことを始めたとき、先にそのような人生を実践している人たちに出会うことができることでしょう。

しかし、あなたが家から一歩出てみようという勇気をもたないかぎり、そうした人たちとふれあう機会もなく、あなたはなんの変化もない人生にとどまるばかりかもしれません。それでは、たった一度の人生、おもしろいものにはならないですよね。

 

では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。