様々な過ぎてしまう心理(4)~飲みすぎてしまう心理~

お酒にまつわる失敗話しを、持っている人は少なくありません。

飲み過ぎてしまって、記憶がなくなったり、後から知人に聞かされて恥ずかしくなることをしていたりもするようです。
お酒を飲み過ぎてしまう心理は、この記憶や、自分自身を制御できなくなることに関係していることがあるのです。
忘れてしまいたいこと、記憶としてとどめておきたくないことがある。
また、厳重に制御して抑えておかなくてはいけない感情があったりすると、お酒を飲み過ぎることで、記憶を消したり、感情を表に出したりしてしまうことがあるのです。

私たちは「過ぎてしまう」ことがあります。
過ぎてしまうと、もれなく「やってしまった・・・」と罪悪感を感じるものですね。

今回の心理学講座は、そんな「過ぎる」心理について、いくつかお話しさせていただこうと思います。

今回は、飲み過ぎてしまう心理についてです。

水分を補給するという生命に関わることではなく、アルコール依存症というわけではないけれど、お酒を飲み過ぎてしまう心理についてです。

お酒は必ずしも飲まなくていけないものではありませんが、適度にお酒を飲むことによって、会話がはずんだりストレスを発散することはあるようです。

ですが、ついついお酒を飲み過ぎてしまい、後になって後悔や反省をすることとなる人は少なくありませんね。

要するに、お酒を飲みすぎることで、記憶がなくなり、制御が効かなくなってしまうのです。

飲み過ぎてしまう心理としては、この「記憶がなくなる」「制御が効かなくなる」ということがポイントとなります。

失くしてしまいたい記憶があったり、抑え込み過ぎて耐えきれなくなっている感情があったりすると、つい飲み過ぎてしまうのです。

失恋やリストラ、離婚など、早く忘れてしまいたい、記憶としてとどめておきたくないことがあると、お酒をたくさん飲んで記憶から抹消したくなります。
でも実際は、お酒を飲んでいるときは、一時的に忘れることができても、感情の整理がつなかいうちは、いつまでも嫌な出来事として心の中にあり続けます。
そうすると、またお酒を飲んで記憶から消し去ろうとするのですが、根本的な感情の整理ができない限り、どうしようもありません。

どんどん深酒になってしまうということも起こってしまいます。

また、普段から意識しているしていないに関わらず、何らかの感情を抑え込んでいると、どんどん心が苦しくなってきます。
でも、理屈や理性でそれらの感情を、さらに押し込もうとします。
どんどん苦しくなってくるのです。
抑え込まれた感情は、外に出たがります。
でも、理屈や理性が働いていると、抑え込んでしまいますので、理屈や理性が働かない状態、つまり自分が制御できない状態を作り出そうとするのです。

それが、お酒を飲み過ぎるという行為となります。

普段から、「正しくあらねばならない」「怒ってはいけない」「泣いてはいけない」「強くあらねばならない」と、強く自分に言いきかえて生きていると、失敗したり、腹が立ったり、泣きたくなったり、弱音を吐きたくなっても理屈や理性で「ダメだぞ」と抑え込みます。
ですから、理屈や理性が働かない状態でなければ、泣いたり、怒ったり、悔しがったり、弱音を吐いたりできないのです。

そのために、お酒をたくさん飲み、自分自身が制御できない状態にして、抑圧した感情を、外に出しているともいえるのです。

飲み過ぎて、制御が効かない状態にしなくても、自分が感じている感情を表に出すことができれば、飲みすぎなくてもいいのですけどね。

一般的に、「正しくあらねばらない」と頑張っている職業の人ほど、お酒を飲んだときに収拾がつけられないくらいに大暴れするといわれたりします。

これは、抑圧がきついからかもしれません。

飲み過ぎてしまうとき、きちんと見つめて整理する感情があるのかもしれない。
抑え込んでいる感情があるのかもしれない。
そんな風に考えてみてください。

そして、それらの感情をきちんと表現し、整理すれば、飲み過ぎることはなくなってきます。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

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恋愛や結婚、浮気や離婚など男女関係、対人関係やビジネス関係、家族関係や子育て、子供の反抗期、子離れ、親離れ問題など幅広いジャンルを得意とし、お客様からの支持が厚い。 女性ならではの視点と優しさ、母としての厳しさと懐の深さのあるカウンセリングが好評である。PHP研究所より3冊出版。