自己価値の心理学(2)~なぜ自己価値を感じることが難しいのか・自己攻撃の心理~

自己価値を感じるのが難しいのは、必要以上に自分を責めてしまうパターンが心の中にあるからです。

私たちは自分に厳しすぎるので、たとえ自分とは関係がないことでも、自分のせいだ、と自分を責めてしまうことが多いのです。それは無意識に行われるために、そのことに気づくことができません。
まずはそのことに気づきを持ち、「そこまで自分を責める必要があるの?」「自分を責める必要はないんじゃないの?」と自分の心に言ってあげることが自己価値を感じやすくします。

◇なぜ自己価値を感じることが難しいのでしょう。

生まれたばかりの赤ちゃんは「自分が愛される存在」であることを疑うことすらしていません。

しかし、人は成長するにつれ、親、周囲の人、友人、幼稚園・学校などの人間関係の中で、叱られたり、攻撃されたり、矛盾に直面したり、様々なうまくいかない出来事も経験していきます。

その中で「なぜ、私はこんな目にあうのだろう」「もしかして自分に愛される価値がないからこんな目にあうのではないか」と感じるようになり、段々と自分に価値を感じられなくなっていくのです。

大人に近づくほど人間関係は微妙に、複雑になっていくし、絶対だと思っていた親や先生にも限界や、矛盾があることを知ります。

また、この社会は一面で理解できるほど単純に出来ていないため、自分の価値をまっすぐ感じることがますます難しくなっていきます。

こうして考えてみると、自己価値を感じることが難しいのは、この社会に生きている私たちにとって、ある意味自然なこととも言えるのです。

◇自覚以上に自分を責めていることに気づく

「自分に自信がない」「つい自分を責めてしまう」
こうした思いを持っていれば、自己肯定感を感じにくくなっていることに自覚ができます。

しかしながら、私たちが自己肯定感を感じられない一番の要因は「自覚していない無価値感」なのです。

私たちは「毎秒自分を責めている」ほど自分に価値を感じられていません。
「自分には愛される価値がないんだ」という思いをあまりに昔から持ち続けてしまっているため、自己否定が板につきすぎて、当たり前になっているからなのです。

これは「自分へのネガティブな受信装置」のスイッチがオン!になっているということ。

しかもこの受信装置、高感度アンテナを持ってるんですよね。
すると、誰かの言動に対して、この受信装置が「やっぱり私が悪いのね」と変換して心に伝えてしまいます。

いい言葉より悪い言葉に反応する。いい言葉もフラットな言葉も悪い言葉に変換してしまう。

すると、ますます自分を責めるという悪循環になってしまうのです。

「郵便ポストが赤いのも私のせい」になってしまうわけです。

大げさに言ってしまうと「存在価値のないまま生き続けることの苦しみ」ということになります。

あなたは自分に「生まれてきてくれてありがとう」なんて言えるでしょうか。

この言葉、人には言えても自分にはなかなか言えないものです。

でも「人には言える」ということは、他の誰かはあなたのことをそう思っているとも思えませんか?

「存在価値がない」なんて、ただ自分が誤解しているだけなのです。

◇自己否定が問題を作り出す図式

自己肯定感が感じられないことは、私たちが抱えるあらゆる問題やテーマに影響が出てきます。

<自己否定が問題を作り出す図式>

自己価値を正しく認識できてない
→いつでもどこでも自分にダメ出ししてしまう
→誰かの言動や出来事に対し「自己否定の受信装置」を通して心が反応してしまう。
→自分を責める

→苦しくなる

要するに私たちの問題の全ては「必要のない自己攻撃」が原因なのです。

◇自己攻撃の2つの種類

自己攻撃と一口に言っても、わかりにくい自己攻撃があることを知っておくことが役に立ちます。

自己攻撃をしている時、私たちの認識は二つに分かれます。

(1)真っ直ぐそのまま「自分にダメ出し」をして自分を責めて苦しいと感じている時。

(2)自分を責めることが耐えられなくて、誰かを攻撃してその感情から気をそらす時。

つまり、自分を責めていても、誰かを責めていても、結局は同じこと。自己攻撃が元になっているのです。

厄介なのは、二つ目の他者攻撃です。

誰かがひどいことをしたから腹が立って怒る、というような、相手への怒りや攻撃ももちろんありますが、他者攻撃が実は自己攻撃をしていることから発生する場合もとても多いのです。
自己攻撃して自分を責めすぎて苦しいので、その苦しみを感じないように他者を攻撃して気をそらしている。

誰かに怒っている時、相手を責めている時には、実は自己攻撃を感じたくないから、という場合があるのですね。

こうした場合は、いくら相手を許そうとしてもうまくいきません。

自分を責めていることに気づき、それを止めようと思わないと感情は収まってくれないのです。

>>>『自己価値の心理学(3)~自己価値の回復のカギは親との関係を整理すること~』へ続く

この記事を書いたカウンセラー

About Author

池尾 昌紀

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。