許しの心理学2~恨みつらみを許してみよう~

今回は「あなたは、誰に何を許していないのか?」というところに着目して講座を進めていきます。

前回の許しの心理学は「あなたは、自分に何を許していないのか?」という
ところに着目して講座を進めて行きましたが、
今回は「あなたは、誰に何を許していないのか?」というところに着目して
講座を進めていきます。

◆怒りについて◆

私達が“許している状態”の反対の状態はどんな状態かというと、
誰かに腹を立てている状態や、誰かに攻撃的な状態、引きこもっている状態、
自分を責めている状態が多いようです。
これらの状態の時は怒りという感情が伴っていることが多いようです。

怒っている時はわだかまりができてしまい、相手との関係に溝ができてしまい
ます。その溝が欲しいものを手に入りにくい状態を作るようです。

例えば、恋人に対して『充分に愛してくれていない』と怒っている人がいると
思ってみてくださいね。
怒っている時は、相手に攻撃的になってしまいます。
(引きこもりの場合もありますがこれも怒りの表現の一種です)
『あの時ああしてもらえなかった、こうしてもらえなかった』
『私の気持ちを分かってくれていない(怒)』
等の恨みつらみもでてくるでしょう。

充分に愛してくれていない恋人の振る舞いや、態度は反省すべきところ、
改めるべきところはあるとは思いますが、あまりにも怒りや恨みつらみに固執
してしまうと相手に攻撃的なエネルギーばかりがでてくるようになってしまい
ます。

自分に攻撃的になってくる人が大好きという人は一部のマニアを除いてはいま
せんから、大抵は攻撃的になってくる人に対して嫌な感情を感じます。
「僕のこと、恨んでいるんだー、この人好きだな。」
「私、今責められているんだ、この人大好き。」
とは思えませんね。(笑)

大抵は攻撃的になってくる人に対して、相手も攻撃的になるか、距離をとるか
のどちらかの行動をとります。
そうするとケンカ状態か、ふたりの間にわだかまりがある状態ができてしまい
ます。

ケンカ状態か、わだかまり状態が手に入るわけですが、本当はこれが欲しいわけ
ではないんですよね。
『充分に愛してくれていない』と怒っているわけですから、本当は愛が欲しい
はずですよね。
でも怒りや恨みつらみに固執しすぎてしまうと、ケンカ状態か、わだかまり状態
が作られてしまい本当に欲しいものが手に入らなくなってしまいます。

この場合は、今まで充分愛してくれなかった恋人の態度や振る舞いを許すことで
二人の間に溝が消えていくことでしょう。
そして欲しかった愛が手に入りやすい状態を作っていくことができます。

恋人への怒りバージョンで例話をしましたが、親子関係、仕事関係、友人関係
でも同じことが言えますね。

あなたが本当に欲しい物が手に入っていない時、誰かとの関係に溝を感じて
いる時は、あなたが本当に欲しい物や、欲しい関係を手に入れる為に、
誰かを許すことが必要なのかもしれませんね。

◆ああはなりたくないと思っていたのに・・・◆

「ああはなりたくないと思っていたのに、ああなってしまった。」
ということはないでしょうか?
一般的にああはなりたくないのに、ああなってしまうという代表的なものは、
親に似てしまった時が多いようです。
もちろん、親に似ること自体が嫌なのではなくて、親を嫌っている要素に似て
しまった時に「ああはなりたくないと思っていたのに・・・」と思うようです。

例えば、いつもは優しいお母さんなんだけど怒った時は感情的に怒りをぶつけ
てくる お母さんに対して、怒るお母さんや、感情的なお母さんなんか嫌いと
思った時は、お母さんの持つ怒りの要素や感情的な要素を嫌ってしまいます。

でも、お母さんの持つ怒りの要素や感情的な要素を嫌っていたのに自分が同じ
ように怒ったり、感情的になってしまうことがあります。
そうした時に「ああはなりたくないと思っていたのに・・・」という自己嫌悪に
なってしまいます。

私達は、日本語を日本語学校に行って覚えたわけではありませんね。
親が日本語を話しているのを見てマネをして話せるようになっていきました、
でもマネをしたのは日本語だけではなく、立ち居、振る舞い、癖に至るまでマネ
をして覚えていきました。
そうすると、親に似たくはないと思った要素も似てくることがあります。

親を嫌った度合いだけ、怒りを持つ度合いだけ、同じ要素を自分が持った時に
自分を嫌ったり、自分を責める心理が生まれます。
そして他人に対しては、私が親を嫌ったように、怒りを持ったように、
私も誰かから嫌われたり、責められるのではないかという恐れの心理を作って
しまいます。

自分を嫌ってしまう自己嫌悪の心理や、自分を責める自己攻撃の心理や、
他人との間に壁を作る恐れの心理は、自分にとって良いものではありません。

自己嫌悪や、自己攻撃、恐れを無くす為に
ああはなりたくないと嫌ったり、怒っている人を許してみましょう。
もしくは、その人が持つ嫌っている要素を許してみましょう。

これも親子関係だけではなく、恋人関係、仕事関係、友人関係でも言える事
ですね。

◆誰かを許すということ◆

人を呪わば穴二つという、ことわざがあります。
これは人に害を与えれば、自分も同じように害を受けるものだという意味の
ことわざですが人に恨みつらみや攻撃的なマインドを持った時それが自分に
返ってくることがあります。
「ああはなりたくないと思っていたのに・・・」という例なんかは
自己嫌悪や、自己攻撃や、対人関係の恐れになって返ってきていますね。

誰かを許すということは、許すことがいる誰かの為ではなく、
自分がより楽になれたり、自分をより好きになる為だったり、自分がより欲しい
ものを手に入れる為に必要な時があります。

誰かに怒りをもつ時、わだかまりを持つ時、攻撃的なマインドをもつ時、
自分の為に誰かを許すことをチャレンジしてみてくださいね。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

原 裕輝

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪・福岡の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。