執着を手放して自由になろう!(3)~手放しとは何?~

今回は手放しとは何か?そして、それを妨げるエゴの声は何?をご紹介。

執着を手放すのは、彼を取り戻すためではなく、彼を幸せにしてあげるための大きな選択なんですね。そして、自由にしてあげてこそ、あなたはもう一度選ばれる側に立つことができるのです。そして、それは本当に彼や自分自身を愛する行為なので、このプロセスに取り組んでいると、自然とキラキラ輝き始めるのです。これこそが手放しの恩恵なのです。

前回、前々回は執着をしてしまう理由、そして、手放しが必要になる訳について解説させていただきました。
今回はじゃあ、どうしたらそれが手放せるの?というテーマを考えていきたいと思います。

●手放しとは?そして、それを妨げるもの。

だから、「手放す」ということと「別れる」というのは必ずしもイコールではありません。
夫婦関係のカウンセリングの中でも、僕はよく「ご主人を手放しましょうね」と提案します。
それは決して「もう諦めて離婚しなよ」って勧めているのではなく、ご主人に対する執着心や依存、判断、罪悪感などのいらないものを手放してもっと楽になりましょう、という意味なんですね。

つまり、手放しというのは、お互いを自由にし、しんどい状況から解放してあげることを意味するのです。
そうして、お互いが自分の意志で、誰かを愛することを選べる状態を作っていくんですね。
だから、彼への執着を手放すということは、彼を苦しみから助け出してあげる、救い出してあげる行為なのです。(もちろん、自分自身を救う手立てでもあります)

だから、「彼を助けるために、その執着から自由になる」ことが目標なんですね。

でも、「彼が戻ってくるんじゃないか?」という期待があると、手放そうとする矢先に、再び彼を引き寄せてしまいます。
つまり、この場合は、彼とよりを戻すために「手放そう」としてしまうんですね。
これでは、ゴールが「よりを戻す」と決まってしまっているので、彼には選択の自由がなくなってしまうと思いませんか?
つまり、私にも彼にも、お互い「よりを戻す」「別れる」という二つの選択を持つことが手放している状態といえるんですね。

彼の本当の幸せを願い、私が幸せになることを許す。
このことに全力で向き合うことが「手放し」には求められるんです。
だって、好きな人との別れを受け入れるのはすごく辛いでしょう?
だから、それ相応の覚悟と目的が要るのです。

それだけの覚悟ができるまでには、なかなか一人では難しいですね。
何度も何度も自分と向き合い、葛藤しながら、彼の幸せを思って手放すことを選択し続けるわけです。
だから、執着を手放すのはすぐには難しいし、少し時間がかかるのも、うまく行かないのも仕方ないことだと僕には思えるんです。
だから、気長に付き合います。何ヶ月でも何年でも。

彼が幸せになりますように!と願い、そのパートナーが残念ながら私じゃないかもしれない、と受け入れていくんですよ。
それは本当に辛いことなのですが、そこを乗り越えて、彼の幸せを本当に願えたとき、きっとあなたの表情や雰囲気、内面の強さは本当に変わっているはずです。

>>>「執着を手放して自由になろう!(4)~手放した自分が受け取れるもの~」 に続く

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【読者の方から質問を頂きました!ありがとうございます!】

Q.執着を手放すこととあきらめることはどう違うのでしょうか?

A.感覚的に言えば、「手放す」というのは、そっと鳥を空に向かって放す、そんなイメージがあります。一方「諦める」というのは、押さえ込む、抑圧する、そんな感覚ですね。
どちらも自分の感情から、その思いを無くそうとすることなのですが、手放すのは外に解放してあげること、諦めは内側に仕舞い込むことなので、後味は全然違います。
いわば、ゴミを出すのが「手放し」、ゴミを押入れに隠すのが「諦め」と言ってもいいかもしれません。

だから、手放した後は心が軽くなり、自由になり、可能性を感じられるのに対し、諦めた後は麻痺したような感じなって、心はどこか重たくなり、不安を感じ、希望はあまり持てません。

例えば、振られた彼を手放すと、彼の幸せを祈ることもできるし、自分も幸せになろう!と思えます。だから、もしかしたら、彼ともう一度始まることだってあるかも!という前向きな気持ち(選択肢)を持ちやすくなります。

でも、振られた彼を諦めてしまうと、彼の幸せを祈ることは苦しいからできませんし、その恋を否定して、記憶からも彼を消そうとしてしまうでしょう。
せっかく人生の大切な一時期を過ごした相手なのに、さも、居なかったかのように扱ってしまうのです。それはちょっと切ないですよね。
しかも、そういう経験が続くと、きっと恋愛そのものを諦めてしまうようになってしまいます。
また、諦める際には強い怒りや否定の感情を伴います。
自分を否定するなり、相手に怒りを向けるなりして、ネガティブな感情を持ちますから、それもまた自分の心を傷つける要因になってしまいますね。

だから、私達カウンセラーは「諦めましょう」という表現はあまり使わずに「手放しましょう」と表現することが多いのです。

参考になりましたら幸いです。
これからも宜しくお願いいたします!(根本裕幸)

この記事を書いたカウンセラー

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