セックスレスの心理4(3)~自立した女性が持つセックスの抑圧パターン~

自立が強まるとパートナーである男性に頼りなさ、弱さを感じるようになっていくことがあります。

また、セックスに対しても男性と女性では意識の違いが強くあり、“セックスがなくても生活していく環境作り”を目指してしまう女性も少なくないのです。
でも、それは思わぬ弊害を招いたりもするんですね。実はこのレベルで求められているのは、女性性をどう生かし、相互依存のステージに進むか?という選択だったりするのです。

前回までは自立によって男女関係が男男関係になってしまうことでの影響についてお話させていただきました。
セックスレスになり、浮気の芽が出てくることもあるんですね。
そして、今回は少し方向性を転じまして、自立した女性が持つパターンについて、さらに詳しくお話させていただこうと思います。

●自立した女性が持つセックスの抑圧パターン

さて、ちょっと見方を変えまして女性の目から問題を見ていくことにしましょう。
男性と競争するように自立した女性はパートナーに頼りなさを感じるようになってきます。
その感覚は、ちょうど彼が彼女に女を感じなくなっていくのに比例するように強くなります。

だから、最初は男らしいと感じていた彼が、いつしか、何となく優柔不断で頼りがいのない奴に格下げされてたりするんです。

ある意味競争に勝ってる状態なんですけれど、こうなると恋愛はつまらないですよね。
より強い男性を心は求め始めるようになり、別れもちらほら頭に浮かぶようになります。

精神的に女性の方が成熟が早いせいもあるのですが、自立的な女性は男性と比べてもセックスに対して前向きな意味を持たせることが多いようです。

すなわち、官能的で素晴らしいセックスは、より女としての自分を輝かせてくれるものとして、また、お互いの愛情を確かめ合い、深め合う行為として。

ところが、それは自分が“男”を感じる人に対してだけであって、全然強さを感じないパートナーに対してはむしろ退屈さを覚え、絶望的になっていきます。
しかも、まだまだ性欲の処理や義務的なセックスしか描けないパートナーの場合は、確かめ合う、深め合う、の“合う”ができませんから、そこでも絶望感を覚えるようになります。

そこで倫理観が強く、理性的な女性ほど、自分の中からセックスを排除し、“セックスがなくてもいい関係を築く”、とか、“セックスが全てではない”、という方向性で解決を見ようとします。

それは定期的に射精する必要のある男性と、必ずしもそうではない女性との性の意識の違いもあるでしょう。
セックスレスになったり、パートナーに異性を感じなくなったとしても、男性は「射精するための方法」を探さなければなりません(一人で処理する、夢精に任せる、も含め)。

一方、女性は肉体からの請求がないといえばないので、自立してさらに強くなった精神性で乗り切る(抑圧する)ことも可能といえば可能なんですね。

例えば、仕事こそが生きがいになったり(この場合の仕事はオフィスでのものだけでなく、“育児”という仕事も含まれます)、趣味やエクササイズなどで自分を磨こうと励んだりします。

そうすると、自然とパートナーとの間にセックスがなくてもいい状態、そんな自分を作り出してしまったりします。

ところが、性欲という意味では、30代以降は特に男性に比して女性の方が強まる時期でもありますから、なかなか抑圧も厳しくなります。

だから、抑圧が強く、性欲を感じない状態であったとしても、更年期かしら?とも思える不安定な自分を感じたりするんです。
そういう時は自分でも意識していないところで“性欲”あるいは“セックスへの欲求”を感じているのかもしれません。

実はこのとき、本質的には自立を手放し、相互依存のステージに進む準備が求められているのです。
抑圧して“女性性”の死を選ぶか?それとも、手放して生を選ぶのか?という局面なのです。

>>>『セックスレスの心理4(4)~セックスレスは愛し方を学ぶ場~』へ続く

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