不倫の心理2(3)~はまりやすく、抜け出しにくい理由と手放し~

不倫は蜜の味と言われることがあります。

恋愛独特のロマンスの感覚に加え、不自由で制限が多い関係、さらには、満たされることのない思い、さらにはちょっとした背徳感に罪悪感、女性としての優越感などが混じり、一層、離れがたく、燃え上がってしまう要因になるようです。それが蜜の味と言われる所以かもしれません。そんな事情と、それを手放す考え方をご紹介したいと思います。

さて、3回目の今回は「感情」にフォーカスをした不倫の心理についてお届けしたいと思います。
不倫は蜜の味と言われるのはなぜか?その抜け出しにくい理由は何なのか?
そんな点に迫ってみたいと思います。

●どうしてはまりやすいのか?抜け出しにくいのか?~不倫は蜜の味~

さて、前々回、少し書きましたが、不倫は基本的に「待ち」の状態です。
連絡するにも大丈夫かどうか気を使いますし、会えるかどうかも彼のスケジュール次第。どんなにわがままを言ったとしても、主導権は彼が握ります。

そうすると、常に満たされない、寂しく、物足りない状態になります。
つまりは、いつも「欲求不満」で「不自由」な状態です。

いつもお腹いっぱいにご飯を食べられないとしたら、飢えてるわけではないのに、無性に食べ物が欲しくなるんです。
全面禁止ならば諦めも付くものですが、一部禁止は不満が残るんですね。

ビジネスでは“顧客に「ちょっと足りない」と思わせるとよく売れる”なんて言います。完全に充足する状態よりも、少し足りない状態の方が、その商品に対する意識も高まるんだそうです。

故に、この欲求不満や不自由さが逆に気持ちを燃え上がらせ、不倫関係を長引かせる(別れたいのに別れられなくなる)原因の一つになります。

また、いつか捨てられる、いつかは終わる関係、という不安があって、心理的には刹那主義(今さえ良ければ、今を楽しまなければ)という気持ちが強く芽生えます。
そうすると、“限定商品”に心が惹かれるように、なかなか不倫を手放せなくなるんです。

そして、不倫が社会的なタブーである、ということは、ここでも不自由さや制限を感じさせると同時に、ちょっとした背徳感や罪悪感も芽生えますよね。
そうすると、これらはちょうどいいスパイスになって、ますます刺激的な恋愛に色を添えてくれることになるのです。

恋愛独特の甘い感情や刺激だけでなく、こうした不自由さや欲求不満、そして、限定商品のような刹那主義的な思いが、いわば、不倫の“蜜の味”を作り出していると言えるのかもしれません。

また、そうしたネガティブな感情だけでなく、不倫というのは「奥さんがいながらも私を求めてくれている状態」です。それが不安を掻き立てる一方で、愛されている自分、求められている自分、彼には自分が必要という思いを持つことができます。

これは自尊心を大いに満たしてくれるので、不倫をしている後ろめたさを覆い隠すように、「彼には私が必要なの!」と声を大にして主張してしまうこともあるんです。
でも、これは補償行為。罪悪感を隠すための防衛心理、正当化と言えるのではないでしょうか?
こうした補償行為は本心を覆い隠してしまうので、強がっている心の裏側で、とても傷つきやすくなってしまうのです。

また、彼を失う怖れというのは、不安を掻き立てるものである一方、相手との関係性に一線を引いて付き合うことにもなります。
(「いずれは別れるんだから、深く考えなくてもいい」とか「将来のことをあれこれと悩む必要はない」とか)

すなわち、相手の心に踏み込んだ深い関係を築かずに済んでしまうんですね。
この点ではある意味では不満に、あるレベルでは安心にもなってしまうのです。
(深く関わらなければ、傷つく度合いも低く済むと思ってしまうのかもしれませんね)

●不倫を手放すために。

しかし、こうした感情面を見てくると、刺激的ではあるけれど、どれも心にとってはあまりいい感情とは言えないものばかりなんですよね。
そして、何よりも自分自身を粗末にし、自分を愛せない状況を作り出してしまうと言えるんです。

自分をこれ以上傷つけないようにしませんか?
もうこれだけ苦しんだからいいんじゃないでしょうか?
自分をもっと愛せると楽になれますよ。

カウンセリングの中で、幾度となくお話してきたことです。
それは倫理的な面というよりも、あまりにも心が傷つきすぎているように見えるからなんです。

痛いでしょう?もう無理は辞めて、自分を許して愛してあげませんか?

という風に。

自分を愛すると言うこと。それは自分自身を傷つけないようにする、自分を大事にする、ということだけではありません。
真実のパートナーに、ベストな自分を与えるための大切な“身だしなみ”でもあるんです。

また、自分が愛される価値があるということ。心の中に眠っている無価値感を癒し、ほんとうにベストな相手から愛される価値、魅力が自分には備わっていること。
それは特別なものではなく、当たり前なものとして、あなたの中に、今、あるということ。
それに気付いてみませんか?(思い込みでも構わないくらい。)

だから、なかなか抜け出せないな、と感じたら、自分自身の価値、自己価値をもっともっと高めてみることが大切なんです。
今までお話してきた理由などによって、別れなきゃ、と頭では分かっていても、ずるずると続いてしまうもの。
だから、自分にはもっと魅力があって、ベストパートナーから十分に愛されるだけの価値があるということを受け取るために、いい女(男)であることをもっと知るために、自分を愛してあげるんです。

もし、不倫をして、苦しんでいる友人がいらっしゃるのであれば、その人に「あなたはとても魅力的で、ベストな恋をする価値があるんだよ」ということを伝えてあげてください。
たくさん褒めて、たくさん魅力を見てあげて、そして、あなたの大切な人が自分を愛せるようなサポートをしてあげてください。

 

>>>『不倫の心理2(4)~その代償と報酬~』へ続く

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