ブラコンの心理(2)~薄い問題認識とブラコンの恩恵~

お父さんと仲がいい、いわゆるファザコンに対しては、多くの方は“問題意識”を持つものですが、お兄ちゃんと仲がいいブラコンに対しては、「どこが問題なの?」と感じられる方も少なくないようです。もちろん、仲が良いことは素晴らしいことなのですが、しかし、必ずしも良いことだけとは言えないんですね。
そこで、まずは、ブラコンがもたらす影響のうち、恩恵とも言える長所について、紹介していきます

ブラコンって何が問題なの?

カウンセリングサービスの心理学講座を通読してくださったり、事例集やカウンセラーのブログ等をお読みいただいている方は、恋愛や結婚の問題といえば「異性の親」との関係に注目する、ということをご存知かと思います。

私たちが最初にめぐり合った異性というのは、女性ならばお父さん、男性ならばお母さんなわけで、異性関係の“ものさし”は、その異性の親との関係性である程度形作られてしまうんです。
だから、お父さんとの距離がある女の子は異性に近づく怖れを持ちやすく、「パパは私の奴隷」という人は、「世の男どもは皆私のもの!」という感覚を持っていたりします。

でも、思春期以降は「お父さんのことが大好き」とか「お父さんと一緒に買い物に行った」とかって、ちょっと言い辛くなりますよね?恥ずかしいというか。
だから、お父さんのこと、本当は好きでも、その気持ちを内に秘めたり、逆のことを言ってしまったりすることも多いと思います。(もちろん、本気で“嫌い”という場合もあるでしょうけれど)

そんな風に「ファザコン」というのは結構避けたいレッテルだと思うんです。
だから、「何とかしなきゃ」という思いが芽生えます。
「いつまでもお父さんのことが好きでいたら、恋人なんてできないよ」と自覚することもあるでしょう。

しかし、きょうだいではどうでしょう?
「お兄ちゃんが大好き」「お兄ちゃんと一緒に買い物に行った」という話をするの、お父さんほど抵抗感じないと思いませんか?
過度な表現ならば眉を潜める向きもあると思いますが、「へえ、仲がいいんだ~」「いいお兄さんがいて羨ましい」みたいに好意的に受け止められると思いませんか?

だから、「ブラコン」と自覚したとしても、「何で?どこがいけないの?」という風になるわけです。
むしろ、胸張って「あたし、ブラコンなんです」と言えたりするんです。。

事実、カウンセリングでも「お兄ちゃんのことが好きなことが問題だとは夢にも思わなかった。むしろ、恋愛にも色々相談できるし、プラスだと思ってた」という反応をよく目にします。

もちろん、仲が良いことは素晴らしいことです。
それが悪いか?と問われれば、悪くないよなあ、と正直思います。

でも、色んな影響を及ぼしてしまうんですね。
次項ではその影響について紹介していきたいと思います。

●ブラコンの功罪

○ブラコンのもたらす恩恵

まずは、いいところ、から先にご紹介しましょう。
悪い話ばかりではありません。

異性のきょうだいと仲が良いということは、異性に対して非常にハードルが低くなります。
特に同世代の異性に対しては、心理的ブロックはかなり低くなります。

例えば、職場では先輩や同僚にも緊張すること無く接することができたり、言いたいことをズバズバ言えたりします。
そうすると、その先輩や同僚にとっても、あなた自身が“かわいい後輩”“親しみ易い同僚”になりますから、お得な思いをすることも色々出てくると思います。

いい意味で「異性慣れ」(男慣れ、女慣れ)しているので、男友達が多かったり、かわいがられるところから恋愛に発展することも多く、その気になれば“男が切れない”人生を送ることもできます。

また、男性に対して抵抗が少ないということは、仕事面では恵まれることが多くなるでしょう。
なぜかというと、まだまだ男社会な部分が大きいですから、男性に対して抵抗がない分、仕事や会社に対しても抵抗が少なくなり、いい職場環境が与えられたり、充実した仕事ができたりできるようになります。
また、自信が付くので独立開業並びに、フリーとしての活動もしやすいはずですね。

また、仲の良いきょうだいがいるので、精神的にはとても安定した生活が送りやすくなります。
「いざとなれば絶対的な味方である兄がいてくれる」という思いはものすごく安心感をもたらしません?
そうすると、人間関係にも余裕が出てきますから、明るくて、懐の深い、付き合いのいい友人として重宝されるんです。

実際、ブラコンを自覚される方とお会いすると、ゆったりとしていて、心に余裕があるんだな、と感じることも多いんです。

言い換えると、その感覚は、自信、なんですよね。なんとかなるんじゃない?大丈夫だよ?という余裕。
だから、人生を愛されながら、楽に進めていくことができるのは大きなメリットと言えるでしょう。

>>『ブラコンの心理(3)~ブラコンの問題点~』につづく

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