比較から生まれる無価値感~自分自身との関係が人との距離を作る~

誰の心の中にでも、存在する無価値感。

心理学講座では、無価値感が作る問題が多く取り上げられます。
出来ることなら、感じたくないものです。
その多くは、家族関係から起因すると言われていますが、両親との関係が良好だとしたら、他に何が考えられるのでしょうか?
無価値感を持ち始めたルーツはひとそれぞれですが、無価値感を強めるものの一つとして、比較が挙げられます。
今回は、比較の話をベースに、どのようにして無価値感が強化されていくのか、また、無価値感を持った状況から好意を持った人に近づくヒントをお届けします。

◎リクエストを頂きました◎
===================================
いつも心理学講座を楽しく拝見しております。
よく自己否定や無価値感、恋愛関係がうまくいかないなどは家族との関係が原因という記事を見かけますが、私自身、家族との関係は良好で子供時代も大変愛され、今も大切にされていると感じます。両親に冷たくされた記憶もありません。

けれど、恋愛になると自分に自信がなく、執着してしまったり、うまくいかないことのほうが多く、自分への無価値感もとてもひどいです。妹は同じ環境で育っているのに私とは違い、感情のコントロールができて無価値感も感じたことはないそうです。

両親との関係に問題がないのに、自分の恋愛や考え方に自信がなく、無価値感を感じてしまうのはなぜでしょうか?今まで両親や家族の関係の記事が多かったので、もしよければそれ以外の原因についての例を教えていただけませんか?
===================================

リクエストいただき、ありがとうございます。
今回は、リクエストを基に、無価値観や自信のなさを作る要因となる比較をテーマにお届けします。

【同性の親との比較から生まれるパターン】

心理学講座などを見ていると、恋愛に関する自信のなさは、両親との関係や家族の関係に由来することが多く書かれています。
そのくらい、両親や家族との関係は私たちの人間関係の基礎になっているものなんです。
ですから、両親との関係の中で問題がなかったとしても、何らかの形で影響を受けていることは少なくありません。

人生始まってからの初恋はお父さん。(男性の方は、お父さんとお母さんを置き換えてみてくださいね。)
私たちの初恋は、お父さん、お母さん、私の三角関係から始まります。

ですから、無意識的であれライバルである同性の親を意識しながら、育ったといえるでしょう。
両親が仲のいいことは、とても素敵なことなのですが、お父さんがお母さんを大好きで仲良しでいると、幼少期で初恋中の私たちにはこんな比較が生まれるんです。

愛されるお母さん VS (お母さんより)愛されない私

お父さんが私のことを好きなこと、大切にしてくれていることは分かっている…けれど、女性として素晴らしいお母さんには勝てない。。。

「大好きな人は、私を選んでくれない」

そんな思いから、愛されることの自信のなさや無価値観が生まれることがあります。
これは、お母さんのことが大好きで、仲の良いご両親を持たれる方が持ちやすい心理的パターンということが出来ます。

【比較から生まれる無価値観】

皆さんは、比較という言葉を聞いてどんなイメージをされるでしょうか?
ポジティブなイメージというよりは、ネガティブなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか?
私たちの中にある比較は、先ほどの話に挙げたお母さんだけにとどまりません。

たとえば、会社の同僚、友人、兄弟、道行く人々…私たちはいろいろな人と自分とさまざまな人を比較します。
お互いの違いを認識したり、個性や特徴を知るために有効な手段になる場合もありますから、比較自体が一概に悪いこととは言えません。

しかし、私たちは比較をすることで、自分の価値を測り、自分を嫌い、攻撃をします。
この自分を嫌い、攻撃するその行為が、私たちに自分には価値がないことを認識させたり、自信を失わせたりして問題を作るのです。

無価値感や自信を失わせる比較の多くは、比較相手にあるものと私の中にないものを比較しているもので、私の中に価値や魅力があるとは感じることができません。
ここでは、比較による自己攻撃、自己嫌悪や得るもののない比較そのものを手放すことが求められます。

【自分自身との関係を見直す】

私たちが、無価値観を感じ、自信を失っているとき、私たちは酷く自分を嫌い、攻撃をしています。
私たちが私自身を嫌い攻撃していると、心理的状況が周りに投影され、

「きっと、あの人も私のことを嫌うはず」とか、
「こんな私は、受け入れられるはずはない」という風に。

そんな私が愛され受け入れられるとはとても思えません。
その思いが好意を持つ相手に近づくことを難しく感じさせ、私たちの無価値観や自信のなさを更に強化していきます。

そんなとき、周りの誰よりも自分に厳しくしているのは、自分です。
自分に投げかけている言葉をそのまま友人に向けると、即座に友人が去っていくぐらいに厳しいはずです。
そんな自分との関係は、決して良好とはいえません。

まずは、「私と私自身」との関係を良好にするために、自分との関係を見直していきましょう。
友人と付き合うように自分自身を大切に扱ってあげてください。
そうして、「私と私自身」の関係が良好になり、自己嫌悪や自己攻撃が減った分だけ、自信のなさや無価値観が軽減され、好意を持っている相手にも近づきやすくなっていきます。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

宮本 恵

人間関係の築き方・コミュニケーションのスキルアップ・個性を生かすことを得意とする。 お客さまのテーマを多角的な視点でとらえて分析することにより、新たな視点や心の気楽さを持つことが出来ると定評がある。ゆるぎない安心感の基盤を基に行うカウンセリングは、心のうちを語りやすいと評価が高い。