将来について

相談者名
スロースターター
こんにちは。現在大学1年の者(文系)です。将来、どうしたらよいのかわかりません。
全く希望がないわけではありません。いくつか、進むことに興味のある道もありますが、考えていくと、詰まっていってしまいます。
1つめは、研究者になることです。これは大学に入ってから思うようになりました。大学院にすすみ博士号を取得し、大学で授業や研究できたらいいな、と思っています。週1回程度私には研究室訪問を許可してくださった先生がおり、そこで文献を読むことを通じて、多くの学びを得ました。その先生は3月で定年退職されてしまうのですが、私にとって非常に充実していました。そのせいか、気付いたら自然と研究者にあこがれを抱いていたのかもしれません。しかし、今は「ポスドク」問題などで博士号を取っても借金まみれだから勧めないとその先生から言われておりますし、社会的にもそれは問題となっているようです。本当に、専任教員になるのは難しいと多くの先生が仰っています。
2つめは、大学院の博士前期まで進み、その後教員となることです。これは教授が勧めて下さいました。しかし、私は教職課程を履修していません。私の通う大学は1年次から教職課程が始まり、2年次からは履修できないシステムになっています。大学院では先週免許状というのを取得できるようですが、それも、学部の段階で取得できる教員免許保持が条件となるようなので、難しいかな、と思っています。
両親は、私が就職すると思っているというより、さっさと就職してほしいみたいです。この不景気のせいか今からもうこのままでは就職できないと言って騒いでいます。それから、お前はどこに就職するんだろう?とか時々言っています。親だからゆえにそんなことをいうのかもしれませんが、少しうるさすぎます。両親には大学院は就職できない人が行くところという変な固定観念が備わっているようで、もしかしたらさっさと就職してほしいと思っているのかもしれません。
自分の希望としては1番目の研究者なのですが、いろいろ困難なことがあり迷っています。本当は私はもっとじっくり決めてみてもいいかなとも思うのですが、「将来」がすぐそこに迫ってきているような気がするため、そんなのんきなこともいっていられません。どうしたらよいでしょうか。
カウンセラー
井上真由美
スロースターターさん、こんにちは。
今回のご相談を担当します、井上真由美と申します。
よろしくお願いします。大学1年生といえば、まだまだ将来のことよりも大学生活そのものを楽しみたい、遊びたいと思っていても不思議ではない時期なのに、将来のことを真剣に考えているスロースターターさんは、自分の人生に向き合う強さを持った人だなと感じました。
そんなスロースターターさんだからこそ、どうするのが一番いいのか、迷いや葛藤も生まれたのでしょうね。
今回は、スロースターターさんの迷いや葛藤を整理していくお手伝いをさせていただきますね。

さて、今のスロースターターさんの迷いを整理すると、
・自分が一番希望しているのは、大学院に進み研究者になる道。
・しかし、その道は『ポスドク』問題など、身分が安定しづらい可能性がある。
・そして、両親も自分に就職してもらいたがっているようだ。
と、大きくは3つのポイントからなっているように思います。

これは、スロースターターさんの抱える、『やりたいことVS不安』の問題とも言えるのではないでしょうか。

ここで一度考えてみてほしいのは、自分は人生の中で何に価値をおいて生きていきたいのか、ということです。
「自分が人生で絶対に叶えたいと思っていることは何か」という大きなことから、「他のことを我慢してでも専門書を買いたいと思うか」など小さなことまで、自分の中で価値観の棚卸しをしてみてください。
これは本格的に取り組もうとすると、自分と向き合う作業になります。もし必要であれば、カウンセラーをご利用くださいね。

今回は特に、『仕事』に対する価値観に焦点を当てて考えるのも有効かと思います。
自分はこれから先『仕事』に何を求めるのか。情熱か、やりがいか、安定か、給料か。色々求めるものは出てくると思いますので、その中でも優先順位をつけてください。
自分の仕事人生を充実させるための方向性が、見えてくると思います。

またこれとは別に、不安要素を具体的にしておくということもおすすめです。
たとえば、ポスドクで身分が安定しないというのは、どういう状況になることなのか。
借金まみれ(おそらく奨学金返済のことだと思います)という可能性についても、借金はいくらぐらいになるのかなど。できるだけ不安要素は具体的にしてください。
不安要素がはっきりと見えてくると、その対処法も考えられるようになりますからね。
先ほど出てきた借金のことでいえば、返済不要の奨学金がもらえるか、ポスドクの給料がどれくらいなのか、返すのにはどれくらい年月がかかるのか。大学・大学院時代には研究をしながらアルバイトもできそうかなど、周りの院生の先輩に聞いたりして、具体的な見積もりを出して検討してもいいかと思います。

そして、ご両親の意向も無視できない気持ちがありますよね。
ただ、ご両親がなぜうるさく言うのかというと、おそらく我が子に苦労をさせたくないという気持ちがあるからだと思います。
ですから、ご両親が何を不安に思って就職を勧めるのか、何がスロースターターさんの幸せなのか、じっくり話し合ってみるのもいいかと思います。
今の世の中、企業への就職も安定とは言い切れません。
ご両親の意向を汲んで就職して、もしもその企業がつぶれてしまったなんてことになったら・・・それこそ双方が辛い思いに苦しんでしまいますからね。

そして最後は、やはり『やりたいことVS不安』というところに戻ってくるかもしれません。これは、『やりたい人生VS円満な人生」と言い換えることもできるかもしれませんね。
スロースターターさんが、この問いに対する答えを出せる日は、上記のように自分の価値観と向き合い、十分に不安要素などを検討した上となるのではないでしょうか。

幸いにも、スロースターターさんはまだ大学1年生です。
これからまだまだ新たな知識を得、経験を積み、自分の考え方にもいろんな変化が訪れるでしょう。
将来どうしていきたいのかというのは、それこそ深い洞察をもって考えることです。
たくさんのものを見て、聞いて、知ってください。スロースターターさんが望んで動けば、必要とする情報は手に入ります。
ご自身が一番納得できる答えを探してください。

ご相談の中で、
>週1回程度私には研究室訪問を許可してくださった先生がおり、そこで文献を読むことを通じて、多くの学びを得ました。
と書かれていましたね。
これほどの勉学に対する情熱をもったスロースターターさんが、悩み迷って出した結論であれば、結論がどうであれ、必ずスロースターターさんの人生を豊かにする悩みであり、迷いであったと思います。
ご自分の情熱を大切にして、決断するまでの日々を大事に過ごしてくださいね。
応援しています!

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