仲のよい家族と絆を感じられない時~誰かを責めている時は、自分を責めている時~

家族との絆を感じられない時、私たちはとても苦しい思いをします。
そっけなかったり、つながりを感じられない時に苦しむことはもちろんですが、時には、仲がいい家族の中にいることが苦しみを生むこともあります。

他の家族が仲がいいだけに、疎外感を感じたり、自分は必要ないのではないかと感じて苦しくなることがあるのですね。

そんな時は、周りの家族を責めたり不快に思ったりすることがあります。けれど、そんな風に誰かを責めたりしている時の心理は、心の底では、自分を責めてしまっていることが、一番の苦しみを生んでいることがあります。

周りの家族は家族の一員と思っているのに、自分で自分を責めてしまうために、その輪に入ってはいけないような気持ちを感じてしまうことがあるのですね。

誰かを責めない、自分を責めないための見方を考えていきたいと思います。

◎リクエストを頂きました◎ 
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私は夫と義親、義弟、義妹が仲良くしているのを見るのをとても不快に思ってしまいます。
夫家族はとても仲がよく母の日や誕生日など「おめでとう」など言い合う家庭です。一方私はというと、親は私が中1の時に離婚し、イベント事は全くせず「ありがとう」や「ごめんなさい」もまともに交わさないような家庭で育ちました。私は母に育ててもらい感謝はしていますが「親は元気に生きていればそれで良い」という考えです。

私は自分が育ったような家庭にはしたくないという思いが強く、自分の子供達には気持ちを言葉で表したり抱っこするように心がけています。
夫の家族はいわば、私の理想と重なるところが多いです。なのに、夫を義親などに【取られる】という感覚まであるほどで苦しいです。

夫は私をとても大事にしてくれています。でも、私より義理の実家や他の人の方が大事なのでは、私は必要じゃないのでは、と思ってしまいます。
楽に考えるようになりたいです。
(一部、頂いた内容を編集させていただきました)
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リクエストをありがとうございました。

心理学には「自分が我慢していることを、やれている人をみると腹が立つ」という言葉があります。

例えば、人に甘えてはいけない、と思っている人がいたとします。すると、近くに甘え上手な人がいると、自分は我慢してるのに、あんな風に楽に甘えられている!と腹が立つことがあるのですね。

誰かに対して、不快な思いを感じる心理というのは、その人そのものが嫌いな感じがするものですが、心の底では、自分の中で我慢したり禁止している何かについて、自分が縛られて苦しい思いをしているところがクローズアップされて、それを感じることが苦しいので、不快に感じる場合があるようです。

今回のケースにあてはまるとしたら「あんな風に私も、親と兄弟と仲良くしたいけど、それを我慢してしまう」という気持ちがあるのかもしれません。

もしかしたら、相手を嫌っているのではなくて、自分の中に我慢したり禁止したりしている思いが、この感情の理由かもしれない。

なかなかそんな風には思えないものですが、わざわざ、そうして考えてみます。
この視点のメリットのひとつは、誰かのせいにすることで生まれる罪悪感を軽くする、というところにあります。

私たちの心は、誰かのことを責めたり、不快に思ったりする時、オートマチックに罪悪感を感じるようです。
誰かを責めたりしている時、誰だって良い気分にはなりません。
また、こんな風に相手を責めてしまっている自分のことが嫌になったりします。

でも、相手を責めているのではなく、自分の心に原因があったんだ、という視点を持つことで、相手のせいではなかったんだ、という思いを持てるようになります。

この視点で考えていく時に大切なポイントは、自分の心に原因があったんだ、と思った後、今度は「自分を責めない」ようにする、ということです。
「誰かのせい」→「自分のせい」では、責める対象が変わっただけで、罪悪感は解消されていないのですね。

そこで、「私がそんな風に考えてしまっても、仕方ないよね」と自らに言ってあげるようにしてみることが、自分への責めの気持ちを和らげることにつながります。

そもそも、仲がいい家族に嫌な思いを持ちたいなんて、思っていなかったはずなのです。
自分が得られなかった家族を手に入れることを願い、そして、それを得ることができた。
その幸せを感じられない自分をとても強く責めていることが、この苦しみの元になっているのではないでしょうか。

でも、喜べなくても仕方ないはずなのです。
この気持ちの後ろには、「仲がよい義理の親と夫の様子を見ていると、自分の親との苦しかった感じを思い出されてしまう」ことが苦しい、という心理があるのではないでしょうか。

自分を責めないために、「仕方ないよね」と自分に言ってあげましょう。
そして、こんな風に自分を責めてしまう心が、いかに優しい心であるか、ということを感じてみてください。

誰かを責めたり、幸せを感じられない時、私たちは自分のことを「冷たい心の持ち主だ」と思います。

この気持ちがあると、仲のよい家族の中に入ってはいけない、と感じてしまいます。
でも、ご主人や家族達は、同じ家族と思っていてくれるのではないでしょうか。
疎外感は、自分が冷たいからその輪に入る資格がないという気持ちが生んでいるかもしれません。

でも、冷たい心の持ち主は、こんな苦しみは持ちません。
冷静に事実を見ているだけで、何も感じないはずなのです。
苦しい、というのは、実は、自分の心が優しい、そして、愛がある証拠なのです。

そうは言っても、自分を責める気持ちを止めることは難しいですよね。
自分を責める気持ちには、その時々によって波があります。
責める気持ちが高まっている時には、静かに治まるのを待ちます。
そして、その波が静かになった時に、先にあげさせていただいた「仕方ないよね」と自分のことを許し、また、「苦しいってことは優しい心を持ってるらしい」と自分に言ってみることを試してみてください。

また、今と逆の環境だったら、ということを想定してみるというやり方もあります。

今の環境が、真逆の状況だったら、どんな気持ちがするだろうと想像してみるのですね。

今回のケースでは、もし、結婚した夫の家族の仲が悪かったらどうだろう?と思ってみる。
きっと、もっと苦しい思いをしているのではないでしょうか。
そして、どんな形かわかりませんが、理想の家族が得られなかったことで、とても強く自分を責めてしまっているのではないでしょうか。

この出会いを感じてみてください。
仲がよい家族の夫と出会い、結婚したということを。
もし、ご主人にあなたがいなかったら、家族を持てていません。
妻も子どももいない状態で、親兄弟だけで、幸せな家族を持っていると感じることができているでしょうか。

もう手に入れていいのです。仲がよい家族というものを。

ありがとうございました。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

池尾 昌紀

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。