シャドウの心理学~「ないもの」から「あるもの」へと認めよう~

日々の中で、なぜか苦手な人やどこか嫌いな人の1人や2人いるものです。嫌いだから…苦手だからといって、相手に変化を促すのは難しいもの。しかし、自分の心にアプローチすることで、苦手な人や嫌いな人に感じている不快感が解消するとしたら、チャレンジする価値もありますよね。

あなたが感じるこの苦手な要素や嫌いな要素にも感じる理由があります。今回は、そんなシャドウに関する心の仕組みや苦手な要素や嫌いな要素から解放されるための方法をご紹介します。

◎リクエストを頂きました◎
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いつもメルマガを楽しみにしています。毎回学ばせてもらっています。
『シャドーの法則』について、具体的に知りたいのでアドバイスをお願いします。

今、お付き合いをしている彼を見ててイラっとくる時は彼の無知さや経験のなさを目の当たりにしたときです。
例えば、私からしたら「当然のように気遣いしなければならない場面」でまったく気遣いが出来ていなかったり・・。常識的に「その位は知ってて当然でしょ!」ってことを知らなかったり・・。

これを、彼が「私の影の部分を見せてくれている」んだとしたら、一体どういう意味なんでしょう?
私は自分で何を抑圧しているのでしょう?
自分が知らないこと、知ってて当然!っていう常識を知らないことが、私の影の部分・・???う~~ん、なんか分からなくなってきてしまいました・・。

彼は仕事一筋で今まですべての情熱を仕事に賭けてきた人です。逆に私は若いときからいろんな国に行ってたくさんの人と会ったりいろんな経験をしたり、またたくさんの本も読みました。だから彼とは知識や経験に差があるのは仕方ないことなのですが、頭では理解しつつも、日々の生活の中でイラっとくるときは、多々あります。
教えてください。どうぞよろしくお願いします。
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リクエストいただき、ありがとうございます。
今回は、リクエストを基にシャドウの心理学をお届けします。

シャドウとは?

シャドウとは、何かしらの形で自分から切り離した要素(を持った人)のことです。
自分から切り離した要素ということは、そもそも自分が持っている要素なのに、わざわざ切り離そうと試みるくらいですから、あなたにとっては忌み嫌っているものといえます。

例えば…
家族に怒りっぽい人がいて、「怒り」を嫌ったとしたら、自分の中から「怒り」を排除しようとするでしょう。
過去に「こんなことも出来ないの?」と言われて悔しい思いをしたのであれば、「出来ない自分」を封印して、すごく頑張ってスーパーマン(ウーマン)になるでしょう。
躾の時期に、「甘えること」を嫌って、甘えない私になった人もいるでしょう。

シャドウは、誰から見てもそれは嫌だよねーというものから、傍からみてそれはいい要素なんじゃないの?と思うものまでさまざまですが、何らかの理由で、あなたが「この要素は持たない!!」とか、「持っていてはいけない」とか、「要らない!!」と思って、自分から切り離したことから始まります。

例え、傍から見てその要素が悪い要素に見えなかった(良い要素に見えた)としても、あなたを取り巻く環境下において、その要素を持っていることで、嫌な経験をしたり、生きにくかったりした経験があれば、あなたはその要素をひどく嫌い、自分にその要素を持つことをよしとはせずに、強い禁止や抑圧をして自分にはないものとして自分から切り離して扱っていきます。

シャドウは自分が嫌っている部分ですから、自分の中にあるなんて感じたくもありませんし、認めたくもありません。そうすると、なおさら自分の中だけでは認識されることができないのです。

シャドウが認識されるとき…

シャドウは、そもそも自分の中にはないものとして扱われていますから、抑圧したものとして自覚するのは難しいかもしれませんね。

シャドウは強い抑圧や禁止をして、意識の奥底(無意識)の領域に封印されているので、自分という個人の領域では認識することができません。

心理学の世界では、『目に映るものは全て投影である』といわれていますから、意識の奥深くに封印されたシャドウの部分であっても、あなたの心の領域の反映としてあなたの目に見える世界に映し出されていきます。

そこで、嫌いな人や苦手な人、不快を感じる人やなんかイラっとする人として、あなたの世界にシャドウが登場して、あなたに認識されることになります。

そうすると、あなたが自分の中で嫌っている部分と対峙することになりますから、あなたの生活の中ではフラストレーションやストレスを抱えることになっていきます。もちろん、回避できるうちは回避するのもひとつの手ではありますが、あなたの心の中に埋もれている状況に変化がない限りは、外の世界に映し出されるものも変わらないので、環境を変えたとしても、人を変えてシャドウが登場してくるのです。

シャドウからの解放

じゃあ、どうしたら、シャドウに煩わされる現状から解放されるのか?

ズバリ!!あなたの中にも、シャドウとなっている要素が「ある」ということを認めることなんです。
「いーやー!!」という声が聞こえそうですが…そもそも、自分の中に「ある」ものを「ない」ものとして切り離したことからシャドウが誕生したわけですから、自分の中に「ある」ことを認めることがシャドウから解放されるカギとなります。

これは言葉にして書くのは簡単ですが、実行するとなれば、なかなか難しいんですよね。
なぜなら、自分から切り離してしまわないといけなかったくらい嫌ったものだから。

だから、焦りは禁物です。
ポイントは、好きになろうとしないこと。好きになろうとすると瞬時に心が折れてしまいます。焦らずにやっていきましょう。

さて、あなたの感じる苦手なひとや嫌なひとの嫌な要素や苦手な要素は、どんなところでしょうか?
この質問から出てきたあなたの嫌な要素や苦手な要素が自分の中にあることを許可してあげましょう。
(あることにOKが出しにくいときは、まずはあるかもしれないなぁという目で自分を観察するところから始めましょう。)

それが自分の中にあると思おうとしただけで、初めは抵抗や嫌悪を強く感じることがあります。
でも、それは上手に自分の中に「ある」に許可を出そうとしている証拠です。
自分の中にその存在の「ある」を認めることが出来た分だけ、シャドウの存在が気にならなくなります。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

宮本 恵

人間関係の築き方・コミュニケーションのスキルアップ・個性を生かすことを得意とする。 お客さまのテーマを多角的な視点でとらえて分析することにより、新たな視点や心の気楽さを持つことが出来ると定評がある。ゆるぎない安心感の基盤を基に行うカウンセリングは、心のうちを語りやすいと評価が高い。