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Lecture.891

「怖れ」を感じるときはどうしたらいいのか?〜「死」への怖れをテーマに考える〜

講師:安田未稀

病気の友人、亡くなった友人を懸命に支え続けたご本人が体調を崩してしまい、自身も死と病への恐怖を強く感じるようになってしまった、という方からのご相談です。
「病気」「死」に関することは、心理学というより、倫理や哲学、宗教などの思想的な観点から語られることが多く、心理学だけで語るのは非常に難しい話題でもあります。
「死」という誰もがもつ究極の怖れを少し違う角度で捉え、また病気に限らずですが、悩みを抱えた身近な人へのサポートについて考えてみたいと思います。

Keywords
怖れ 殉教者 犠牲者 罪悪感 癒着 

◎リクエストを頂きました◎
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年上の友人なのですが、ここ数年、生死に関わる病気が続いています。また共通の友人が、乳ガンになり、亡くなりました。
私自身はまだ若く体力もあることから、治療に関する資料を印刷したり、聞き役になり、話をとことん聴いて、2人を支えてきましたが、病気や手術の詳細な話は、とてもおそろしいと感じました。

最近は、自分自身が体調を崩すようになってしまいました。
気持ちの面でも、病気や痛み、死がものすごくおそろしいのです。
心の中に生じてしまった恐怖を消すことはできるのでしょうか?

友人のことは大好きだし心配なので、これからも支えていきたいと思いますが、
どのような心構えで接していけばいいでしょうか?
(掲載の都合上、原文を編集させていただいております)
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リクエストありがとうございます。

今回、担当させていただく安田未稀です。どうぞ、よろしくお願いします。

●「怖れ」への対処は?

「怖れ」は、怖れている対象に向き合わない限り、逃げても逃げても、影のようにずっと離れず、つきまといます。

ですから、「怖れ」の対象にしっかりと向き合うことが必要、と言われています。

「死」の何が怖いのでしょうか?
「死」そのものが怖いに決まっている、と言ってしまえばそれまでですので、ちょっと視点を変え、あえて考えてみましょう。

「死」によってどうなることが怖いのでしょうか?

例えばですが。
・この世から、肉体上の自分という存在がなくなること。
・(独身の方であれば)結婚せずに終わってしまったみじめな人のように思われる・・・

等、いろいろあるでしょう。

この怖れているものの対極にあるものが、”生きているうちに”欲しいものや望むもの、幸せや喜びを感じたいものになります。

上記の例ですと、自分の存在意義や価値をリアルに感じることや、結婚・パートナーを持つこと、かもしれません。

また、一般的によく言われますが「どう死ぬかを考えることは、どう生きるかを考えることと同じだ」と。

死が怖いということは、このまま死ぬのは嫌だと思うぐらい、生きているうちに実現したいことがあるのではないかと思います。

怖れを抑えよう、消そうとするよりも、怖れの存在を認め、怖れている対象に向き合い、そして本当に望むものを実現する道に向かうこと。それが必要ではないでしょうか。

ご相談者の方は、死の恐怖をここまで強く感じているのですから、翻せば、どう生きるか?を考える機会がやってきているのではないでしょうか。


●自分を犠牲にして、他人を優先しすぎてしないか?

ご相談者の方は、「友人の話をとことん聞いて寄り添い、支えてきた」そうですね。
とても思いやりの深い方だと思います。

ですが、友人を思うあまり、懸命に寄り添った結果、友人の持つ「怖れ」という感情を一人で背負いすぎてしまったように感じます。

助けたい、支えたいという気持ちが悪いことなのではありません。
ただ、自分自身を後回しにし、心身を差し出してでも尽くしてしまうマインドを持っているように感じます。
このタイプを「殉教者(犠牲者)」と言います。

(「殉教者(犠牲者)」のマインドについて詳しくは、ホームページの心理学講座内を参照してください)

友人は、支えによってずいぶんと助けられ、楽になった部分もあるでしょう。
しかし、一方で、相談者の方ご本人がどんどん心身ともバランスを崩していく様子をどう思うでしょうか?
申し訳ない・・と罪悪感を持ちます。

ですから、この状態は、友人もご本人も幸せではないのです。

しかも、殉教者タイプですと、こんなことまで思っているかもしれません。

「友人を一人亡くし、そしてもう一人の友人も助けられないかもしれない。私が死んでしまうことで助けられるなら、死んでもいい」と。

このように、殉教者タイプには「自分が犠牲になってしかるべきだ」という自己概念があります。

それぐらい自己価値が低く、「私は身を捧げるべきだ。なぜなら私は悪い人間だから」という深い罪悪感が隠れています。

ですから、ご相談者の方が向き合うべきことは、心の奥底にある自己概念と罪悪感だと思います。
今回のケースに限らず、いつも周りの人に対して尽くしてきたのでしょう。根深いパターンのような気がしますので、ご自身の家族との関係、生育環境から見つめ直すことをお勧めしたいと思います。

殉教者マインドを癒すことによって、人のことばかりではなく、自分を大切にする生き方ができるようになるでしょう。


●悩める身近な人にどう接すればいいのか?

「友人のことはとても大好きで心配だ」とのことですが、自分一人だけで引き受けないようにすることが大切だと思います。
自分自身が辛い、苦しい、無理を感じるときは、相手のために時間を使うことは避け、距離を置く時間も必要でしょう。
また、友人がいろんな人・機関の助けを求められるよう仕向けることもサポートだと思います。病気のことは医療系の専門職の方々はもちろん、心的ケアには心理カウンセラーを紹介することもありでしょう。
殉教者タイプの方は、自分が直接関わらないと、どうも冷たい人間になるような気がしてしまうのですが、そうではありません。

友人が、より幅広く効果的なサポートを受けられる可能性を生み出します。

(完)


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