中学・高校生の女の子は勉強以上に恋することに興味をもっています。彼女たちにとっては、それがとても大事なことなのです。
こんばんは
神戸メンタルサービスの平です。
思春期のお嬢さんのいるおかあさんが私どもにご相談におみえになることがしばしばあります。
今回のおかあさんのご相談は、お嬢さんの成績のことでした。
中学2年まで学年で10番前後と優秀だった成績が、3年生になってから急に落ちてきて、200人中180番ぐらいになってしまったというのです。
クラブ活動やその他のなにかが忙しいわけでもないのに、なぜか学業にまったく身が入らないとのこと。というか、勉強自体への興味がなくなってしまったようだと心配されています。
じつは、このような現象は思春期の女の子にはよく起こります。
なにが起こっているのかといえば、それは、彼女に恋の季節がはじまったということなのです。
恋の季節?
そうなのです。これは日本だけでなく、世界中で起こっていることで、あるアメリカの心理学者は、この現象を「男性を尊敬したいという気持ちから起こる」と解明しました。
恋をすると、女性の多くは相手の男性を見上げるような状況になりたいと思うようなのです。
しかし、学力があまりに優秀だと、彼を見下げるような位置に入ってしまいます。
そこで、たえず尊敬し、見上げていられるように、自分が優秀であることを避けようとする心理が働くようなのです。
中学受験を前にした小学生と親御さんに、塾の先生がよくこう言うのも、恋する女性現象の一つかもしれません。
「女子のみなさんは、5年生までにできるだけ学力を上げておいてください。6年生になると伸び悩み、男子に抜かれてしまいがちなので‥‥」
恋の季節がやってくると、勉強に集中して優秀な生徒でいることよりも、おしゃれをしてキュートになりたいという方向に意識がシフトしていくのです。
勉強なんかどうでもいい、男の子にモテる女子になりたい、ということですね。
同じように、中学まですごく優秀で進学校に進んだものの、高校に入った途端に勉強に興味がなくなり、すべての関心がファッションやかわいくなるというところに向かって困る、というのもよくあるご相談の一つです。
そして、それはどうも、「自分が優秀になるよりも、優秀な男性とつきあい、結婚したほうが効果的かもしれない」という無意識の思いによって起こっているようなのです。
こんな話をすると、おかあさん方は「では、もう、学力のほうはあきらめるしかないのでしょうか?」とおっしゃいます。が、そんなことはけっしてありません。
これらの問題は、「優秀であることは、魅力にはならない」という誤解が引き起こしています。その誤解をとけばよいのです。
たとえば、おかあさんがこんなことを言うと、勉強へのモチベーションが復活するかもしれません。
「成績がよい女の子は、男の子にモテるらしいわよ」
「いい大学に行くとね、いい企業に入れるの。そこには、優秀な男子がたくさんいるんだって」
“恋愛至上主義”と私は呼んでいるのですが、中学・高校生の女の子は勉強以上に恋することに興味をもっています。彼女たちにとっては、それがとても大事なことなのです。
ですから、それを上手に利用することで、勉強へのモチベーションをつくることもできるようです。
来週の恋愛心理学もお楽しみに!!