感情を感じることができないと‥‥

「彼(彼女)と別れたい」という人は、二人で一緒にいるときに、喜びではなく、苦痛やがまんなどの感情を感じるようになっている

こんにちは 平です。

私たちカウンセラーは、みなさんとは少し違うものごとの見方をすることがあります。

それは、たとえば、「会社を辞めたい」と思っている人がいるときに、「この人がやめたいのはじつは会社ではなく、会社で感じている“あの感情”なのだろう」という見方です。そして、その感情とはいったいどようなものだろうと興味をもつわけです。

同じように、「彼(彼女)と別れたい」という人は、二人で一緒にいるときに、喜びではなく、苦痛やがまんなどの感情を感じるようになっていると見ることができます。その不快な感情と手を切るためには別れるしかないと思うわけですね。

しかしながら、みなさんの男女関係のご相談を受けていると、自分がどのような感情を感じているのかわからないという人が非常に多いということに気づきます。

私たち日本人は“がまんの民族”と呼ばれることがあります。自分を抑え、殺し、そして、だれかに奉仕するという文化があるわけです。

すると、男女関係に限らず、さまざまな対人関係において、「ま、いっか、私さえがまんすれば‥‥」と思うようなシーンが増えます。

愛する人のために、またはだれかのために自分の感情を抑圧することを対人関係のヒケツだとしているわけですが、抑圧ばかりしていると、自分が感じている感情がわからなくなってきてしまうのです。

ここで問題となるのは、自分の感情がわからない状態では、人の感情も理解できないということです。

日本人がよく陥るワナの一つに、「私がこれだけがまんしているのだから、あなたも少しぐらいはがまんしたらどうなの?」とか「がまんが足りませんよ」というものがあります。

私ががまんし、みなさんに貢献しているのだから、あなたもがまんしてみんなに貢献しなさいよというわけですが、このような考え方は、ちょっと変な世の中を作ってしまうこともあります。

昔、高校野球でホームランを打った選手は、「相手チームのことを考え、ガッツポーズをしてはいけない」と決められていたことがありました。

なんか変ですよね。外国人の私の友人は、とても日本らしいルールだと感じ、日本人の特徴というテーマですぐにブログのネタにしたそうです。

もしかしたら、あなたは「自分の中にある感情と本気で向き合ったら、手に負えない」と思っているかもしれません。

一人では無理かもしれませんが、カウンセラーでも、パートナーでも、友人でもいいのです。だれかの手を借りながら、自分の感情をただ静かに感じてあげることさえできれば、手に負えなかった感情もあなたは無理なく受け止めることができるようになります。

すると、あなたは自分の感情だけでなく、人の感情も受け止め、それを違う感情に変えてあげるという能力さえ身につけることができるようになるのです。

子どものときの私たちは、がまんなどしても、パパやママから「えらかったね」、「ほんとうにがんばったわね」と言われるだけで、心が満たされていったものです。同じように、感情というものもちょっとしたことでたえず変化させることができるのです。

ところが、私たちにはなんらかの感情にしがみついてしまうことがあります。

言い換えれば、その感情を手放さないようにしているということなのですが、その理由のほとんどは、「こんなにがんばってきたということを、だれかに認めてもらいたい」ということであるようです。

では、あなたがそれほど認めてもらいたいこととはなんなのでしょう?

それを探っていくと、じつはそれは「自分自身で自分を認めてあげていない」ということがその根底にあることが多いようなのです。

 

では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

平 準司

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。