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Lecture.837

子供の頃に受けた親の影響から抜け出す方法〜イメージを書き換えるための「理解」〜

講師:浅野寿和

「あんな風にはなりたくないなぁ・・・と思うと、そうなってしまう」
これは一つ「禁止(タブー)の心理」法則でもあるのですが、私たちは心の中で「こうしてはいけない」と禁止したものに強い興味を持つ傾向があります。私はこうならないぞ、と思った対象に心は興味を持つわけです。そんな時は、あなたの心の中にある「イメージの書き換え」を行うことで、あなたの心を許し、解放していく方向を考えてみてもよいのかもしれません。そもそもあなたの「禁止(タブー)」にしているイメージを変えることができれば、あなたは「あんなふうになりたくない」と思う必要もなくなっていくのです。それは親から受けた大きな影響に対しても同様に考えていくことができます。

Keywords
心には否定形がない 禁止 罪悪感 理解 許し 

◎リクエストを頂きました◎
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僕には(20代)現在3人の子供がいます。とてもワンパクで思うように育児できず別のネガティブな感情を、子供を叱るときに一緒にぶつけてしまっているのではないかと思うときがあります。
そんな時、自分が子供の頃に父親からの攻撃や心の抑圧を思い出しとても苦しい気持ちになります。「こんな人間には絶対にならない」と思っていましたが、自分も似たような事をしてしまう罪悪感に苦しみます。
また、父親の前では心が勝手に反応しているようで、まるで呪われたように毎日が苦しいです。
しかし父親が一生懸命働いて育ててくれた事にとても感謝しています。だけど、うまくいかない事を父親のせいにしてしまっている自分もいてそんな自分自身も好きになれません。子供の頃に親から受けた影響から抜け出す方法はあるのでしょうか?
(一部編集させていただきました)
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■心に否定形はない、という考え方。

「あんな風にはなりたくないなぁ・・・と思うと、そうなってしまう」

私たちの学ぶ心理学では、「心には否定形がない」と言います。心が感じたものをそのまま感じる、ロックオンするものだと考えられています。

例えば、「私は父のようになりたくない」と願っても、心は「父のあり方」「あなたにとっての父というイメージ」を認識しますから、どこか「父のような行動」としてしまうこともあれば、「そうならないように努力するけれど、つい父の言動に似通ってしまう」といったことが起こるのですね。

しかし、心の面から見つめていくと、あなたがどれだけ「あんなふうにならないぞ」と思い、あなたが感じていることの「否定」をしても、なかなかあなたが思うような結果は出にくいかもしれません。

これは一つ「禁止(タブー)の心理」法則でもあるのですが、私たちは心の中で「こうしてはいけない」と禁止したものに強い興味を持つ傾向があります。

つまり「私はこうならないぞ」と思った対象に心は興味を持つわけです。しかも心には否定形がないですから「否定形ではない状態」に興味を持ちます。

そう、「○○のようにならないぞ」と、あなたが心の中で何かを禁止をすればするほど「○○のような状態」に興味を持ってしまうのです。


そんな時は、この「心には否定形がない」という法則をより良い方向で使うことを考えてみましょう。

つまり、「心に否定形がないのであれば、否定しなくてもいい父親像を持つ」ことを目指すことも前向きな考え方になると思います。

あなたの心の中にある「父親」というイメージを「タブーにする」よりは、ある程度「書き換えていく」という考え方ですね。


■自分を許すという視点

そもそも「人を上手く愛せていないのでは?」というお悩みは、「愛したい気持ち」が前提にあるからこそ悩みになるのですよね。愛する必然性がないものを愛せないと私たちは悩みません。

しかし、私たちはとても自分に厳しい部分があり「愛しているのだから、ちゃんと愛さないと。愛せるはずだ」と自分に役割やルール、義務を課そうとします。

なので、まず、あなた自身に対して、役割やさまざまなルールや義務を課すことを手放し、あなたの内面に「あなたとしての愛情」「あなたの良さ」があることを一つ一つ大切に見つめていきましょう。

例えば、あなたが思う「ご家族、お子さんなど、大切な人への思い」を手紙などに綴ってみてもいいかもしれません。今のあなたが本当に願っていることや思っていることを、実際に書き出すエクササイズです。すると、あなたが何を感じ、何をご家族やお子さんなど、大切な人にお伝えになろうとしているのか?が見えてくるはずです。

このように「見える形」にして自分の内面を表現することで、あなたの本心を自ら感じるという方法は、一つ自分を許し、禁止を解き、自分への誤解を解く手法の一つになるかと思います。


■父親のイメージを書き換えるチャレンジ

父親に愛してもらえなかった、厳しかった、理不尽なことで辛い思いをした。そんな経験があればあなたのハートは傷つき、許したくても許せないといった思いや、葛藤を抱えても不思議ではありませんね。

そんな時はまず、自分自身の痛み、父親への怒り、葛藤などを否定せずに扱うことも大切なことです。感情は開放することでその影響を小さくすることもできますので、まずは「今、感じている気持ち」を表現する方法や場所があるとよいでしょう。これはカウンセリングであったり、信頼できる人との会話などで実現できることがありますね。

その上で、あなたの中の「父親」というイメージをある程度書き換えていくことにチャレンジされてみてもよいかもしれません。

あなたの心の中にある「父親」のイメージを「ある程度、否定せずともよいもの」に変えることができれば、あなたが「あぁなりたくない」と思う必要もなくなり、心に「禁止(タブー)」を持つ必然性も薄らいでいきます。

結果、あなたがあなた自身を疑う理由を減らすことになったり、自分の言動に対して厳しい監視の目を向ける必要性も薄らぎ、あなたの心が解放され、楽になっていくことがあります。


例えば、父親と聞いてあなたが思い浮かべるイメージは何でしょう?

そこでイメージされる「父親」が、何故あなたを愛せなかったのか?なぜあの時、こんなことが起きたのか・・・そういった出来事の理由を知る、人に聞く、相手の事情を理解する、など、ゆっくりと「理解していく」ことができると、あなたの中の父親像のイメージが変わっていくでしょう。

これはある意味、道徳的に許すという観点で考えていることではなく、許すことであなたの中の心のイメージを書き換え、あなたにとってメリットのある状態を作り出していくという観点で考えられています。

よって、許すべき、許さないといけない、といったものではありません。

もちろん「怖い」だとか「否定的」なイメージもたくさんあろうかと思います。だから理解しようにも理解しがたい事、理解したいと思えないこともあろうかと思います。そんな時は、今、理解できないことはまず理解できないとして、「理解する材料」を集めを優先してみてもよいかもしれません。

このようにして、一歩づつあなたの中の父親のイメージが変化していくにつれて、あなた自身が「父親」の影響からゆっくり抜け出せるようになっていくと心の面では考えられているのですね。

以上、何か参考にしていただければ幸いです。


(完)


関連する講座へのリンク集
16.タブーの心理学〜禁じられた欲求〜
210.「許し」〜許せない気持ちには自分の禁止が潜んでいる〜
417-4.投影と許し(4)〜許しという手法で痛みのリピート再生から解放されよう〜
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