愛されたいニーズの下に隠れた自分の無価値感に気づく

「どうしてわかってくれないの!」という思いの下にある自分の無価値感に気づく

パートナーに対して「気持ちをわかってくれない!」等の不満を私たちは持つものですが、これをぶつけたりしてもパートナーシップはうまくいきません。こうした不満や怒りの理由を相手に求めるのではなく、自分の中にニーズがあることに気づき、その下には無価値感があることに気づくことが抜け道になります。

パートナーシップがうまくいかなくなる理由の一つは「相手への文句が止まらなくなること」ではないでしょうか。

自分の不満がたまって爆発してしまうこともあれば、不満はあるけど我慢し続けてそれが苦しくなる。

こうしたことだきっかけで、自分が相手を嫌いになることもあれば、不満をぶつけたら相手が去っていてしまうような苦しみもあるでしょう。

しかし、相手に対して不平不満を感じてぶつけるだけではパートナーシップはうまくいきません。

ここには、単に相手に対して不満や怒りを感じているだけでなく、深いところには「自分は愛される価値がない」と自分を責めている気持ちが隠れています。

もし、こんな自分には何もできないのだから、あなたが愛してくれないと救われないという自己否定の気持ちがあるのだとしたら。

この誤解を解いて、自分は愛される価値があり、だから自分から愛していく方向に舵を切ることができた時、あなたの愛情はパートナーに伝わり、愛されるようになります。

大切なのは「愛されるより愛すること」です。

今回の記事では4回シリーズで、自分のニーズに視点を当てながら、幸せなパートナーシップを作っていくための方法をお伝えします。

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例えば、こんなケースを考えてみましょう。

「彼とわたしは共働き。家事はお互い分担していて食器を洗うのは彼の仕事。最近、彼は大きな仕事を任されて大変そうで、少しでも負担を減らしてあげたいと、わたしがお皿を洗ってあげていた。でも、せっかく代わりにやってあげてるのに、彼はお礼も言わず、毎日それが当たり前のようにしている。わたしがどんな思いでやってるかも知らないで!」

こうした彼の態度に腹が立つのは無理もないですよね。

しかし、相手に対して「どうしてわたしの気持ちをわかってくれないの!」と不満を感じたりぶつけても、二人の関係性がよくなるとは限りません。

ここで大切なのは自分の中に満たして欲しい気持ちがあるということに気づくこと。

こうした場合に私たちが感じる思いは

「わかって欲しい」

「助けて欲しい」

「愛して欲しい」

という欲求です。

大切なのは

「まずは、自分から相手のことをわかって/助けて/愛してあげる」

ということなんですね。

その理由を逆から考えてみましょう。

今回の例で言えば、あなたがどれだけがんばって彼のために担当でない家事をやってあげているのか、彼がわかってくれない!という不満があります。

この不満があると、彼のことをわかってあげたい、という気持ちには、なかなかなれません。

ところが、彼にしてみれば、あなたのこうした態度は「この人は自分をわかってくれない人だ」と感じられてしまうので、「こんなに自分を理解をしてくれない人のことをわかりたいとは思わない」と感じさせてしまいます。

こうした不満を彼に言葉に出してぶつけていなくても、態度や表情には出てしまうので、伝わってしまうのですね。

不満、怒りの下にある自分には愛される価値がないという思い

しかし、頭でわかっていても「わかって欲しい」という自分のニーズは対処が難しい。

これを対処していくための最初の一歩として

「不満や怒りの下には無価値感がある」

ことに気がつくことから始めていきましょう。

どうしてわかってくれないの!というパートナーへの不満や怒りの感情の元は、相手にきっかけがあったとしても、その原因は自分自身の中にあります。

それは「こんなにも自分は価値がないのだから、あなたがわかってくれる以外にこの状況を変える方法はない」という思い。

自分に価値がないと感じる無価値感が強いと、その度合いだけ、自分には力がないから誰かに頼るしかないという気持ちが強くなってしまうのです。

まずは、パートナーに原因があるのではなく、自分の中にそれがあることに気づいてあげましょう。

それだけでもこの不満や怒りを減らすことができます。

次に、自分には本当に価値がないのだろうか、と問いかけてあげてください。

ここで必要なレッスンは自分の価値に気づくこと。

彼があなたに伝えてくれたり褒めてくれたことを思い出す、自分のがんばりを認めてあげること、他の誰かに言われた自分の良いところ、才能、魅力を思い出すこと。

こうした価値は自分ではなかなか気づけないので、誰かに聞いてみることをおすすめしています。

聞けそうな友達、職場の誰かを探して自分の良いところを聞いてみましょう。

そうやって自分も捨てたものではないかもしれない、という気持ちを段々と持てるようになったら、次は彼に直接、聞いてみるというチャレンジをしていきましょう。

こうした時は、自分の思いをわかってくれないというニーズに邪魔されていますが、実は、彼に気持ちを伝えられていないから、彼に伝わってない、という場合もとても多いのです。

伝えたら拒絶されたらどうしよう、もっとわかってもらえなかったらどうしよう、こんな不安が伝えるのを止めてしまいます。

しかし、自分の価値に気がつきながらだと、この不安を減らすことができるので、伝えやすくなるのです。

ケースバイケースではありますが、今回の例で言えば

「仕事が大変なんだと思ってお皿を洗ってるけど、しばらく手伝った方がいいかな?」

みたいなところからコミュニケーションを取っていくと「洗ってくれてありがとう」とか「僕がやるよ」とか「もう少し手伝ってくれる?」とか、彼もそのことに対して反応しやすくなります。

(続)

心理学講座4回シリーズ/同シリーズ記事はこちら
  1. 愛されたいニーズの下に隠れた自分の無価値感に気づく
  2. 犠牲と与えるについて考えてみよう
  3. 自分のニーズの原点について考えてみよう
  4. 愛されるより愛する自分になる
この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。