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Lecture.493-2

心がショックから立ち直っていくプロセス(2)
    〜第二段階:怒りと罪悪感〜

講師:根本裕幸

パニック状態を経て状況を受け入れ始めると、「何でこんな目に会わなければならないんだ」と嘆いたり、「自分の何がいけなかったんだ」と自分を責めたり、そのショックなできごとを引き起こした対象から神様、あるいは、政治や社会など、様々なものに対して怒りや罪悪感を感じるようになります。でも、それもプロセスの一つ。ちゃんと怒りを許すことが大切なのです。

Keywords
怒り 罪悪感 無力感 抑圧 許し


●第二段階:怒りと罪悪感

○怒りと恨み辛み

さて、現実を現実として受け入れられてくると、徐々に「なんで自分がこんな目に合わなければいけないんだ」「自分の何がいけなかったんだ」という“怒り”が湧いて出てくるようになります。

これはショックの大きさに比例するので、第一段階で茫然自失となり、パニック状態になった分だけ大きくなるものです。

加害者(悪者)がはっきりしていれば、その人への明確な怒りとなりますし、原因が自分であれば、激しく自己攻撃を繰り返します。

しかし、天災やある種の病気、死など、攻撃する相手がはっきりしない場合は、“神様”や“社会全体”にその怒りを向けるようになります。

「天は私を見放した」「神様も仏様もいないじゃないか」「こんな人物を創り上げた社会が悪い」「政治がしっかりしないからこういうことになるんだ」という感覚です。

そして、その感覚が徐々に恨み辛み、憎しみの感情を作り出します。
その対象(神様、天、病気、加害者、自分自身等)に対して、強い憎しみや敵意のようなものを抱き、復讐の物語を描くこともあります。

「もう神様なんて信じない。自分のことだけ考えて生きていく」と自分の殻の中に完全に閉じこもってしまう場合もあるでしょうし、「この医者はきっと自分を貶めようとしているんだ。」と「先生、本当のことを言ってくださいよ。」と詰め寄ったりするかもしれません。

自分が被害者であることを強く主張して、相手を否定し、どんどん追い詰めようとしたくもなるでしょう。

また、「あなたがしてること、分かってるの?それでいいの?違うでしょう?だから、謝りなさいよ。私を傷つけた分、ちゃんと責任取りなさいよ」と相手を攻撃しつつ、コントロールしようとしてしまったりします。
自分ではどうしようもないので、状況を変えて欲しくなったりするんですね。

でも、怒りをぶつけていたとしても、状況は改善しないことが多いわけです。でも、やるせなさと言いますか、そうするほか仕方が無いくらい絶望や辛い思いを心に含んでいるのです。
「怒るしかないじゃないの。もし、誰かに怒ってなかったら泣いてしまいそうだもの」そのような気持ちかもしれません。

怒りは「感情の蓋」と言われます。
その奥に感じたくない感情(不安、怖れ、悲しみ、絶望、罪悪感等)があり、その感情を隠すために「怒りを使う」のです。

しかし、この怒りのプロセスは暴力的であり、それ故に危険なのですが、だからと言って怒りを抑圧するのは別の意味でとても危険なんです。
だから、むしろ、「怒っていいんですよ」とか「もっと怒ったほうがいいですよ」というサポートをさせていただく場合もあります。

というのも、もし、ここで強い怒りを感じながらも「でも、そんなこと言っても始まらないし」と怒りを抑圧してしまうと、後々ひどい“抑うつ的な状態”を招き易くなるんです。
それに、怒りを抑圧すると、その怒りのエネルギーは自分自身に向かいますから、自分をひどく否定したり、傷つけたりすることになるんですね。

だからって、怒りを爆発させて、誰かに対して攻撃すると、状況を悪化させるだけでなく、あなた自身も罪悪感に苦しまなければならなくなるから、そのバランスはすごく難しいですね。

でも、それ相応のショックに見舞われたのですから、怒りを出してしまうことも、長い目で見れば許されることだと思うのです。(逆に言えば、それくらい抑圧は怖いものなのです)

怒りとの付き合い方はとても難しいのですが、まずはその怒りを受け入れ、ただただ、自分自身で感じて行くことをテーマとしたいのです。
実は心理的に見ると、誰かに怒りをぶつけることは“怒りからの逃避”と言われます。
だから、それを自分の感情としてしっかり向き合うことが大切なんですね。

だから、“怒りを許す”“怒りを感じることを許す”ということが、この段階ではとても大切だと思うのです。

 

○罪悪感と無力感

「そもそもこうなったのは自分のせいではないか?普段の行いが悪かったせいではないか?」と言う自責の念や、「もっとできることがあったんじゃないか?」「自分は手を抜いていたのではないか?」「相手の愛情にあぐらをかいていたんじゃないか?」といった、後悔の念が出てくるようになります。

これは他者に向いていた怒りが自分に向き始めた証で、心は強い罪悪感や無力感を感じているのです。

まったくあり得ないことと頭では分かるのですが、「地震も自分のせいではないか?」と感じてしまったりもするんです。
より具体的には、罪悪感が出てくると、

「病気になったのは自分の不摂生が原因だから自分が悪い」
「あの人が亡くなったのは、自分がちゃんと愛してあげられなかったから」
「自分はできが悪いんだから、会社をクビになって当然だ」
「私がちゃんとしてなかったから彼の心が離れてしまった」

等々、自分を強く責めるようになるんですね。

もちろん、それで物事が解決するわけではないのですが、“原因が分かると安心する”ので、自分が悪いことにしてしまうのです。

それは別の角度から見れば「自分を責めることで、他の人を傷つけないようにする」という態度でもあります。

元々罪悪感が強い人は、怒りの段階から既にその矛先が自分に向いていることもあり、とても強い自己攻撃を招くのです。

また、ここでの罪悪感は、直前のプロセスで怒りを強く持った対象に対しても当然生まれます。

「あれだけ神様を責めたんだ。もう、自分のことなんて救ってもらえるわけがない」
「社会のことをあれだけ悪く言ったんだから、自分は見放されて当然」
といった気持ちを持つのです。

ただ、罪悪感という感情の特性上、“罪悪感を認める”ということもとても難しく、意識上は相手を責めつつも、潜在意識の中で罪悪感を強く持ってしまってることもあるのです。

この段階においては、自分の感情と向き合い続けることが後々のプロセスでとても大切です。
しかし、怒りや罪悪感などの感情ってほんと感じたくないものですから、ついつい抑圧してしまうものです。

だから、謙虚に懺悔をするような気持ちでいられると心は救われやすくなります。
怒りや罪悪感を持つことは“自然なこと”で、誰にでも起こりうるものだからです。
あなただけが悪いわけではないし、誰もが悪いわけではありません。

特に私たちは元々怒りや罪悪感を心の中に持っています。
それをその対象に“投影”して、怒りを外に感じるんです。

また、こういう状態になっている方の近くの方もまた辛い思いをします。
攻撃の的になることもありますし、大切な人が苦しんでいる姿を目の当たりにしなければならないからです。
その人のために、余裕があれば話を聞いてあげたり、受け入れてあげましょう。

この段階でも注意・忠告的なものはあまり役に立ちません。
「そりゃあ、むかつくよね」とか「そんなに自分を責めなくてもいいよ」などのように受け入れたり、宥めたりあげることが一番かと思われます。
その人の心に寄り添うような感覚で。

さて、この段階はショックなできごとが起きた後から数ヶ月、場合には数年に渡る場合もありますし、一旦抜け出しても何度も何度も蘇ることがあります。
だから、「もう大丈夫と思ったのに」と自分を責めるのではなく、じっくりと向き合い、心に寄り添い、長い目で見てあげることが大切だと思います。

>>『心がショックから立ち直っていくプロセス(3)〜第三段階:ファンタジーと抑うつ〜』につづく

 

関連する講座へのリンク集
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8.怒りの心理学 〜怒っているのには実は訳があるんです〜
129.無力感の心理〜何も出来ない、という“誤解”を解く〜
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333.怒る人、正当性を主張する人の心理〜よりよい関係を持つために〜
338-1.罪悪感が作り出す罠(1)〜罪悪感の特質と感情の抑圧〜
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