決して欲しいものをあきらめず、夢を見続ける力
こんばんは
神戸メンタルサービスの平です。
ある企業の経営者ご夫妻にお会いする機会がありました。
昔、一度、会社が経営危機に陥ったことがあったそうです。
家業で代々続くご商売をされていたのですが、ご主人が先代から引き継いだときの企業環境はあまりよいものではありませんでした。
伝統を守るために、と古い経営手法を続けていらっしゃったのですが、どんどん時代に合わなくなってしまい、「奈落の底」の状況まで経営は悪化してしまったようです。
一時は、夫婦で心中でもしようか、という話まで出るほどになり、ご主人は会社の金銭的なリスクから奥様を開放しようと、離婚を考えられたそうなのです。
ところが、奥様は形だけの離婚にもかかわらず、それを固く拒み、「あなたがどんな苦労をしようが、私はあなたについていきます」とおっしゃったそうです。
奥様の決意に、ご主人も事業や経営に関して大方向転換をする決心がつき、今日の成功に至ったのです。
その当時のお話を2人から詳しく伺ったですが、ご主人は「奥様にこんなに苦労をさせて申し訳ない」という思いがいっぱいで、いつも自分を責めていらっしゃったようです。
しかし、「従業員や自分の家族に本当にひどい思いをさせてしまい、みんなに合わせる顔がない」という思いでいるときは、建設的な発想は何も思い浮かばなかったそうです。
もし、そんなときに、奥様からグチや責める言葉が一言でもあったら、自分はきっとつぶれていただろう、とと主人は笑いながら話しておられました。
奥様に「そのときは、どんなお気持ちだったんですか?」とインタビューしたところ、「今ならこの人が、私の言うことに耳を傾ける気がしたので、全身全霊でこの人に与えてみようと思いました」とほほえみながら答えてくださいました。
新しい経営再建プランを立てて、それまでの高齢社向けの商品から若者を対象とした商品開発に変更し、奥様はその経営プランを持って銀行や従業員に頭を下げ続けて、何とか協力してもらえるように説得して回られたそうです。
その姿に周りの人が感銘を受けたのか、一番苦しいときを何とか乗り越えることができ、その後、新しいプランが徐々に日の目を見はじめ、それからは順調に借金返済もすすんで、今はとても大きな利益を出せる企業に変身したそうなのです。
成功している会社の経営者の方とお話すると、よく出てくる話なのですが、どの企業でも、特に成功している企業には、会社経営が危機を迎えるときがあるそうなのです。
そのときに、今までのやり方を見直し、新しくやり直せるチャンスが来るようです。
男女関係も同じで、離婚の危機を迎えたり、つきあっているパートナーとの関係が終わろうとしているときに、ものすごく大きな力が発揮され、まったく逆の幸せに向かっていくようなカップルもいます。
その人たちの共通点は、グチるのでもなく、相手を責めるのでもなく、もう一度本当に、おつきあいが始まったときにつくりたかった関係を思い出し、それを作るために今何ができるかを徹底的に2人で求めることかもしれません。
状況がどれだけ困難で、どう考えても不可能だとあなたの頭が考えるとき、あなたの心はあなたが一番欲しいものをあきらめようとします。
そうすると、私たちは一番欲しいものをあきらめるためにものすごくエネルギーを使います。
しかし、人生の成功者は決してあきらめません。
そのエネルギーをどうしたら一番欲しいものが手に入るか、に注ぎ込むようです。
男女関係で幸せになった人たちや、企業経営で成功している人の特徴のひとつに、決して欲しいものをあきらめず、夢を見続ける力というものがあるような気がします。
どんな状況でも、グチや文句ばかり言うのではなく、絶えずできる方法を考え続けていると、あきらめさえしなければ、思いもよらない協力者やその状況を打破できるようなインスピレーションやヒントがやってくるようです。
そして、その人たちは「必ずどこかに抜け道があるはずだ」という信念を持っていらっしゃるようです。
「決してあきらめない心」こそがどうも成功につながるようなのです。
来週の恋愛心理学もお楽しみに!!