役割をやめる時期~林住期という考え方~

やれるだけのことはやり、そして自分を優先させる

ひとつの考え方なのですが、「学生期」で学び、「家住期」で働き、家庭をつくり、子供を育てたあとに、「林住期」という社会的な役割から解放される時期があると言われています。
林住期になると、「本当に自分がやりたかったことはなんだろう?」と悩む人も多くなってきます。そんな林住期では、どのように考え、行動していけばいいのでしょうか?

***

今回、担当させていただく大門昌代です。どうぞ、よろしくお願いします。

我々人間は、生きていればどんどん年齢を重ねます。
そんな年齢を重ねている中で、「本当にやりたかったことは何なのか?」と、自分に問いかける時期もあります。

これは一つの考え方なのですが、「学生期」で学び、「家住期」働き、家庭をつくり、子供を育てたあとに、「林住期」があり、林住期は、人生のクライマックスとも言われ、社会的な役割から解放される時期だと言われていたりもします。

だいたいこの林住期にさしかかる人が、「本当にやりたかったことは何なのか?」を自分に問いかけると言われることがあります。

林住期は、だいたい50歳から75歳くらいまでと言われていますが、社会で生きていくための知識などを学ぶ時期を過ぎ、家庭や住まい作りをする時期も過ぎたあたりです。

仕事でも、スキルや経験を重ね、家庭を作る人は家庭を作り、独身の人は自分の生活を形成し、ある意味落ち着いた状態ですよね。
学び、働き、育てるという経験を重ねる中で、自分個人のことは、後回しになることも多かったかもしれません。

『やりたいこと』よりも、『やるべきこと』が多くあり、「私は何をやりたいのだろう?」などと考える時間も、ほとんどなかったかもしれません。

そして林住期と呼ばれる時期がやってきたときに、ふと「本当にやりたかったことは何なのか?」と考え出し、今までの人生は我慢ばかりだったと感じて、投げ出したくなる人もいらっしゃったりします。

でも、投げ出す必要はないと思うのです。
カウンセリングでもよくお話しさせていただくのですが、「今までの人生があったから、今がある」のです。
我慢もしたかもしれませんし、努力や辛抱もしてきたことと思います。
でも、楽しい時間もあったでしょうし、喜びもあったことと思います。

まずは、今までを受け入れることは、林住期にさしかかる時期には必要なことです。

今までを否定してしまうと、全てを投げ出し、ぶち壊してしまうことがあります。
それでは、今まで努力して頑張ってきたことが、何だかもったいないですよね。

今までのことを受け入れたうえで、「そろそろ自分が本当にやりたかったことを、やってみよう」と、前に進んだ方が、今までの経験や知識を使っていけますから、今までが無駄になりません。

受け入れたうえで、【役割】としてやっていたことは、終わらせていってもいいのではないかと思います。

【役割】とは、「親だから」「大人だから」「上司だから」「妻だから」「夫だから」と、『~だからやっていること』です。
やっていることは、素晴らしいことであり、良いことであるのがほとんどです。
ところが、疲れてしまうという特徴が、役割にはあります。
やってもやっても、心が満たされないのです。

それは、自分にとって本当にやりたいことを、やっていないからかもしれません。

役割を終わらせるために、退職や離婚する人もいらっしゃるのが、この林住期だったりします。

退職や離婚をしなくても、役割を終わらせることは可能です。
『~だからやっている』ということをやめて、『やりたいからやる』というように、動機を変えていくのも方法の一つです。

そうすると、やりたくなかったのにやっていたことの多さにビックリする人も、多々いらっしゃいますね。

ただ、そのまま役割だからとやり続けていると、そのうちその環境をぶち壊したくなってしまいますから、役割をやり続けることはおすすめしません。

離婚しなくても、妻の役割をやめることはできます。
退職しなくても、上司の役割をやめることはできます。

それでも、どうしても周りの人から役割をやめることの賛同を得られないのであれば、自分を優先していいのかもしれませんね。

その際に、十分に周りの人と話をすることは、とても大切です。
私たちは、罪悪感をもつことからは、距離をとりたくなります。
今までやっていた役割をやめることを、家族や周りの人から反対されると、「申し訳ない」「悪いことをしている気がする」と、罪悪感をもってしまいます。

そうすると、「わかってくれないなら、もういい!」と、周りの人との縁をバッサリと切り捨てたくなってしまうのですが、そうしてしまうと、後々自分自身を責めてしまうことにもなりかねません。

ですから、「申し訳ない」「悪いことをしている気がする」と罪悪感をもってしまうかもしれませんが、周りの人と真摯に向き合い、誠実に対応していくことは、とても大切なのです。

やれるだけのことはやり、そして自分を優先させる。

妻(夫)をやめて、自分自身になる。
母(父)をやめて、自分自身になる。
上司をやめて、自分自身になる。

ありだと思いますよ。

「学生期」「家住期」と、学び作り上げてくる時期を過ぎての「林住期」です。
そろそろ林住期にさしかかる人も、すっかり林住期になっている人も、「本当にやりたかったことは、何なのか?」を、じっくり考える時間をとって、そして進んでいって下さいね。

簡単ですけれど、参考になりましたら幸いです。
ありがとうございました。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や結婚、浮気や離婚など男女関係、対人関係やビジネス関係、家族関係や子育て、子供の反抗期、子離れ、親離れ問題など幅広いジャンルを得意とし、お客様からの支持が厚い。 女性ならではの視点と優しさ、母としての厳しさと懐の深さのあるカウンセリングが好評である。PHP研究所より3冊出版。