あなたは、誰ですか? ~あなたなら何と答えますか~

「あなたは、誰ですか?」
いきなり、そんなふうに問いかけられたら、あなたなら何と答えますか?
状況や質問される相手によって、答えは違うかもしれませんね。
「○○の妻」
「△△会社の社員」
「□□ちゃんのお母さん」
これらのすべてが、正解です。
でも、これらのすべてが、あまりしっくりこない、そんな風に感じたりは
しないでしょうか。


人生を何年もやっていると、自分のホームポジションというか、グラウンド
がしっかりと築けていたりするものですよね。
家庭を持ち、会社での立場を築き、そこに到るまでには、いろいろなご苦労
や努力もあったと思います。
自分が思いをこめて取り組んできたからこそ、それが形になったのです。
ですから、手に入れたポジションは大切なものですし、大切にしたいです
よね。
「○○の妻」
「△△会社の社員」
「□□ちゃんのお母さん」
こうした肩書きや立場はそこに所属しているという安心感をもたらして
くれます。
例えば、「○○の妻」として、何かをしていると自負しているとき、私たちは
そこにいてもいいと思えるようなのです。
「していること」「できていること」が現実にあるわけですから、自分の価値
や存在意義を見出すことができますね。
「△△会社の社員」として、毎日仕事をこなしている事実があるから、給与
を受け取る許可が自分の中に下りるわけです。
私たちは、自分で「できていることがある」「役に立っている」と思えるとき
ほど、そこが自分の居場所だと感じられ、安心感をもたらすようです。
それは、あなたにとって、あなたの全てではないまでにしても、あなたの
一部であるはずですよね。
一方で、これがしっくりこない、窮屈に感じてしまうときの理由は、マンネ
リ、失うことの恐れ、完全主義、義務感、犠牲など、さまざまです。
自分の中で違和感が強い部分に関して、その思いが強くなるようなんですね。
言い換えれば、自分の中で納得していない、つまり変化したい部分にその
思いが強くなるようなんです。
自分が、よりよくなりたい。
自分の殻を破りたい。
でも、今の生活だって捨てがたいと思うんです。
今まで築いてきたものの足場がしっかりしているほど、変わりたくないとも
思うものなんですね。
私たちは変わりたいと思うとき、180度変わりたいと、すべてを変えてしまう
かのようなイメージがあります。
実際には、ほんの1度変えるだけで、世界はがらっと変わってしまうもの
なんです。
ですから、考え方のひとつとして、すべてを変化させるのではなく、手持ち
カードはそのままで、さらに新しいカードを持つと考えてみてはどうでしょ
うか。
そして、冒頭にあった質問、「あなたは誰ですか?」と自分に問いかけるとき、
ほとんどのひとが、肩書きを回答にして満足しないと思うのです。
自分のもっと、本質的なもの。
そんなものを求めて、私たちの心はさまようのかもしれません。
けれども、「本質」ということは、すでに自分の中にあるのです。
ですから、そんな部分を探すというよりは、すでに自分の中にあったものを
感じてみるために、自分の肩書きを持たない場所をあえて作ってみませんか。
例えば。
普段は「○○の妻」なのですが、ベッドの中ではただの女性になってみる。
お互いにして欲しいことをリクエストしあうなど。
日本では、年齢が上がるにつれて、また、出産と同時にセックスレスに
なったり、セックスの回数が減るそうです。
これはもったいない話ですよね。
セックスは最大のコミュニケーションですから、上手に取り入れられると
ロマンスが開花します。
「△△会社の社員」をお休みして(長期の休暇をとって)、旅行に出かけて
みる。
特に、女性の場合、家族でいくとどうしても母親の立場を逃れられないので、
思い切って一人旅や友達との旅行にするといいかもしれません。
「□□ちゃんのお母さん」という立場を離れて、夫婦だけでデートをして
みる。
普段から子供の父親に、「ママ」ではなく自分の名前で呼んでもらうように
するのもいいかもしれませんね。
肩書きのない自分のための空間を、「ほんの少しだけ」持つということです。
あるいは、その割合を「ほんの少しだけ」増やすということです。
ちょっとしたこと、から自分の気持ちが少しずつ開放されていくのを感じる
ことができるかもしれません。
あなたは誰ですか。
何をしていたいですか。
人生における大きな決断ほどではなくて、たった今、こんなことをしたら
楽しいかな、と思えることを楽しめると、人生はよりイキイキと輝きだし
ます。
肩書きもあなたの一部として持ちながら、その枠を超えてみませんか。
わたしが、わたしであり続けるために。
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