大人の目線

「かわいい子には旅をさせろ」と昔の人は言ったそうですが、最近の子供は
どうなんでしょう?
先日、テレビを見ていて、あるコメンテーターが「家出のススメ」というお
話をしていました。
内容としては、最近の子供たちは、家から独立して「自分で生活をする」と
いうことをしない子供が多い。
それは子供のせいではなく、子離れができない親にも原因がある。
だからこそ早いうちから子供を独立させて、社会生活を学ばせていくことが
大切なのではないか、という感じの話でした。


私自身、このコメンテーターの意見がすべてであるとは思いませんが、非常
に的を得ている内容だとも感じます。
親であれ子供であれ、そこに家族がいることの大切さ、ありがたさがわから
ないとき、自分の考えを押し付けたり、自分の考えに固執してしまうのでは
ないか、私はそう感じます。
よくカウンセリングやテレビの相談番組などでも出てくるセリフがあるので
すが「あなたのためを思って」とか「良かれと思って」というのがありま
す。
しかし、「あなたのためを思って」とか「良かれと思って」行動した結果、
うまくいかないことって、たくさんありませんか?
結果うまくいったように見えても、相手は心から「本当によかった」と思え
ているのでしょうか?
「相手のため」の行動って、どのようなものでしょう。
親の目線から見た場合、子供以上に経験もありますし、わかっていることも
たくさんありますから、親の立場からすればそれは「正しい」ことではある
かもしれません。
ただ、本当に子供の幸せを願うのであれば、正しいことを突き詰めていくこ
とが必ずしも子供にとっての「幸せ」になるのでしょうか?
そして、親が考える「正しさ」とは、本当の意味での正しいという意味なの
でしょうか、それとも、「自分の考えが正しくて、自分の受け入れられない
考えは正しくない」となっているのではないでしょうか?
子供の目線から見た場合、子供から親に望むことはあまり多くはありませ
ん。
自分を理解してほしい。
自分を認めてほしい。
自分を信頼してほしい。
自分を愛してほしい。
自分を助けてほしい。
まだあるかもしれませんが、大まかにはこんな感じかもしれません。
子供は、親であれ先生であれ、大人に対して「自分を理解してくれる人」を
求めています。
大人である私たちは、果たしてこのことを理解して子供と接することができ
ているのでしょうか?
このことは親子関係に限らず、夫婦関係にも同じことが言えると思います。
夫婦間でも、お互いに「思いやり」というのは必要です。
ただ、その思いやりが相手の気持ちや行動を阻害したり、相手に「自分の気
持ちをわかってくれていない」ととられてしまうことは、日常の中でたくさ
んあるのではないか、そう私は感じます。
このようなことがおきたとき、一度確認してみてください。
それが本当に「思いやり」なのか。
「思いやり」というのは、間違いなく上から見下ろす目線ではありませんよ
ね。
「相手と対等の目線になって考えてみる」
このことが、本当の思いやりにつながってくるのではないでしょうか?
子供に対しても同じですよね。
相手と同じ目線にたって、相手の気持ちをくみ取ってあげる。
それはもしかしたら、私たち大人が子どもだった頃、親にしてもらえなかっ
たことかも知れません。
しかし、だからこそ、大人たちが「子どもの目線」に立って見てあげること
が大切なのではないでしょうか?
まず自分の考えを押し付けるのではなく、相手の考えをよく聴いてみてくだ
さい。
相手を理解しようと試みてください。
そこが、スタートラインです。
ありがとうございました。
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