その理由は意思の弱さではなく、心の中の“いつもの言葉”に気づきにくいから。
よくある自己否定フレーズを手がかりに、友達に言えるかで確かめ、自分を傷つけない第一歩を紹介します。
■やめたいのに止められない自己否定
「自己否定をやめよう」
この言葉、ネットや本で一度は見たことがある方も多いのではないでしょうか。
たとえば「自分に自信を持って良い恋愛をしよう」みたいな記事を読んでいくと、
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彼の前で失態を犯しても「次は頑張ろう、テヘッ、ペロ」くらいに思って、
自己否定をしなくていいんです。
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みたいな一文が載っていたりします。
自己肯定感、自信、というキーワードの記事には「自己否定はやめましょう」がほぼセットで書かれていることも多いですよね。
だから「自己否定はやめたほうがいい」と、知識としては知っている人がたくさんいると思います。
それでも、なかなか止められない。
「頭ではわかってるんですけど…」という声もよく聞きます。
その気持ち、わかる気がします。
自己否定は長い時間をかけて身についたものなので、頭でわかっていても、つい繰り返してしまうことがあるんですよね。
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■止められない理由は“実感の欠如”かもしれません
やめられない理由のひとつに、
自分にひどいことをしている“実感の欠如”があるケースがあります。
たとえば話は変わりますが、禁煙セミナーでは
「タバコを吸っていない肺」と「タバコを吸っている肺」の画像を見せられることがある、と聞いたことがあります。
(私はタバコを吸わないので、喫煙者の方から聞いた話です)
タバコが肺に良くないことは、画像を見る前から知識として多くの方が知っています。
でも、
•「今は元気だから大丈夫」
•「ストレスの方が体に悪い」
と思って、つい吸い続けてしまう。
ところが、肺が黒くなっていく画像を見ると、こんなふうに思う人もいるそうです。
「えっ、このまま吸い続けたら…やばいんじゃない?」
「タバコを吸う=自分にダメージを与えている」という知識が“実感”に変わると、行動が変わりやすくなるそうです。
自己否定も、似ています。
「自己否定しない方がいい」ことは知っているのに、どれだけ自分に“やばいこと”をしているかの実感が薄いと、続いてしまうことがあるのです。
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■あなたは自分に、どんな言葉を言っていますか?
ここからは、少しだけ立ち止まって考えてみたい提案です。
あなたは普段、どんな言葉を使って自己否定をしていますか?
下に“よくある自己否定フレーズ”をたくさん並べます。
似たものがあってもOKです。できるだけ多く、「自分が自分に言っている言葉」を見つけてみてください。
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●自己否定の言葉 50個(例)
1.私って本当にダメだ
2.私には価値がない
3.私なんていない方がいい
4.私は人として欠けている
5.私は何をやっても中途半端だ
6.私はどうせ成功しない
7.私は失敗する人間だ
8.私は学習できない
9.私は成長できない
10.私は変われない
11.私は弱い
12.私は未熟だ
13.私は情けない
14.私は恥ずかしい人間だ
15.私は信用できない
16.私は努力が足りない
17.私は甘い
18.私はだらしない
19.私は意志が弱い
20.私は続ける力がない
21.私は要領が悪い
22.私はセンスがない
23.私は能力が低い
24.私は仕事ができない
25.私は人より劣っている
26.私は人に好かれない人間だ
27.私は大事にされない人間だ
28.私は愛される価値がない
29.私は必要とされない
30.私は見捨てられる側の人間だ
31.私は人に迷惑をかける存在だ
32.私は周りをがっかりさせる
33.私は期待に応えられない
34.私は役に立たない
35.私は空気が読めない
36.私は人付き合いが下手だ
37.私は気が利かない
38.私は正しく判断できない人間だ
39.私は学ばない、成長できない人間だ
40.私はどうせ変われない、価値のない人間だ
41.私は自分のことすら管理できないダメな人間だ
42.私は感情に振り回される、未熟な人間だ
43.私は性格が悪い
44.私は人を幸せにできない
45.私は恋愛する資格がない
46.私は良いパートナーになれない
47.私は家庭を築ける人間じゃない
48.私には幸せを受け取る価値がない
49.私は人として足りない
50.私は嫌われるような人間だ
51以降は、他にも思いつく言葉をできるだけ書き出してみてください。
できれば出だしは「私は…」という形で書いてみましょう。
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もしこの言葉を“友達”に言ったら、友達はどうなりますか?
先ほどの言葉の「私は」を、友達の呼び方に変えて言ったとしたら、友達はどうなるでしょう?
きっと、すごく傷つきますよね?
場合によっては、トラウマになって何年も苦しむかもしれません。
人間不信になるかもしれません。
引きこもりになるかもしれません。
うつになって病院に通うかもしれません。
会社の友人ならハラスメント問題になるかもしれません。
法的措置(名誉毀損・侮辱など)を検討されることもあるかもしれません。
そして、あなたとは二度と関わりたくないと思うかもしれません。
それくらい、きつい言葉じゃないでしょうか?
そして、そのきつい言葉を、あなたはずっと自分に向けてきたのかもしれません。
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■優しさが「自分」に向いていないだけかもしれません
もしあなたが、友達にそんなひどい言葉を言わない人なら。
あなたは、優しい心の持ち主です。
ただ、その優しさが「自分」に向かっていないだけかもしれません。
知識として「自己否定はよくない」と知るだけでは止まりづらいことがあります。
でも、どれだけ自分を傷つけているかが“実感”としてわかると、止める動機が生まれることがあります。
今日は、あなたの優しさを自分に向けてみませんか?
「自分に、こんなきついことを言っていたんだな」
「自分にひどいことをするのは、そろそろやめてみよう」
そんなふうに思ってみませんか?
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■自己否定を減らす第一歩|「友達に言わない言葉」をやめる
自己否定をやめたほうがいい。
そのこと自体は、あなたももう知っているのかもしれません。
それでも止められないのは、意思が弱いからでも、意識が低いからでもなく、自己否定が気づかないうちに“いつもの言葉”になっていて、どれだけ自分を傷つけているかが見えにくくなっていたからかもしれません。
そのようなことがある為、
今回は、あなたが自分に向けている言葉を見直す“機会”になるような記事にしてみました。
もし、その言葉を友達に向けたら――友達が深く傷つくのは想像がつくと思います。
つまり、あなたはそれと同じ自分を傷つけることを、ずっと自分にしてきたのかもしれません。
まずは一つだけ。
「友達には言わない言葉」を、今日から自分にも言わない。
そう思ってみませんか?
うまくできない日があっても構いません。
気づいたときに、また戻ってきてやり直せばいいのです。
あなたがあなたにしている扱いを、少しずつ“傷つけないもの”に変えていけるといいですね。
今回の記事が、自己否定を一つでも減らすきっかけになれば幸いです。
(続)