聖飢魔IIから学んだこと

皆さんは聖飢魔IIというヘヴィメタルバンドをご存知でしょうか?
ヴォーカルのデーモン小暮閣下はご存知の方も多いかもしれませんね。

聖飢魔IIは1982年に結成され、その名の通り世紀末の1999年に解散したバンドで、その後は周年ごとに期間限定で集結して黒ミサ(コンサートのこと)を行なっています。
音楽を媒介にして「悪魔教」を布教するために組織された「教団」であり、各構成員(バンドメンバーのこと)は地獄から来た悪魔とのこと。
アルバムは「大教典」、シングルは「小教典」、DV Dは「活動絵巻教典」、ファンは「信者」と呼ばれ、独特の世界観があります。

私は中学生の時に聖飢魔IIを知り、その世界観が面白く、たちまち信者になってしまいました。
色物バンドとして見られがちですが、デーモン小暮閣下の歌唱力はもちろんのこと、演奏もクオリティが高く、ツインギター(ギタリストが2名いるバンド編成)が奏でるメロディアスな旋律、曲に深みを与える巧みなベース、重厚かつ正確なリズムを繰り出すドラム、そしてそれらが織りなす楽曲に魅了され続けています。

楽曲もさることながら聖飢魔II(特にデーモン小暮閣下)の筋の通った思想に、私は大きな影響を受けています。

例えば、彼ら悪魔サイドから見た思想は、「見る立場によって物事の捉え方は全く違う」ということを教えてくれました。
「桃太郎、鬼から見たら侵略者」のように、立場が違えば英雄も侵略者になるわけです。
「この人から見たらこうだろうけど、相手から見たら違うんだろうな」とそれぞれの立場の視点を持つことは、カウンセリングにおいて偏った見方になりにくく、大いに役立っています。

見た目は奇抜な聖飢魔IIですが、知れば知るほど魅力的で、「見た目で全てを判断しないこと」「相手に興味を持ち、知ることが理解に繋がること」「物事を一面だけ切り取ってみるのではなく、多面的にみること」など、人を理解する上で大事な要素を教えてくれました。

「二兎を追う者は一兎をも得ず」ということわざがありますが、「二兎追って、二兎得てもいいじゃないか!」という考えを教えてくれたのも聖飢魔IIでした。
このことわざは「欲張ると何も手に入らないから気をつけなさい」という意味もありますが、「二つのことを同時にするとどちらも失敗する」と捉えてしまうと、二つ叶う可能性をゼロにしてしまう。
「二兎を追って二兎とも得る」を目指す者が、二兎を得るための思考や行動をして、二兎を得ることができるから、ことわざに限らず世間の言葉で自分の可能性や才能を潰すな!というような考えで、この考え方を知った時に「確かに!」と思いました。

私たちは親からの教えや学校での教え、世間一般に「常識」と言われるものなど、生きていく上で身につけた知識や思考があります。
教えられた時や過去には必要だったかもしれないし、それがあるからこれまで暮らせてきた部分もあると思いますが、それが足かせや縛りになって自分のやりたいことを諦めたり、可能性を断ったりする必要はないのだと思わせてくれた考えでした。

私が20代の頃、バンド活動や自主制作映画活動、カラオケ大会出場などにチャレンジできたのも、40歳を超えて20年勤めた会社を辞め、カウンセラーを目指せたのも、聖飢魔IIの教えがベースにあったからこそ出来たことだと思っています。

また、「自分が見えている世界がその人にとっての真実であり、真実の世界像はこの世の中にいる人の数だけ存在する」「人間の感性は百人百葉、千人千葉」という考えも聖飢魔IIから学びました。
この学びは、カウンセリングを行う上で、クライアントの世界観や感性をジャッジせずに受け止めることに役立っています。

このように私の思考や観念に大きな影響を与えた聖飢魔IIですが、今年地球デビュー40周年を迎え、日本各地で黒ミサ(コンサート)が行われ、私も参拝(コンサートに参加すること)して来ました!
10万60歳を超えて尚、ガンガンの曲を歌い、演奏する構成員(メンバー)を見て、元気と勇気をいただきました。
先日には新たな大教典(アルバム)も発布され、進化し続ける聖飢魔IIを見習い、私も進化し続けたいと思った次第でした。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大学卒業後、地元企業に就職し、デザイン・経理・総務・秘書・営業事務等の業務を経験。不惑にしてカウンセラーを目指すために転職。離婚も含めた人生経験をベースに、楽になる物事の受け止め方を提案する。生き方やライフワーク、メンタルヘルス、パートナーシップ全般の問題を得意とする。