傷つきながらも彼とのパートナーシップを続けていこうと思うのですが浮気をした彼の態度が悪い。
「浮気をしたことを反省しているの?」と思うような態度です。
そんな彼とやっていくにはどうしたらよいのか?その処方箋をご紹介します。
■「浮気」はどこから?──定義は違っても、心は傷つく
パートナーの浮気が発覚!
傷つく出来事ですね。
どこからが浮気なのかについては、カウンセリングで聞くクライアントさんからのお声もさまざまです。
肉体関係を持ったら浮気というお話を聞くこともあれば、肉体関係がなくても二人きりでご飯に行くのは浮気だという方もいます。
パートナーが風俗に行くことを浮気という人もいれば、風俗は浮気に入らないという方もいらっしゃいます。
キャバクラやガールズバーなどについても、浮気とは思わないという声もあれば、相手はビジネスであってもパートナー本人は気持ちが入っているから浮気だという声も聞きます。
浮気の定義は人それぞれ違うようですが、いずれにしても浮気が起こると傷つきますよね。
ショック状態、怒り、悲しみ、みじめさ、くやしさ、見捨てられ不安、自分の存在価値が傷つくような感覚など、つらい感情や感覚を覚えることが多いかと思います。
つらいですね。
そんなふうに感じるのは、あなたが本気で愛していた証でもあります。
⸻
■浮気発覚後、反省どころか態度が悪化する理由
パートナーの浮気が発覚した後、反省する素振りが見えないどころか、攻撃的な態度を取られるというお話をお聞きすることがあります。
また、浮気が発覚後、浮気をしたパートナーは「やり直す気持ちはある」と言っていたはずなのに、その後のメールの返事がそっけなかったり、会う約束をしようとしても何かと断られるばかりで、やり直そうというより距離を取られているようだ、というお話もよく伺います。
数ヶ月音信不通になってしまった、というケースもあります。
つまり、浮気後の態度が、さらに浮気された側を傷つけたり不安にさせる、悪い態度になっているということですね。
浮気自体でも傷つきますが、このような態度によって、さらに心が痛みます。
⸻
■やり直したい気持ちと、周囲からの「別れたほうがいい」コール
どうしたらやり直せるのか?と友達や家族に相談したところ……
「一緒にいても幸せになれないから、別れたほうがいいと思う」
「そんな態度をとるなんて最低な人間だね。すぐに別れなさい」
というような、パートナーを批判する言葉や、別れを勧めるアドバイスが返ってくることも多いです。
友達や家族は、浮気されたあなたの味方になって言ってくれているのですが、やり直したいと思っているあなたの意志とは違う方向の話になってしまい、徐々に話せなくなってしまう。
そんなつらさをカウンセリングで吐露される方もいます。
話せなくなっていくのは、とてもつらいことですね。
感情は、人に受け止めてもらうことで解放され癒されていきます。
話せなくなっていくと、感情を解放する機会も減り、心の回復も進みにくくなってしまうのです。
また、話すことによって心を整理する機会も減ってしまいます。
話せない自分を責めなくても大丈夫です。
やり直そうと頑張っているときに、反対の言葉を投げかけられたら、話せなくなってしまう──そんなあなたの気持ちはわかります。
この例のように、浮気したパートナーの悪い態度について相談していたが、徐々に話せなくなってしまった、そんなご経験を持つ読者の方もいらっしゃるかもしれません。
この記事は感情を解放する場にはならないかもしれませんが、心の整理や、これからどうしていくかのヒントのきっかけとして、少しでもお役に立てたらと思います。
⸻
■浮気後にパートナーの態度が冷たくなったA子さんのケース
一つの例を使って、浮気後にパートナーの態度が悪化していったケースをご紹介します。
A子さんという女性がいたとします。
A子さんの彼が浮気していたことが発覚しました。
A子さんは彼と話し合い、やり直していく方向で話がまとまりました。
やり直していくにあたり、A子さんは彼に浮気の理由を尋ねました。
理由を知ることで、同じ過ちを繰り返さないようにできるかもしれない、と思ったからです。
すると彼は、
「君はあれをしてくれていない、これをしてくれていないと文句ばかりで、一緒にいて安らげなかったから」
と言ったのです。
あなたがA子さんの立場なら、どう感じるでしょう?
傷つきませんか?
腹が立ちませんか?
まるで、A子さんが悪かったから浮気した──そんなふうに聞こえません?
A子さんは傷つき、腹が立ったので彼を責めました。
すると彼は、
「やっぱり君と一緒にいても安らぎはない」
と切れ気味に言い、その場を立ち去ってしまいました。
A子さんの怒りは消化不良のまま、話し合いは終わりました。
その後も、浮気のことを思い出してはA子さんが彼を責めると、彼は毎回「やっぱり君と一緒にいても安らげない」と言い、心を閉ざしてしまいました。
会うたびに、ぶすっとした表情で、会話もあまりせず、どんどん態度が悪化していったのです。
やり直そうと話し合ったはずなのに、反省するどころか、ますます心を閉ざしていく彼の態度に、A子さんは腹立たしさを募らせていきました。
⸻
■「なぜ私が頑張らなきゃいけないの?」と感じるときに
A子さんの立場に立つと、腹が立つのも当然だと思います。
浮気された怒りや悲しみを受け止めてくれるどころか、「やっぱり君と一緒にいても安らぎはない」と攻撃するような言葉を投げかけ、心を閉ざす態度を取る彼の態度には、納得がいかないでしょう。
友達や家族に相談すれば、
「そんな態度をとるなんて最低だね。すぐに別れたほうがいい」
と、言われるようなことを彼はしていると思います。
しかし、それでもなおA子さんが彼とやり直したいと思うのであれば──
「自分自身の傷ついた感情を癒すこと」と「彼を許すこと」 が鍵になってきます。
⸻
■罪悪感に飲み込まれるパートナーたち──「罪悪感男・罪悪感女」とは?
私が勝手に「罪悪感男」と呼んでいるのですが、罪悪感を強く感じ、それを自分自身ではうまく扱えないタイプの方 がいます。
(女性の場合は「罪悪感女」と呼んでいます)
このタイプの人は、罪悪感を刺激されると、防衛反応として攻撃的になったり(例:「やっぱり君と一緒にいても安らぎはない」と怒る)、距離を取ったり(例:その場を立ち去る)します。
心を閉ざす態度も、罪悪感から自分を守ろうとする防衛反応 の一つなのです。
⸻
■感情的になると罪悪感を刺激してしまう──心を閉ざすメカニズム
罪悪感が刺激されるきっかけは何か?
たとえば、A子さんが彼に対して感情的になったとき、それが一つの刺激になります。
なぜなら、A子さんが泣いたり怒ったりしている姿を見ると、彼の立場からすると
「こんなふうに傷つけてしまったのは自分のせいだ」
と感じ、罪悪感が刺激されるからです。
そのため、このような罪悪感男の心を再び開かせるためには、罪悪感を刺激しないことが鍵 になってきます。
⸻
■心をほどくためにできること──自分自身を癒すこと、そして許し
彼の防衛的な態度を少しずつほどいていくためには、
A子さんがまず「自分の感情を癒す」ことが必要です。
つまり、彼の前で感情的にならないようにするために、
彼以外の誰か(たとえば信頼できる友人、カウンセラーなど)に、
傷ついた感情を受け止めてもらい、癒していくことが大切になります。
また、「許し」も同じくらい大切なテーマです。
A子さんが彼を責めると、彼の罪悪感が刺激され、再び心を閉ざしてしまうため、やり直しが難しくなります。
許しが進めば、責めることも減り、結果として一緒にいるときの雰囲気も良くなっていくでしょう。
⸻
■傷ついた心を癒し、新たな関係を築くために
「浮気をしたほうが悪い態度を取っているのに、浮気された側が頑張らなきゃいけない」というのは、とてもつらい話だと思います。
それでも、
「やり直したい」「一緒にいたい」という気持ちがあるならば、
ご自身を癒すことと、パートナーを許すことがテーマになってきます。
浮気をされ、さらに悪い態度を取られたことで、あなたはたくさん傷ついたと思います。
だからこそ、まずはご自身の傷ついた感情を癒すところから始めてみてください。
あなたの心が癒え、パートナーと新たな絆を結び直せる未来を、心から応援していますね。
たとえ今はその未来がまだ信じられなくても、大丈夫。
あなたには、その力はちゃんと備わっていますから。
(続)