言葉でリーダーシップを発揮する方法

いろいろな場面でリーダーシップを求められることがあるでしょう。
リーダーシップに求められるのは、信頼関係を築く力、ビジョンを示す力、柔軟さと意思決定力です。
それぞれコミュニケーションレベルでどうするか、言葉を例に解説していきます。

●信頼関係を築く力

信頼関係がなければ、リーダーシップを発揮することはできないでしょう。
信頼関係にはリーダーの誠実さが欠かせません。

誠実であるには、責任を引き受ける姿勢を示したいところです。
「〜のせいで」と他責の言葉は使わずに、「〜のおかげで」という言葉を活用しましょう。

また、部下や取引先に対して、肯定的なフィードバックを心がけましょう。
リーダーが肯定的なフィードバックをすると、ピグマリオン効果となって、期待に応えようとする努力を促して成果が出せることもあります。

忙しくて余裕がない時や、「それくらい当然」と思っていると、つい言い方がきつくなってしまいがちです。
普段から相手の努力や配慮に気づいて、
「〜に感謝しています」
「〜してくださって助かります」
「おかげで〜できました」
などと言葉にするのを習慣にしておきましょう。

もし自分に間違いがあった時は、恥やプライドは横に置いて、誤りを認めて謝ることも大切です。
「ごめん」が言えるリーダーでいることで、トラブル発生時などにもすぐに報告が得られる関係が築けるでしょう。

●ビジョンを示す力

関係者のモチベーションの維持も、リーダーシップに大切なことです。
それには、まず自分が仕事を楽しむことが大事です。
自分が感じる楽しさに周囲を巻き込んでいけると、職場の雰囲気が明るくなり、成果も出やすくなるでしょう。

仕事を楽しむには、
「自分たちの仕事が社会にどう役立っているのか」
「仕事の結果が出ると、どんな理想の未来が手に入るのか」
「仕事を通してどんな変化を生み出せるのか」
といったことを言語化しておけるといいでしょう。

例えば、自分たちが作った部品が世界の製品を動かしている、自分たちが売った商品が人々の自信と幸せにつながっている、このプロジェクトが完成すると〇〇で困る人をなくせる、自分の仕事を家族に誇れるなど。

その仕事の意義や意味、人や社会にどんないい影響を与えていけるのかは、目指す未来のビジョンになり、自分の内側から湧き上がる内発的なモチベーションになります。
内発的なモチベーションは、報酬やご褒美などの外発的なモチベーションよりも長く続きやすいものです。

自分がワクワクしてビジョンを語ると、賛同する仲間が増えていくでしょう。
あるいは、部下に質問して考えてもらうことで、部下なりのビジョンを持ってもらうのもいいでしょう。

●柔軟さと意思決定力

かつては、カリスマ的なリーダーや「俺についてこい」というリーダーシップの取り方が主流でした。
現在は、チームで意見を出し合って、それぞれが主体的に動ける環境を作るリーダーシップが理想になってきています。

チームの意見交換には、「〜すべき」という価値観を手放す方が対話が深まります。
「あなたはどう思いますか?」
「あなたにはどんなアイデアがありますか?」
と質問を投げかけ、
「なるほど、そういう意見もあるのですね」
「そう思っていたのですね」
「新しいアイデアですね」
と柔軟に受け入れていくと、チームメンバーの主体性が引き出しやすいでしょう。

意思決定では緊急度や優先度を整理し、「今、私たちは〜を優先しよう」と何に集中するかを決めることになるでしょう。
その時に「なぜそれを選ぶのか」「なぜそれが必要なのか」など、理由を言葉で説明できるといいでしょう。

例えば、「なんとなく直感で」「上が言ってきたことだから」と決められると反発が生まれやすいものです。
しかし、
「Aには〇〇という成果が期待できる」
「Aには〇〇のリスクがあるが、他と比べてリスクが最小限で抑えられる」
などの説明があれば、納得感が得られるでしょう。
人は自分の決定を正当化したいと感じるので、選択が正しい理由を言語化することで納得しやすくなるようです。

さらに、
「信じている」
「〇〇さんにお願いしたい」
「力を貸して欲しい」
など、相手へのリスペクトを持ってかかわると、お互いに気持ちよく仕事ができるでしょう。

今回はリーダーシップを発揮するために、どんな言葉を使ってコミュニケーションしていくといいのか具体例をお伝えしました。
言葉が変わると行動が変わってきます。
すぐに使える言葉を活かしてみてくださいね。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

自己嫌悪セラピスト。心理学ワークショップ講師(東京・仙台) 「自分が嫌い」「自分はダメ」「私は愛されない」などの自己否定、ネガティブな感情・思考をリニューアルし、自信や才能・希望へと変換していく職人。生きづらい人の心が楽になる気づきや癒しを提供。テレビ・Web記事の取材にも多数協力。