他のママみたいに上手に家事育児ができない

私にとって、子育てで一番しんどかったのは
「他のママみたいに上手に家事育児ができない」
と、他のママと自分を比べて責めていたことでした。

カウンセリングでも、
「他のママと比べて落ち込む」
という話はときどき伺います。そういうときはどうしたらいいのでしょうか。

他のママみたいに上手に家事育児ができない

こどもが幼稚園に通っていたころの私。

「こどものお友達のAちゃんのお弁当、キャラ弁だ。いったいどのぐらい手間暇をかけているのだろう。それに比べてわが子のお弁当。茶色いおかずばかりで全然かわいくない」
「Bくんのおうちに突然お邪魔した。家中がピカピカ。毎日きれいに整頓しているのだろうな。それに比べるほどもなく今日も我が家は汚い。そんな我が家に突然ママ友が家にやってくるなんて、絶対無理」
こうやって、自分の家事能力と他のママと比較しては落ち込むことを繰り返していました。

また
「Cちゃんのママ。こどもや旦那さん、義理の両親のためにおもてなしたり、いろんなところにお出かけしてすごい。私は『一人の時間がないと発狂する』と、先日も夫に八つ当たりしたばかりだ」
「Dくんのママってなんて優しい子育てしているのだろう。私の子供への言い方きついな。私ってダメ母」
こんなふうに育児に関しても自分を責めては自信を失い、落ち込んでいました。

・すごい人のなかにも悩みがある

私が
「このママすごい」
と、思った人とよくよく話をしてみると

「こどものお弁当を一人で作っているときは最高に楽しい。でも、人見知りしちゃうからEちゃんのママみたいにママ友と上手にお付き合いができない。Eちゃんのママみたいになれたら、うちの子ももっと他の子と遊べて楽しいだろうな」
「完璧に家事を全部やれちゃうけど、手が抜けず自分がしんどい。Fくんのママはおおらかでいつも笑顔。私はカリカリしちゃってあんなにおおらかで笑顔でいられない」
「今月もおもてなししすぎて赤字ギリギリ。Gちゃんのママみたいにやりくりして貯金していったほうがいいのはわかっている。でも毎回夫のお給料日前はひやひや。お金の管理は苦手」
「叱っちゃいけないと思いすぎて、こどもに注意できない。Hくんのママみたいに時には叱ることも必要なのに」
みんなの中にもすごいところもあれば、悩みもあるようなのです。

このように「この人すごい」と、思った人のなかにも、
「他のママみたいにできない」
と、比較して落ち込むことは、大なり小なりあるのかもしれません。

 

この比較、実は「勝ち目がない!?」

自分と他の人を比べて劣等感を感じてしまったり
「そんな自分は嫌いだ」
と、自己嫌悪してしまうこともあるのかもしれません。でもこの比較、実は勝ち目がないのかもしれません。

・人のいいところと、自分のだめなところを比べている

私たちがついつい比較してしまうとき。「他のママのいいところ」と「自分のだめなところ」を比較しています。客観的に見ても、勝ち目がありません。比べる必要はないのですが、仮にもし比べるとするなら「他のママのいいところ」と「自分のいいところ」を比べるのが自然なのかもしれません。

・自分のいいところはどこだろう」

「他のママのいいところと自分のいいところを比べましょう」
と、言われても当時の私は
「自分のいいところはどこだろう」
と、わかりませんでした。

そういうとき、誰よりもあなたのいいところ、才能、魅力を知ってくれている人に探してもらってみませんか。それは誰でしょうか。
「あなたのお子さん」
です。

 

こどもの「ママ、大好き。最高のママだよ!」を、受け取ろう

私が他のママと比べて自分を責めていた時、一番自分が苦しんでいたのは
「他のママみたいにいいママじゃなくてごめん。こどもがかわいそう」
でした。でも、本当にあなたのお子さんは
「かわいそうな子」
でしょうか。

・こどもから見た真実

あなたは
「私はだめなママだ。ごめんね、私がママで」
と、お子さんに思うときがあるかもしれません。でも、お子さんにとってママがママであるだけで
「最高に素晴らしいママ」
なのです。

こどもというものは
「ママが生きていてくれるだけ、いてくれるだけ」
で、安心できてほっとできるものなのです。なぜなら、こどもにとってママが生きていてくれるということは、自分を産んでくれて、育ててくれた人と一緒に生きることができるということです。そして、こどもたちにとってママはそばにいてくれるということは、自分を守り、支え、助けてくれる人がそばにいるということだからです。

だから
「こんなママでごめんね」
と、思うのは、かえってお子さんがかわいそうかもしれません。だってお子さんは
「世界で一番大好きなママと一緒に過ごせている、世界で一番幸せな私・僕」
なのですから。

だからこそお子さんの
「ママ、大好き。最高のママだよ!」
という思い、受け取ってみませんか。

 

私、けっこういいママじゃない?

お子さんの思いを受け取ると、少しほっとしたような、自分を責める気持ちが減ってきたりしませんか? そんなあなたにお伝えしたいことがあります。それは
「一生懸命な人ほど自分を責めてしまう」
ということです。

私たちが自分を責めてしまうのは
「よりよくなりたい」
と、思うからです。

よりよくなりたいなんて思わなければ、自分のことを責めません。

ご自身が
「他のママみたいに上手に家事育児ができない」
と、自分を責めてしまうときこそ
「私、頑張り屋さんじゃない? そのぐらい私はこどものことを愛しているのだな。私、けっこういいママじゃない?」
と、ぜひ思ってあげてほしいなと思います。

みなさんの子育ての、なにかのお役に立てたら嬉しいです。

 

来週は、小川のりこカウンセラーです。
どうぞお楽しみに。

 

[子育て応援]赤ちゃんの頃から、思春期の子、そしてそんな子どもたちに関わる親とのお話を6名の個性豊かな女性カウンセラーが、毎週金曜日にお届けしています。
この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛・夫婦・子育て・人間関係など、生きづらさや悩みを抱えたかたに、穏やかに、寄り添うことを大切にしている。「話すことのすべてを大切に聴いてもらえる安心感」がある。あらゆる人のなかにある豊かな才能・魅力に光をあて、生きる力を一緒に育む。共感力の高いカウンセラーである。