「うざい、うるさい」しか言わない反抗期のこどもと会話する方法

「うざい、うるさい」
しか、反抗期のこどもが言わなくなってしまった。でも、こどもと
「たまにはしっかりコミュニケーションとりたい」
そんなふうに悩んでいる親御さん、実はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。私も、そんな悩みを抱えていました。その悩み、どのようにアプローチしたらいいのでしょうか。

 

■その悩みに効果絶大な「外食」

いろいろと試行錯誤した結果、「親子で外食すること」で、大きく前進することができました。

しかも、同世代の友人やママ友と話していて、
「外食先でなら反抗期のこどもと自然とコミュニケーションとれる」
という親子は少なくないことからも、再現性も高いようなのです。

外食することでなぜ、親子のコミュニケーションがはずむのか、どう親子関係の変化があるのか、綴っていきたいと思います。

 

■我が家の場合

まず我が家の現状としては、なにを話しかけてもこどもからは
「うざい、うるさい」
としか、会話がかえってこない状態でした。

私は
「あの子は、成長の過程にいる。プロセスなのだ」
と、頭でわかっているのです。
「それは成長の過程の一つとだから、自立への道であり、嬉しい」
私にだって、そんな気持ちもあるのです。

でも、残念ながら、長期化するにつれ、私も未熟さから、
「なんでそれしかいわないの? その態度なら、こどもが自分でなんでもやればいいじゃない」
と、こどもに怒りがわいてくるのです。

・ほかほかのチャーハンとあつあつの餃子に、藁をもつかむ思いで

その私のイライラがこどもにも、自分自身にも、非常によくないということはわかります。だからこそ、私は
「こどもとコミュニケーションをとりたい」
と、思いました。そんな私は先輩カウンセラーさんに相談しました。
「母子で外食でも、行ってきたら?」
そう、先輩はアドバイスくださいました。

藁をもつかむ思いで、私は早速実行。外食行ってきました!こどもが
「行きたい」
といっていた中華料理店。こどもを誘って、真夏の暑い中、行きました。

どんな効果があるのだろうと私の期待が高まります。ところがどっこい。ご飯を注文して、ほかほかのチャーハンが運ばれてきても、あつあつの餃子を食べても、こどもは大変浮かない顔です。

 

■期待という執着を手放す

「なんだ、外食でもだめか。いろいろやったけど、そういう時期か。私もベストを尽くした。娘も元気で今、生きている。こどもが外食にも来てくれない可能性もあった。一緒に来てくれたことが、大きな前進。会話しなくても、その場に親子がいられることを楽しもう。そして、私も美味しいご飯を堪能して、帰ろう」

その時、私は期待を手放したのだと思います。

そして、自分の幸せ、つまり、おいしいチャーハンと餃子に集中しました。こどもに対して、私がやり残したこともないように感じたので、この場を楽しもうと思いました。

美味しいご飯は、私たちのおなかを満たしてくれました。そのころ、なんと!こどもの顔が明るくなっていき、普段話さない会話がはずんだのです。そこからはなんとびっくりするぐらい楽しい時間になりました。久しぶりにこどもの笑顔を見ることができ、私たちの楽しい会話がはずみました。

・あるがままを受け容れる

私たちは、なにかを願い、試行錯誤してもうまくいかないとき、期待を手放す必要があるときがあります。

なぜなら、期待は執着でもあり、見返りを求めるものです。それは相手も自分も苦しめます。逆に期待を手放すというのは、相手や自分をあるがまま受け容れるということです。期待という執着を手放し、相手や自分を受け容れる状態になったときにはじめて、私たちは願いを叶えるための行動や思考ができるようになるといわれています。

 

■こどもは、私の準備や覚悟を待ち続けてくれたのかもしれない

こどもは、私が
「期待を手放し、あるがまま受け容れる」
ことを待ってくれていたのかもしれません。お母さんである私が、執着という期待ではなく、ちゃんと聞いてくれるのを、しっかり自分のことを見てくれるのを、待ち続けてくれたのかもしれません。

本当に、私はこどもにだいぶ待たせてしまったなと、思います。私はこどもに
「こんなこどもであってほしい」
と、私の勝手な期待を背負わせてしまい
「今のあなただとイライラする」
と、執着して、コントロールしようとしていたのだと思います。それがこどもからしたら
「うざい、うるさい」
のだと、わかりました。

私こそが、こどもをあるがまま受け容れない態度だったのです。

・楽しい「場の力」

こどもと楽しい時間を持てたのは外食の力、楽しい場の力というものがやはり大きかったのだと、思います。その中華料理店の
「来てくれた人に、おいしい料理を食べてもらって、その人たちに幸せになってほしい」
という願いがあふれている雰囲気に支えられて、おなかも満たされて、幸せな気持ちで、私も普段より素直になり、こどもに集中できたのかもしれません。

実際、親子以外でも、例えば夫婦関係でこじれた場合でも、
「夫婦で外食デートでもしてきたら?」
なんてアドバイス、実行してみると、大きな効果があるものです。

・こどもの側からみて

こどもにしてみたら、自分が食べたいもの、したいことを、親がきいてくれる、みてくれる、一緒に楽しんでくれる。
「自分のことに集中して、一緒に楽しんでくれることが嬉しかった」
のかもしれません。

なんだか怒っているような顔をしているお母さんである私の顔が、楽しそうになって、こどももやっと、ほっとしたのかもしれません。

もしかしたら、こども自身が抱えるいろいろな悩みで、普段からぐるぐるしていたのが、日常ではない空間で、美味しいご飯を食べて、気持ちが晴れたのかもしれません。

きっと、すべての要素があるのだと思います。そして、そのおかげか、今では、こどもがなにを考えているのか、どうしたいのか、普段から少しずつ話してくれるようになりました。
「なにがあっても、親は味方だ」
というのが、こどもに伝わったのかなと思います。

 

■外食、行ってみませんか?

反抗期のお子さんを抱える親御さん。赤ちゃんのころ、イヤイヤ期もいろいろな大変さがあったことと思います。そして成長してみて、あの頃とまた違う大変さがあることと思います。
「うざい、うるさい」
しか言わない反抗期のこどもと、コミュニケーションをとりたい。

そんなときは、親子で外食、行ってみませんか?

おいしいご飯を食べながら、楽しい空間でお腹も心も満たされたころ、お互いが自然となんらかの期待を手放せ、親子が
「ただお互いのあるがまま」
を、受け容れあう瞬間が訪れ、親子関係が前進するのかもしれません。

みなさまの子育てのお役に立てましたら、うれしいです。

来週は、小川のりこカウンセラーです。
どうぞお楽しみに。

 

[子育て応援]赤ちゃんの頃から、思春期の子、そしてそんな子どもたちに関わる親とのお話を6名の個性豊かな女性カウンセラーが、毎週金曜日にお届けしています。
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恋愛・夫婦・子育て・人間関係など、生きづらさや悩みを抱えたかたに、穏やかに、寄り添うことを大切にしている。「話すことのすべてを大切に聴いてもらえる安心感」がある。あらゆる人のなかにある豊かな才能・魅力に光をあて、生きる力を一緒に育む。共感力の高いカウンセラーである。