質問するのが怖い!人に聞きやすくなる考え方

みなさんは、仕事を進めていて、分からないことをすぐに質問できますか?
聞くことが苦手だと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

・上司や先輩が忙しそうで、声をかけづらい
・こんなこと聞いたら叱られるんじゃないか
聞いたほうが早いのに、質問できないまま時間ばかり経ってしまうこともあるかもしれませんね。

私自身も、「分からないので教えてください。」と言えませんでした。
「そんなことも知らないの?」と恥をかいてしまうのではないか。
「それくらい自分で考えなさい」と叱られてしまうのではないか。
聞くことが怖かったのです。
「何か質問はある?」と聞かれても、つい「大丈夫です」と答えてしまうタイプでした。

会議中に知らない言葉を耳にしても、知っているふりをして話をする。
分からないことを自力で調べていたら、時間がかかりすぎて、残業が続く。
さらには、よく分からないまま作業を進めた結果、ミスを起こしてしまう。
結局、自分だけでなく、周りにも迷惑をかけてしまうこともありました。

仕事上でさまざまな疑問や不明点が出てくるのは自然なこと。
自分で考えて進めることも大切ですが、気軽に質問できると、安心して仕事に取り組めますよね。

今回は、質問への苦手意識について、一緒に考えていきましょう。

●分からないこと自体が恥ずかしい

質問するのが怖くなってしまうとき、「分からないことを恥ずかしい」と感じていることがあります。
自分のことを「こんなことも分からないなんてダメだ」と批判的に見ていると、人からも批判されるように感じやすくなります。
相手から叱られてしまいそうで、聞くことが恐くなってしまうのです。
また、人から何か教えてもらうことが、自分の知識不足や能力不足を指摘されているようにも感じるかもしれません。

人間の成長過程は、できないことをできるようにしていくプロセスです。
子ども時代は、わからないことばかり、一人でできないことも多いです。
大人から一つ一つ教えてもらいます。
そこから、成長していくと、今度は自力での解決を期待されるようになります。
それまでは、困ったら助けてもらえていたのに、「前にも教えたでしょう」「それくらい自分でできるでしょう」と自立を促されるようになるのです。

困っていたんだけど、頼れなかった。
分からないことを聞いたら、つき離されてしまった。
こういった経験から、分からないことがダメなことのような、ネガティブなイメージを持ってしまうのです。

とはいえ、大人になっても、分からないことがなくなるわけではありません。
誰にでも分からないことはあります。
仕事上、経験のある人や詳しい人に聞きながら、実地で学ぶことも多いですよね。

今、分からないことがあっても、恥ずかしいことではない。
「新しく学べる機会なんだ」と捉えてみると、分からない状態を否定せずにすみそうです。

●先輩や上司が忙しそうで聞きづらい

また、先輩や上司が忙しそうで、質問しづらいこともあります。
質問したら、相手の迷惑になるのではないかと感じて、聞きづらくなってしまうのです。
相手の様子を伺ううちに、声をかけるタイミングを逃してしまうこともあるかもしれません。

それは「人の時間を奪いたくない」「相手に負担をかけたくない」という気づかいゆえの遠慮だと思います。
思いやりがあるゆえに、自分の困りごとよりも、相手の状況を優先してしまうのです。

以前、私は「10分悩んで、答えが出なかったら聞いてね」と、先輩からアドバイスされたことがあります。
困ったまま私の手が止まってしまうよりも、その場で相談して、早く前に進んでくれた方が、チーム全体の利益になると言われたのです。
考えてみれば、その通りでした。
私の作業が終わらなければ、他の誰かに引き受けてもらうことになりますから。

それまで、質問する=相手の負担だと思いこんでいました。
逆に、私の疑問を解決することが、周りへの貢献になったり、相手を楽にしてあげることだとは想像していなかったのです。

自分が良い仕事をするために、聞いてみよう。
この疑問が解決したら、みんなも助かる。
自分が分からないことは、他の人も疑問に思うところかもしれない。
「チーム全体のため」「お客様のため」という目的を持つと、勇気を出して聞きやすくなっていきました。

聞きたいことがあるのに遠慮してしまう時は、「自分以外の誰かのためにもなる」という視点をもつと、動きやすくなるかもしれません。

●質問が相手の喜びにつながるとしたら

質問が怖くなってしまうとき、「くだらない質問と思われるのではないか」「相手から面倒だと思われるのではないか」など、自分がどう見られるかに意識が向いてしまいがちです。

そんなときは、一度、質問される側の目線にたってみることもオススメです。

私たちは、誰にでも「役に立ちたい」という欲求があります。
自分にできることで、人の役に立てたり、喜ばれたり、助けになれると嬉しいものです。

手一杯で余裕がないときは、親切にできない場面もあるかもしれません。
でも、人から頼りにされることを嬉しいと感じることも多いんです。

「あなたの知恵や経験は頼りになります。」
「教えてくださって、助かりました。ありがとうございます!」
そんな承認や感謝を伝えられたとしたら、答える人も喜びを感じられるんですね。

人に聞けない怖さがあるときは、相手を承認したり、感謝する方に意識をむけてみてもいいかもしれません。

分からないことを聞くのは勇気がいるものですが、やりやすいところから試してみてくださいね。

この記事を書いたカウンセラー

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人間関係、自己嫌悪、家族関係、仕事などの相談を主に扱う。じっくりと話を聴きながら、そのままの自分でもっと楽に自由になれる道筋を一緒に見出していくサポートを行う。 お客さまの個性やペースを尊重し、いつでも味方でいることを大切にしており、「話していて安心できる」「心の深いところをわかってもらえた」と好評である。