仕事を気持ちよく切り上げるための考え方

みなさんは、仕事を切り上げられずに、ずるずると残業してしまうことはありますか。
もしかしたら、職場の雰囲気によって、なかなか帰りづらいということもあるかもしれません。

近年は、テレワークも広まり、時間や場所を選ばない働き方ができるようになりました。
家で仕事できる分だけ、勤務時間が終わっても仕事から離れられないなど、仕事とプライベートの切り替えが難しいというお話も聞きます。

このような方は、真面目で責任感が強く、仕事に真摯に向き合っている方です。
仕事への熱意があって、貢献したいと思うからこそ、時間をオーバーしてでも頑張ってしまうからです。

一生懸命働くこと自体に問題があるわけではありません。
前向きに取り組めれば、自己実現につながったり、会社で認められたり、お客様に喜ばれたり、得るものも大きいでしょう。

一方で、十分な休息が取れずに、体力的にも精神的にも限界を迎えてしまうかもしれません。
また、無理を重ねることで、仕事に対してストレスがたまり、モチベーションも下がってしまうこともあります。

どんな気持ちで仕事に取り組んでいるかで、心の充実度は変わってきます。
もし、消耗するような働き方になっているようでしたら、自分の気持ちをふりかえってみましょう。

●どうして仕事を切り上げられないのか?

本当は仕事を切り上げたいのに、無理をしてやり続けてしまうときには、補償行為をしている可能性があります。
補償行為というのは、何かを埋め合わせるための行動のことです。

例えば、自分に自信がもてずに、「ダメな自分」「役に立たない自分」だと感じていたとします。
そうすると、仕事をしているときに、「頑張らないと認めてもらえない」「仕事ができないと受けいれてもらえない」などの恐れを感じやすくなります。
無理をして、できる自分、役に立つ自分になろうとしてしまうのです。
そして、無理をやめるということは、隠していたダメな自分に戻ってしまうことなので、なかなか止めることができません。

私は過去に望んでいないのに残業を続けてしまうことがありました。
そのときは、もし早く帰ったら、職場の同僚から「あの人、仕事できないのに早く帰ってるよ」なんて後ろ指を刺されるのではないかと感じていました。
自分の働きぶりに自信がもてず、時間をたくさんかけることで、できなさを埋め合わせていたのだと思います。

補償行為で仕事を頑張っているとき、実は、精神的に得られるものは少ないです。
そのとき、得られるものは、隠していたダメな自分がバレなかったという一時期的な安心感だけなんです。
その奥のダメな自分という感覚は残ったままなので、頑張ってもなかなか満たされません。

残業ばかりで苦しいと感じている場合には、「なぜ自分はこんな行動をとっているのか」、隠れている気持ちをみてあげてくださいね。

●気持ちを切り替えるヒント

最後に一つ、仕事を切り上げやすくするアイデアを紹介させてください。

それは、今日あなたができたことを振り返ることです。

例えば
・出社して、パソコンを開いた
・〇〇さんに連絡をした
・△△の資料を作った

そして、今日の自分をよく頑張ったねと、労ってあげてほしいのです。

それは、「こんなこと誰でもやってるんじゃない?」というくらい、簡単なことで大丈夫です。

私たちは、自分に対して、何か大きな成果を出さないと「できた」とは認められないことがあります。
でも、当たり前になっている、小さなことにも「すごいね」「よくやってるね」と褒めてあげてもいいのです。

自分ができていることに気づき、自分で肯定してあげる習慣がみにつくと、「私は今日よくやった」と満足しやすくなります。
そして、仕事を切り上げることに許可が降りやすくなります。

何か小さなことでも「よくやったね」「頑張ってくれてありがとう」と自分を労うことができたら、達成感や充実感を感じやすくなります。
これ以上やらなくても、もう十分によくやっているし、役に立てているということに気がつけるかもしれません。

よかったら、1日の最後に、今日できたことの振り返りを取り入れてみてくださいね。

もし、自分をほめることが見つけにくい場合には、信頼できる人に聞いてみるのもオススメです。

自分では気づいていなくても、あなたは一生懸命頑張っています。
そして、そんなあなたの頑張りを見ていてくれる人が周りにいるはずです。

あなたが心地よい働き方ができるように応援しています。

この記事を書いたカウンセラー

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人間関係、自己嫌悪、家族関係、仕事などの相談を主に扱う。じっくりと話を聴きながら、そのままの自分でもっと楽に自由になれる道筋を一緒に見出していくサポートを行う。 お客さまの個性やペースを尊重し、いつでも味方でいることを大切にしており、「話していて安心できる」「心の深いところをわかってもらえた」と好評である。