見返りを求めずに与える大切さ〜本当の愛を受け取るために〜

あなたは、見返りを求めすぎていませんか?

私たちは、大好きな人を喜ばせたい・与えたいと思う反面、大好きな人からもたくさん愛されたいと感じます。
ですが「私があなたに与えた分だけ、私にも与えなさいよ」と、相手に見返りを求めすぎてしまうと、関係が破綻してしまうことが多いようです。

こんにちは。
今日の心理学講座はカウンセリングサービス『服部希美』が担当します。

相手のためにした行動に対して、同じように、またはそれ以上に、自分にもしてほしいと思うことを「見返りを求める」といいます。

たとえばある人が、大好きなパートナーに、自分の誕生日を盛大に祝ってもらいたい!と思ったとしましょう。
大好きな相手だからこそ、いっしょに誕生日に特別な時間を過ごしたいと感じた。それ自体は悪いことではないと思うのですよね。

でも「きっと、彼の誕生日を盛大に祝ってあげたら、私も祝ってもらえるだろう」という見返りを求める気持ちをもとに、パートナーの誕生日に豪華なプレゼントを用意して、夜景の見えるレストランを予約しお祝いしてあげた・・としたらどうでしょう。

いくらパートナーが喜んでくれたとしても、パートナーが自分の誕生日を盛大に祝ってくれなかった時、ものすごくガッカリしてしまうのではないでしょうか。

「私はやってあげたのに、どうして私にはやってくれないの?」
「私のこと、それほど大事だって思ってないんでしょ」
人によっては「私の愛を返してくれないということは、私がパートナーを幸せにできていないってことなのかな」と、自分自身に失望をしてしまうこともあるかもしれませんね。

では、パートナーが期待通り、自分の誕生日を盛大に祝ってくれたパターンだったらどうでしょう?
そのときは喜びを感じられると思うのです。ちょっとした達成感も味わえるかもしれません。でも、こんなことも感じてしまうのではないでしょうか。

「きっと、私が何もしていなかったら、お祝いしてくれなかったでしょ?」

たとえパートナーが心から喜んでもらいたいと思ってお祝いしてくれていたとしても、相手の真意を疑ってしまうと思うのです。
つまり、行動自体がいくら素晴らしいものであったとしても、見返りを求めての行動は、価値や愛情を受け取ることができないのですね。

ではさらに「見返りを求められた側」の心境はどうでしょうか。
大切なパートナーに祝ってもらったこと自体はありがたく嬉しく感じたとしても、そのあとに「あなたにやってあげたんだから、私にもやってよ!」という気持ちが伝わってきたとしたら、悲しい気持ちになってしまうと思うのですね。

「なんだ。ただ見返りが欲しかっただけなんだ。」
「別に、自分じゃなくても良かったんじゃない?」

もちろん、見返りを求めた側としては、誰でもよかったわけではないですよね。
大好きなパートナーだからこそ、いっしょに自分の誕生日をお祝いをしたかったのだと思うのです。
そしてなにより、大切なパートナーに、そんな悲しい気持ちをさせるつもりはなかったのだと思うのですが・・・結果、二人の関係に「疑い」という距離ができてしまうことが少なくないのですね。

◇「そのままの自分では愛されない」という誤解を手放していこう

「これだけしてあげたのだから、私にもしてくれるよね」という見返りを求める気持ちは「そのままの自分では愛されない」という無価値観から来ていることが多いです。
「こんな私なんて、一緒にいて得なことがなければ、そばにいたいと思えないでしょ?」と、自分をちっぽけに扱えば扱うほど「これだけ与えたのだから、愛してくれるよね」と見返りを求めたくなってしまいます。

この無価値観を手放していく方法はいろいろありますが、今日は1つご紹介します。

・見返りを求めずに与え、自分が愛する人を幸せにするだけの力があることを再認識する。

まずは、いまの自分でも十分に素晴らしいし、愛する人を幸せにする力があるのだと再認識することから始めてみましょう。
このタイプの方は、誰かを喜ばせたり、幸せにする力が、いまでも十分にある方なのです。
見返りを求めてしまったことでうまくいかなかったけれど、ずっとずっと、率先して大切な人たちに愛や優しさを与えてきたのは確かなことですよね。
その素晴らしい力を、純粋に「大切な人のため」に使ってみるといいのですね。

たとえば、パートナーがコーヒー好きな人であるなら、美味しいコーヒーを淹れてあげる、でもいいですね。
この際、無理や犠牲をしてしまうと見返りを求めたくなってしまいますから、自分がラクにできることで与えてみてください。

見返りを求めずに、相手を喜ばせるための小さな行動をしていくと、自分が持っている素晴らしさや愛の大きさに気づくことができると思いますし、いままで気づけなかったパートナーからの愛も「本当に、自分を喜ばせるためにやってくれてたんだ」と受け取れるようになってくることが多いです。

その結果、愛を取引する関係から卒業し、お互いの愛を大切にし合える関係を築くことができるようになってくることが多いようですよ。

よろしければお試しくださいね。
参考になれば幸いです。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛、対人関係の改善、自分が本当に望んでいる人生へのシフトチェンジへのサポートを得意とする。 特に「さびしさを笑顔に変えるカウンセリング」をテーマに掲げ、30代女性の生き方、恋愛・婚活サポートを精力的に行っている。 高い共感力を活かした「共に考え、併走する」カウンセリングスタイルが好評。