パートナーシップのデッドゾーンを抜けるために大切な「この問題には意味がある」という視点

燃え尽きた心に火を灯す「この問題には意味、学び、成長のチャンスがある」という視点

パートナーシップの問題で燃え尽きてしまった時。それは「デッドゾーン」に陥っているのかもしれません。燃え尽きた心に火を灯すために最も大切な現状を変えていくパワーを持った視点が「この問題・状態・状況には意味、学び、成長のチャンスがある」。この方向に舵を切るとデッドゾーンを抜け出せます。

パートナーシップの問題で燃え尽きてしまった、と感じた時。

それは「デッドゾーン」と言われる状態に陥っているのかもしれません。

今まで一生懸命やってきたけれど、もう何をやっても無理、という状態。

燃え尽きた、という表現がありますが、まさにそんな感じ。

辛い、というより、あきらめ、絶望という感じ。

こうした状況のことを心理学的に「デッドゾーン」と言ったりします。

パートナーシップでいえば、例えば、

◎以前はケンカもしていたけど、今はそんな気力もなくなって、コミュニケーションもやめてしまった

◎付き合っている人と別れたりよりを戻したりを繰り返してきたけど、もうこの状態にうんざりしている

◎浮気した彼(彼女)を責め続けてきたけど、それに疲れたし、なのに怒りが止まらない自分に嫌気がさしている

こんな感じです。

浮気、離婚、コミュニケーションの停滞やすれ違い、消極的な現状維持、あきらめ。こんな状態だから燃え尽きてしまった、と感じるわけですね。

「燃え尽き」と表現されるように、元々は心に感情・愛情の火が灯っていたわけですが、それが消えてしまったという感覚です。

でも、それは消えてしまったと自分が思い込んでいるだけで、実際には心の奥底にちゃんと大切な気持ちを感じている部分があります。

「あきらめ」というフタで隠されてしまっているのですね。

もし、完全に燃え尽きて心の中に何も灯っていなかったとしたら、それでもなんとかしたい、何か解決方法はないか、とは思わないはずです。

「隠れているだけで愛情の火は灯り続けている」

まずはこんな風に自分のことを感じてあげましょう。

それでは、デッドゾーンの燃え尽きた心に火を灯すにはどうしたらいいのでしょう。

いきなりフタをあけるわけにはいかないし、簡単には開きませんので、段々といろんな角度から見ていくことで、感じられなくなった心を取り戻していこう、と思ってみてください。

燃え尽きた心に火を灯すために最も大切な「この問題には意味がある」という視点

燃え尽きた心に火を灯すために最も大切なのは

「この問題・状態・状況には意味、学び、成長のチャンスがある」

という視点を持つことなんです。

これはとても大切な現状を変えていくパワーを持った視点なんですが、言うは易し、使っていくのはとても難しい。

私は、カウンセリングでこの話をさせていただく時には

「もう何をやっても無理、万策尽きているのだから、良い意味で開き直ってみたらどうでしょう。

 だったらある意味、納得できないことでも、やってみようという気になりませんか?」

とお伝えすることがあります。

それくらい、この燃え尽きた状況の中に意味を見つけるをはとても難しいのですが、こんな風に考えてみてください。

このパートナーとの関係は、今のままでは前に進むことができない、何かの問題を抱えている。

この問題に取り組んでいかないと、この先の二人の幸せはない。

けれど、新しい関係性やお互いの変化があれば、もっと良い関係にしていくことができる。

しかし、それにお互い気づいていくことは、今のままではとても難しい。

もし「新しいステージに進んでいくために、この問題がわざわざ起こってくれたとしたら?」と考えてみる、というのがこの視点です。

誰も問題が起こってほしいとは望んでいませんよね。

もちろん、そうなのですが、あえて「大切なことを教えてくれるために問題がやってきてくれた」

「これくらいのことが起こらないと気づき行動に移すことは難しかったかもしれない」

と思ってみる、ということなんですね。

例えば、冒頭の3つの例で言えば、

◎以前はケンカもしていたけど、今はそんな気力もなくなって、コミュニケーションもやめてしまった

お互いが自分の気持ちを伝えるのが苦手すぎて、相手に察してほしいと思うだけで気持ちが言えないから不満がたまりケンカをしてきた。

自分の気持ちを相手に伝え合う大切さを学ぶために今の状態が起こっているのかもしれない。

◎パートナーが悪い態度を取ってくるので別れたり、よりを戻したりを繰り返してきたけど、もうこの状態にうんざり。

悪い態度を取っていたのは自分も同じだった。「どうせ自分なんて愛されてない」と私が愛を試すことばかりしていたことに気づいて、愛されていることを受け取っていくことを学ぶ時なのかもしれない。

◎浮気した彼(彼女)を責め続けてきたけど、それに疲れたし、なのに怒りが止まらない自分に嫌気がさしている

浮気した彼(彼女)にも理由があって、私が何でも一人でやってしまい、彼に寂しい思いをさせてしまったからなのかもしれない。それを私の無意識が感じていて、こんな状況を作り出したのは自分のせいだ、と相手ではなく自分を激しく責めているから怒りが止まらないのかもしれない。

この問題の意味を知るというのは、こんな感じなんですね。

しかし、こんな風に意味に結びつけるのは、やっぱり難しいわけです。

でも、きっと意味がある、学び成長のチャンスがきている、という視点を持ち続けていたら、ある時、ふっと理由を思いつくことが起こったりします。

また、誰にも相談できずにいたけど、誰かに教えてもらいたいと感じる時がくるかもしれないのです。

次回は、デッドゾーンを抜けるために取り組む意欲を取り戻す3つの視点について、お伝えします。

(続)

心理学講座4回シリーズ/同シリーズ記事はこちら
  1. パートナーシップのデッドゾーンを抜けるために大切な「この問題には意味がある」という視点
  2. デッドゾーンを抜けるために取り組む意欲を取り戻す3つの視点
  3. 誰も頼らず一人でがんばり続けたから燃え尽きたのだとしたら
  4. 自分が変われば世界が変わる~幸せなパートナーシップを取り戻すために~
この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。