パートナーとの気持ちのすれちがい~正しさの争い~

パートナーと気持ちがすれちがっているように感じる時、二人の間で起きていることや抜け出し方を理解しておきましょう。

パートナーとの間では、原因となった出来事は別のことでも、二人が同じ気持ちを感じていることがあります。この現象を使って、自分が相手に感じることを、「もし相手が同じように感じているとしたら?」と想像してみると、新しいコミュニケーションの入り口が見つかるでしょう。

また、私達は自分のやり方を正しいと信じ、相手のやり方を否定してしまうことがあります。正しさで勝敗をつけるやり方は、がまんや反抗の元になります。がまんや抵抗ですれちがう時は、二人が幸せを感じる新しいやり方を見つける時です。

新しい関係性を作っていくには、まず自分から相手を理解していく方法があります。不満や文句があるかもしれませんが、それを超えて、今までと違う自分に進化してみましょう。あなたの変化が二人の変化になり、対等なコミュニケーションがしやすくなるでしょう。

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私の夫は、よく屁理屈を言います。
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もう、話し合いをするのも面倒臭くなります。
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感じる気持ちの共有

「任せる」と言ったのに「なぜそうしたの?」と否定されるとか、話し合っているのに向き合ってくれないなど、一緒に居るのに心がすれ違っている状態が続くと切なくなりますよね。あるいは、切なさを通り越して、イカリやあきらめを感じることもあるでしょう。

そんな時は、「私は大事にされてない」「私の気持ちなんて考えていない」「私に対して扱いがひどい」など、「相手から否定された」「相手から拒絶された」気持ちになるのではないでしょうか。

パートナーシップでは、「理由は違うけれど、感じている気持ちは一緒」ということがよくあります。

「相手も私と同じような気持ちだったとしたら?」と考えてみると、「尊重されていないように感じていたから、強い言い方で自己主張している。」「否定されているように感じていたから、反発している。」「自分の意見が拒絶されていると感じていたから、相手の意見も聞かない。」など、相手の理不尽に思える行動が少しは理解しやすくなるかもしれません。

あなたが否定していなくても、相手があなたと同じように「否定されているように感じているとしたら?」と想像してみることで、別の形のコミュニケーションを試しやすくなるでしょう。

正しさの争い

私達は成長の過程で、このやり方がうまくいく「自分のやり方」を身に付けます。そして、そのやり方が正しいと信じ、気がつかないうちに、「そうしないことが間違っている」といった態度をとっていることがあります。自分のやり方と違う行動や価値観を否定してしまうようです。

どちらが正しいかの争い(パワーストラグル・主導権争い)は、主張が通った方には満足感がありますが、主張が退けられた方には不満感が残ります。勝ち負けがある人間関係は、主に敗者側に感情的なしこりを生みやすくなります。

ちょっと想像してみてくださいね。子供の頃、「宿題をした方がいいよな~」と思っている時に、母親から「宿題をやってしまいなさい!」と言われたら、どんな気持ちになったでしょうか。

母親の言うことは正しいけれど、自分の気持ちや考えを無視されたようで、反抗したくなりませんでしたか。

話を聞かない、目の前のこととは別のことを持ってきて反論する、「わかった」と言ってやらない、くどくどと言い訳をする、冷たい態度を取る、がまんを溜めて後で爆発する、陰で見下す、へりくつを言うなど、反抗の形は様々あるでしょう。

自分には考えていることや感じていることがあるのに、正しさで否定されたとしたら、自分の気持ちをがまんするしかなくなります。反抗的な態度の背景には、何かしらのがまんがあるのかもしれません。反抗することが目的ではなくて、「わかってほしい」気持ちがあるのだとしたら、どんな気持ちを理解すればいいのでしょうか。

これまで自分にはうまくいっていた正しいやり方であったとしても、パートナーとの間でがまんや反抗を生むやり方ならば、二人にとって幸せなやり方ではないようです。二人が幸せを感じる新しいやり方を見つける時なのかもしれません。

新しい関係性の構築

もし、「相手が向き合ってくれない」と思っているのなら、一度自分のやり方を手放して、「私にも向き合えていないところがあるとしたら?」と考えてみることが始まりになるでしょう。

カップルカウンセリングをしていると、女性が「私はこういう気持ちを感じていることをわかってほしい。だから、こうして(こうしないで)ほしい。」と伝え、男性が黙って聞くという場面にしばしば立ち会うことがあります。これは一方通行で、コミュニケーションにはなりにくいです。

いつもこの状況なら、女性は「相手はどんな気持ちで、どうしたいと望んでいるのか。」を彼のペースに合わせて理解する必要がありますし、男性はいいことも悪いことも正直に表現して、自分の考えや気持ちを相手に伝える必要があります。

逆に、男性が理詰めでよく話し、女性が気持ちを押し殺しているような場合には、女性が勇気を持って自分の気持ちを伝え、男性が相手の話しに耳を傾ける必要があります。

相手を理解するためのコミュニケーションをしやすい雰囲気を作ることが、対等なパートナーシップ、新しい関係性の入り口になります。

カウンセラーが通訳に入ると、「この人ならわかってくれるだろう」と思っているからこそ、わかり合えない時に、相手へのイカリや反抗的な態度になるといったケースが多く見られます。

パートナーが二人で同じような気持ちを感じているのなら、否定されていると思うなら相手を認める、わかってもらえていないと思うなら相手を理解する、大事にされていないと思うなら相手を尊重するなど、自分から新しい関係性作りのためのチャレンジをしてみましょう。あなたの変化が二人の変化になり、対等に向き合える関係を作るでしょう。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大塚 統子

自己嫌悪セラピスト。心理学ワークショップ講師(東京・仙台) 「自分が嫌い」「自分はダメ」「私は愛されない」などの自己否定、ネガティブな感情・思考をリニューアルし、自信や才能・希望へと変換していく職人。生きづらい人の心が楽になる気づきや癒しを提供。テレビ・Web記事の取材にも多数協力。