一歩踏み出すためのポジティブな思考の作り方

石橋を叩いて渡るように、慎重に物事を判断し決定する。
あらゆるリスクを考慮して、そのリスクに備える。

社会的に信頼も厚く、堅実で危機回避能力の高い人だと言えるでしょう。

この危機回避能力は、本能的にあらゆる動物に備わっている能力ですが、行き過ぎると不要な心配に捉われて判断や決断ができなくなってしまったり、過度にリスクや失敗を恐れて転職やチャレンジする一歩が踏め出せなくなってしまいます。
結果、不安や恐れがいっぱいで、嫌な出来事にばかり意識が向いてしまい、悲観的で「物事が悪い方に向かう」というネガティブな考え方になってしまいます。

周りからは「もう少し楽観的になったら?」などと言われても「それができたら苦労しねぇ!」と思ってしまうのではないでしょうか?

ネガティブな感情や考え方を否定する必要はありませんし、ポジティブにならないといけない訳でもありませんが、
「悲観的な気持ちばかりで苦しい」
「もう少し前向きに考えたい」
と、思うのであれば、おすすめの方法を2つ紹介します。

1.寝る前にその日の良かったと思う事を3つ書き出す

出来事の一番の盛り上がりと最後の部分が印象に残りやすいと言われています。
アニメやドラマ、ジェットコースターなどのアトラクションなんかも一番盛り上がる場面と最後の場面が印象に残っているのではないでしょうか?
一番盛り上がる場面は、人によって感じ方が様々なので一概には言えませんが、最後の部分は共通していますよね。

ですから、一日の最後である寝る前にその日の良かったと思える事を3つ書き出して「今日も良い一日だった」と締めくくるのです。

客観的に良かったかどうかではなく、あなたが良かったと思える事というのがポイントです。
そしてそれは、どんなに些細な事でも良いのです。
「天気が良かった」
「朝、気持ちよく起きれた」
「美味しいものを食べた」
「誰かが優しかった」
「お気に入りの服を着た」
「猫が可愛かった」
「臨時収入があった」
など、些細に思える事やそうでない事でも大丈夫です。
ただ、客観的に良かったと思える事実ではなく、あなたの心が本当に良かった、嬉しかった、楽しかった、と思えたことに意識を向けてください。

寝る前に良かったと思う事を3つ書き出そうとすることで、日頃からポジティブな気持ちに意識が向きやすくなります。

2.褒める気持ちや感謝を口に出して伝える

日本人は、良くも悪くも思った事を口に出すことが少ないです。
もちろん全ての人がそうではありませんが、思った事を言わない人が多いように見受けられます。
たとえいくら心の中で「ありがとう」と思ったり、相手を褒めていても、言葉にして伝えないと伝わりません。

人には、返報性というものがあり、好意を向けられると好意で返したくなるものです。
「ありがとう」や褒め言葉を相手に伝えると、その相手から「ありがとう」や褒め言葉が返ってきやすくなるのです。

だからと言って、無理に感謝や褒めたりする必要はありません。
無理に感謝や褒めたりしても、嫌味やお世辞になってしまいます。
しかし、どんな些細な事でも「ありがとう」や褒められるところを見つけたら、言葉に出して相手に伝えるようにしてください。
そうすることで、感謝の気持ちや他者の長所といったポジティブなことに意識が向くようになりますし、返報性の原理からあなたに好意的な気持ちが向けられやすくなります。

あなたに好意的な気持ちが向けられると、寝る前に良かった事を書き出す際にきっと役に立つでしょうし、一石二鳥です。

さいごに

ネガティブな考え方が悪いわけではありませんし、ポジティブにならなければいけないわけでもありません。
ネガティブな考えや感情も否定したり押し込めたりせず、大切にしてほしいと思います。
しかし、世の中にはポジティブなものも確かに存在しているので、それらも大切にしてほしいのです。

もし、あなたのネガティブな考え方が習慣化しているのなら、それは一朝一夕で出来上がったものではないはずです。
人が何かを習慣化させるためには、3週間から70日くらいかかる、と言われています。
場合によってはそれ以上かもしれません。
しかし、練習することでポジティブなものに意識を向けることも出来るのです。

ポジティブな考え方が習慣になれば、「大丈夫」「なんとかなる」と安心感や楽しみとして感じられ「物事が良い方に向かう」と考えることができるようになるのです。
まずは一週間、心から良かったと思えること、感謝や誰かの長所に意識を向ける練習をしてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

我慢や犠牲的な生き方、依存的な恋愛、生きづらさを乗り越え、独立開業やカウンセラーになる夢を叶える。ユーモアに富んだ表現で心理学をわかりやすく伝え、クライアントの魅力や可能性を見続けて、クライアントと一緒に「その人らしく」「楽になる方法」を考えるスタイルに好評を得ている。