今日からできる「自分嫌い」を脱出する方法
ついついしてしまう自己嫌悪に苦しんでいませんか。自分を嫌うと、気持ちは滅入るし、人が怖くなるし、自信は失くすし、辛くなることも多いのではないでしょうか。
自分が自分を嫌いと思っていると、心では「私が私を嫌うように、きっと人も私を嫌うだろう」と感じます。だから、「嫌われる」「否定される」「責められる」に敏感になりやすいのです。逆に、自分を肯定できていると、「きっと人も受け入れてくれるだろう」と思いやすくなります。
自己嫌悪の状態からいきなり自己肯定をしていくのは難易度が高い技でもあるので、まずは自己嫌悪を減らしていくことをお勧めしています。
今回は、自己嫌悪の心理と、自己嫌悪を減らしていくために日常でできることを3つ紹介していきます。
◆「ある」「できる」を探す
自己嫌悪している時、私たちは「他の人はできているのに、私はできていない」と比較して、自分に「ない」ところ、自分が「できない」ところを見ています。そして、極端な言い方をすれば、「私には何もない」「私は何もできない」と誤解し、「それが私」と思い込む状態に陥っています。
「ない」「できない」ばかりを見て、心のバランスを崩しているならば、意識的に「ある」「できる」を探していただきたいのです。
例えば、「結婚していない、子供もいない、なんで私には何もないのだろう」と落ち込んでいたとします。ここで、「ある」「できる」を探してみましょう。例えば、「私には仕事があるし、どんな時も味方になってくれる友達がいる」と思えたら、ネガティブに傾きすぎた心のバランスをフラットに戻しやすくなるでしょう。
「ある」「できる」を探すには、「ある」「できる」が必ず「存在する」と思って探すといいでしょう。ちょっとしたことから探してみるのがコツです。
例えば、文字を読むことができる、話を聞くことができる、選ぶことができる、やめることができる、伝える言葉がある、感じる心がある、人を抱きしめる手がある、などなど。探し慣れてくれば、たくさん見つかるはずです。
◆肯定的に書き換える
「自分の嫌いな所は何ですか?」と聞かれたらいくらでも出てくるのに、「自分のいい所は何ですか?」と聞かれると何も出てこないくらい自己嫌悪にはまっている方もいるでしょう。そんなネガティブ度が高めの方にお勧めなのが「書き換え(リフレーミング)」の方法です。
まず、自分の嫌いなところを思う存分紙に書き出してください。次に、そこに書き出された言葉をポジティブな言葉に書き換えていくゲームをしてみましょう。
例えば、「優柔不断」を「優しい」に、「決められない」を「よく考える」に、「気にしすぎる」を「感受性が豊か」に、「ネガティブ思考」を「危機管理が上手」に。
肯定的に書き換えるコツは、自分のこととして書き換えようとしないことです。嫌っている自分のことだと、「本当に?」「そんなことないよね」と惑わす気持ちが出てきます。だから、簡単な言葉の書き換えゲームとしてやってみるといいでしょう。もしくは、あなたの大切な人が「私は優柔不断だ」と悩んでいるとしたら、その優柔不断を別の捉え方をして肯定的な言葉をかけるとしたら何と伝えるかで考えてみるといいでしょう。
そして、肯定的に書き換えられた言葉たちを、「これも私」と思ってみてください。また、肯定的な言葉だけを書いたものを、毎日1回は眺めるようにしてみたり、自己嫌悪で凹んだ時に読み返してみたりしてもいいでしょう。
物事には、必ず光と影の両面があります。短所は長所、長所は短所にもなります。自分自身を光のあたる方から見るための書き換え作業をしてみてはいかがでしょうか。
◆人に感謝する
自己嫌悪をしている時、私たちの関心の中心には自分がいます。自分の嫌いなところや、そんな自分が人からどうみられるかばかりを考えていたりします。
この状態だと、優しい目で自分を見ている人がいるのに気がつかない、あなたから関心を持ってもらいたい人がさびしくしているのに気がつかない、といったことが起きやすいです。そしてこれは、大切な人との関係で気持ちがすれ違う原因にもなりやすいでしょう。
自分自身の方に向いた関心を、人に向けていくシンプルな方法は、相手に感謝することです。「ありがとう」と言おうとすると、その人が何をしてくれたのか、どう思ってくれたのかに気がつこうとします。すると、自然と相手に関心が向きます。
そして、相手から自分に向けられた善意や愛情に心が反応します。自分は「大切にされる存在」「優しくされる存在」「愛される存在」なのだと感じられるでしょう。
さらに、感謝を伝えることは、相手にいい気分をプレゼントすることでもあります。そんなことができる人を嫌う必要があるでしょうか。意識的に感謝に取り組み続けると、いつの間にか自分嫌いが減っていくでしょう。
(完)