失恋した彼との比較

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こんばんは。

神戸メンタルサービスの平です。

私たちは、失恋をした相手に対しては、実際のその人よりも、よりよい人物像を描いてしまう傾向が強いようです。

私たちは人を好きになると、「きっとこの人は、こんな人に違いない」といろいろな想像をしてしまいます。

そして、彼のことを「あなたの欲求を満たしてくれる完璧な王子さま」のようにイメージしてしまいます。

もちろんこのころは、彼とお付き合いをし、彼のいろんなことを知っているわけではないので、あなたの「きっとこうであるはずなんだ」というイメージがついつい先行してしまうわけです。

実際、その人とのおつきあいがはじまると、イメージどおりじゃなかった、というようなことが起こり、「何で私のイメージどおりじゃないのよ!」とケンカになってしまったりします。

そして、そうするうちにどんどん実際の彼とあなたが望んでいたイメージ上の彼とのギャップが修正され、ケンカする度にどんどん彼のことを正しく理解できるようになります。

こうなると、安定し、落ち着いた関係に変わっていくものです。

しかし、ロマンスをふくらませすぎた状態で、彼にふられたりして、失恋してしまうと、ほぼ完璧な100点満点の彼のイメージをひきずったまま、あなたは次の恋に向かわなければならなくなります。

こうなると、ほぼ理想の王子さまで100点満点の彼と比べたら、どの男性も、なかなか勝てないと思いませんか?

あなたが友達に誘われて、合コンにやってきたと思ってください。目の前には、5人の男性が座っているとしましょう。

客観的に見れば、5人の男性にはそれぞれの魅力があることでしょう。

普通は、5人の男性のうち、誰が一番自分のタイプに近いかな、と彼らを比べたりもします。

しかし、あなたが失恋ホヤホヤで、しかも前述したような状況であったとしたら、あなたは、100点満点の理想どおりの失恋くんと目の前の5人の男性を比べはじめます。

そうすると、目の前の男性の悪いところばかりがクローズアップされてきます。

100点満点の彼の一番すばらしいところと、目の前にいるコンパで知り合った男性のさえない部分を比べはじめてしまいます。

本来、正しい比較というものは、お互いのよいところとよいところ、悪いところと悪いところを比べ合うものなのですが、こういう場合は、必ず100点満点の彼の一番すばらしかったところと、目の前にいるコンパで出会った彼の一番さえないところを比べてしまったりするわけですから、目の前にいる彼に勝ち目はありません。

同じように、不倫なども、結婚して長年一緒にいる奥様やだんなさまの一番くたびれて魅力のない部分と、浮気相手の一番すばらしいところを比べるわけですから、これでは、勝負にならないとは思いませんか?

本来、人それぞれには、いろいろな魅力が備わっているので、それを楽しむことができればいいのですが、私たちは、いつも自分を自分の一番理想的な状態と比べ、自分を責めているようなのです。

それを対人関係にも投影し、あなたが求めている理想の人と、今目の前にいる人を比較し、失望しているようなのです。

私たちの理想の人というのは、実は、どんなにダメで嫌な自分、自分が愛せないような自分すらも見捨てずに愛してくれる人なのです。

私たちは、自分で自分に愛想をつかした度合いだけ、完璧なヒーローやヒロインを求めてしまうようなのです。

ところが、私のことを愛してもらおうと、自立のタイプの人に近づくと、ほとんどの場合、自立の人はそれを嫌がって逃げようとします。

なぜならば、あなたが自分の完璧な理想だと思ったその人も自分を愛してもらいたいという欲求を持っているからなのです。

みなさんが、自分を愛してくれる誰か完璧な人を探すのをやめ、あなたが出会う色んな人との関係をどう楽しむか、ということを考え始めたときに、今までまったく見落としていたタイプの魅力がわかるようになりはじめるのかもしれませんね。

では、来週の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。