「誰かのせいにしない」視点がパートナーシップの幸せを呼び込む(1) ~心の世界では被害者と加害者は同じ~

加害者と被害者は同じという視点がお互いの気持ちの理解を深め幸せを呼び込む力になる

浮気や失恋などで辛い思いをした時には、ひどいことをした相手が加害者で、自分は被害者だと感じますが、心の世界では被害者も加害者も同じであるという見方をします。するとお互いに何か理由があって問題が起こったのではないかと誰かのせいではないと感じられるようになり、幸せを呼び込む力になります。

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例えば、浮気をされた、失恋でひどい振られ方をした、などの辛い体験をした時。
私たちは、当然、ひどく傷ついたり、相手を恨んだりするものです。

その思いはとても大切に扱ってあげなければいけないのですが、誰かに傷つけられたという思いに囚われ続けると、大変な状況を抜け出し、幸せをつかんでいくことが難しくなってしまいます。

こうした時、私たちの心は自分は被害者であると感じています。
浮気した、ひどい振り方をした相手が悪いのですから、向こうは加害者、自分は被害者と感じるのは自然なことです。

しかしながら、心の世界では被害者と加害者は同じであるという見方をします。

大きな視点で見た時、問題はどちらにも原因があること。
被害者も加害者もどちらも苦しみの中にいること。
自分も相手もこの気持ちを感じたい・感じさせたいとは思っていないこと。
こんなことに段々と気づいていくと、心が本当に求めていることが「誰も悪くない」ことであることに気づけます。
すると、相手を許す道を歩いていけることになり、その道はとてもあなたを救うことになります。
そして、自らの心が愛でできていることに気づくきっかけとなり、苦しみや問題から脱して、幸せへの道を歩いていくことにつながるのです。

問題の渦中にいる時にこの視点を持つことはとても難しいことです。
また、法律で判断していく仕組みも大切ですが、カウンセラーとしては心理的に別の見方をしていきます。
被害者でも加害者でもないという見方を持つことで、人生を豊かに幸せに変えていくことにつなげていくこともできます。

今回の心理学講座では4回に渡ってこうしたの視点について学んでいきます。

この視点を「失恋したケース」で考えてみましょう。

例えばこんなご相談
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付き合っていた彼と突然、音信不通になった。
彼が転勤になるタイミングだったので、これからのことを離していたところだった。
住所もわからず、心配していたら「別れよう」とだけLINEがきて、そのまま終わってしまった。
あり得ない!こんなひどい話ってある?と悲しみとともに彼への怒りが止まらない。
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こんな目にあったら、すごく傷つくし、苦しいし、悲しいのは当たり前です。
さらに、彼のこの態度に怒りが止まらないのは当然ですよね。

彼の態度が悪いのはもちろんそうなのですが、こうした思いを抱えたままだと、私たちの心は苦しいばかりなのです。

私たちは、何かの出来事について、誰かのせいにしてしまうとその瞬間に「被害者」になります。
そして、同時に相手を「加害者」にしてしまいます。

なぜ被害者である自分が加害者になってしまうかというと、相手が悪かったとしても「お前のせいだ!」と攻撃すると、あなたに責められた相手は被害者になってしまう、ということが起こってしまうんですね。

また、私たちの心は誰かを攻撃した時に罪悪感を感じます。
明らかに相手が悪い時でもそうです。

ですから、被害者、加害者というところから別のステージに進んでいかないと、心は苦しいままだし、幸せを感じられないことになるのです。

抜け道は、

「被害者も加害者も同じってことなのかな?」

という視点を持つことなんです。

いきなりそんな風には考えられないので、まずは、こんな風に考えてみてください。

自分自身が被害者だけでなく加害者にもなっているという先の話を思い出しながら

「私が彼に怒りを感じるにはきちんとした理由がある」

と考えてみるところに進んでいきます。

次に、あえて、もし彼も同じだとしたら?と考えてみます。

「あんな態度を取ったやり方は彼が悪いけれど、そうするには何か理由があったと考えることはできないだろうか?」

こんな風に考えを進めていきます。

実際に彼と話ができていないので推測するしかないのですが、カウンセリングの中ででてくるお話で、後からいろんな事情がわかってきた、なんてことも珍しくありません。

例えば、彼の実家が遠方にあって親が病気になり看病のために帰らないといけなくなったとか。
それがあまりに申し訳なくて音信不通にしてしまったとか。

どんな理由があろうとこの態度は納得できない!ままなのですが、理由がちゃんとわかってくると、辛い気持ちも怒りも減っていきます。

理解という整理が進むと、さらに、

「どう考えても相手が悪いのだが、あえて自分の方にも何かそうさせてしまった理由があったとしたらどうなんだろう?」

こんな風に、彼が去っていく理由が自分にもあるかもしれない、という視点を持つことにもつなげていけます。

すると「お互いに何か理由があって今回の出来事が起こったのかもしれない」というところに進んでいくこともできるのです。

ここまで辿り着いて最初の話を振り返ってみると「被害者も加害者も同じってことなのかな?」と感じることができるようになるんですね。

この時、心は、被害者でもない、加害者でもない、「誰も悪くない」つまり、無害者であると感じています。
ここを目指して進んでいきたいのです。

ところが、理屈で言うのは簡単ですが、実際に納得して感じるのはとても難しいことです。
まずは、この視点を持てるようになるための準備が必要なんですね。

辛い気持ちを誰かにきちんと話を聞いてもらうとか、休んだり気分転換したりして心を休ませてあげるなどをしながら、少しずつ準備をしていくことになります。

私のカウンセリングでは、最初はどれほど辛い思いをしたか、きちんとお話を伺っていきながら、ご相談者さんがこの話を聞く準備ができてきた時に、今回のこうしたお話をしていきます。

大切なのは、今すぐできなくてもいいので「いつかは誰のせいにもしない自分になりたい」と思っておくこと。

すると、自分の心を整理しながら、この視点を持つ準備ができた時には、たくさんの気づきや抜け道が見えてきます。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

池尾 昌紀

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。