困った男を学ぶ(1)~オレ様な男たち~

偉そうにものを言ったり、偉そうな態度だったりをとる男性のことを、「オレ様な人」と表現したりします。

オレ様な人は、自信があるからああいう態度なのだろうと思われますが、実はその逆で、自分のことが嫌いで、全く自信がないというのが本当のところだったりするのです。

そうはいっても、オレ様ですから、「あなた自信がないのですね」なんて言うと、「俺は自分のことが大好きだよ!自信があるから言っているのだ!」と途端にオレ様な態度をします。
オレ様な言動の裏には、「俺は愛されない」「俺には居場所がない」という気持ちが実は隠されていたりするのです。

今回の心理学講座では、困った男とは、女性にとって困ったことを引き起こす男性とさせていただきます。

とはいっても、女性にとって「困った」と感じる行動は様々ですので、代表的なものを例にとってお話しさせていただきます。

いわゆる「オレ様」と表現される男性たちがいます。

上から偉そうにものを言ったりするあの男性たちです。
「世界で一番俺が偉い!」そんな態度をとる男性も中にはいますね。

「オレ様は偉いんだぞっ!」という言動を多々とりますので、一緒にいる人は、振り回されることになってしまいます。

でかけるとなると、自分のペースで行動し、少しでもそのペースより遅れてしまうと、「もう出かけない!」と怒り出す人もいます。
でかける場所も、「オレ様」が決めます。

自分のやり方や、考え方にものすごくこだわりを持っていて、それに反することは、一切受け付けないという人もいます。

また、怒鳴ったりはしないけれど、何も言わずにふんぞり返っているというタイプのオレ様もいます。
何も言わないので、不満がないのかというとそうではなく、自分の意にそぐわない態度を誰かがとると、露骨に嫌な表情をしたり、嫌味満載でため息をついたりします。

まるで「俺の気持ちがどしてわからないのだ?」という態度です。

では、「オレ様は偉いんだぞっ!という言動をどうしてとらないといけないのでしょうか?

一概には言えませんが、本当に自信があれば、「オレ様は偉いんだぞっ!」という態度をとる必要は全くありません。

つまり、「俺は偉くない」「俺はダメだ」「俺は弱い」「俺はバカにされる」そう思っているから、わざわざオレ様な態度をしないといけないのです。

誰からも尊敬され、みんなに人気があり、慕われるような人は、わざわざそんな態度をとる必要がないので、オレ様になりません。

よくオレ様な人を観察してみると、立場が上の人や、絶対的な権力を持っている人の前では、おとなしくしているものです。

「いくら偉そうにしても、かなわない」相手に対しては、オレ様にならないのです。
「俺が稼いでいるから、お前たちはメシを食えるんだ!」と言っているオレ様がいますが、あれは「俺のことを認めてくれよ。俺は頑張っているだろ?俺のことを大切にしてくれよ」と言っているのです。

あの態度からは、なかなかそうは思えないものですが、オレ様男は、居場所がなく、愛されないと思っている、自信がない男性なのです。

オレ様な言動は、周りにいる人からすると、まるで威嚇されているように感じます。

「怖い」と感じる人も少なくありません。
あの言動が威嚇なのだとしたら、どうでしょうか?
なぜ、威嚇する必要があるのでしょうか?

動物が威嚇するのは、相手を敵だと感じ、「これ以上近づくな!」と恐れを感じているときです。
毛や羽を逆立てて威嚇するものもいれば、低いうなり声をあげて威嚇するものもいますね。
もちろん目は睨み付けています。

もし、一撃で相手を倒せるくらいに自信があったら、そして恐れを全く感じていなければ、堂々としているでしょう。
威嚇するのは、恐れを感じているからなのです。

でも、人間の場合は、食うか食われるかという恐れではなく、「愛されない恐れ」「嫌われる恐れ」「居場所がなくなってしまう恐れ」などです。

オレ様な態度をとっている人は、何らかの恐れを持っているのです。

そして、嫌われないように、居場所を確保できるようにと、威嚇するのですが、その結果は残念ながら嫌われてしまったり、居場所をなくしてしまったりということになることも少なくありません。

オレ様な態度の裏には、「こんな悪い俺は、愛されるわけがない」と感じている部分があったりします。

一見自分のことが大好きだと思われがちなのですが、実はその逆で、自分のことが大嫌いなのです。

一概には言えませんが、オレ様タイプの男性は、罪悪感という罪の意識が強いことが多いです。
「こんな悪い俺は、愛されるわけがない」と感じていて、だからこそ愛されにくい態度をしているのです。
愛されにくい態度を最初からやっていれば、愛されなくてもショックは少ないですからね。

ある種の防衛的な態度だと理解するといいかもしれませんね。

この記事を書いたカウンセラー

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