長すぎる春”のお二人へ

「結婚すれば、落ち着くよ」はコミットメントの言葉

こんばんは。

神戸メンタルサービスの平です。

“長すぎる春”という言葉があります。

ご存じのとおり、長くつきあっているものの、なかなか結婚にいきつかないことをいいますが、長すぎる春のカップルは、結局、破局してしまうことが多いものです。

心理的に見ると、おつきあいや同棲期間が長くなった人々は、“次のステップの恐れ”をもっていることが多いようです。変化することへのネガティブな思い込みがあるわけです。

たとえば、社会人になるということは、ハードで過酷な世界に入ることだと思うと、社会に出るのが憂うつだったり、不安がわいてきたりする‥‥というのはよくあることです。

しかし、実際に社会に出てみると、「学生のときに思っていたほどは悪くなかった」ということもよくあります。宿題やテストはないし、経済的にはそこそこ恵まれるようになりますからね。

私たち人間は、未体験のことには“最悪”を想定して挑む傾向があるようです。

結婚についても同じように、困難なこと、たいへんな環境の中に入っていくことだというイメージをもっている人は少なくありません。

恋人時代のロマンスや甘い関係はどこかに消え、責任を果たすだけのツラく厳しい関係になってしまうと感じる人が多いのです。

その根拠としてあげられるのは、ほとんどの場合、あなたの両親です。

「うちの親はあまり楽しそうでなかった」、「すごく質素な暮らしをしていた」など、ロマンスやよろこびにはほど遠い生活をしていたようにあなたの目には映っていたわけです。

しかしながら、親にとって質素であるということは、じつは満足の裏返しだったということに、子どもたちは気がつくことはありません。

たとえば、思春期のころのあなたは、「あの憧れの彼と結婚することができるなら、どんな貧乏な暮らしでも耐えられる。彼と一緒にいるだけで幸せ」などと考えたことはなかったでしょうか。

「彼と暮らす」ことが最大の欲求であり、それさえ満たされれば、ほかの欲求はなくなるような状態です。

親たちにとっては、子どもをもち、その子どもが幸せな暮らしをしているということが最大の欲求であり、幸せです。

それ以外の欲求は存在しないといっていいほど、あなたという存在には価値がありました。でも、当の本人は、それに気づいていないんですよね。

私はこの仕事を30年以上してきましたけれども、結婚したカップルの多くがびっくりするのが、「結婚すると、こんなにお金が貯まるのか」ということです。

つまり、二人で暮らすことがデートの延長のようなものになりますから、いままで、出かけては費やしていたお金がかからなくなるんですね。

二人でいる日常の満足感が高いほど、お金を消費するということも激減していくようです。

こんな言葉をよく聞きますよね。

「結婚すれば、落ち着くよ」

私たちはこれを“コミットメント”の言葉と呼びます。

コミットメントとは、決めたからには腹をくくって、そのことに精一杯取り組むという意味です。

ところが、“長すぎる春”にある人々は、結婚について前述のようなネガティブな思い込みをもっていると同時に、パートナーへの疑いをもっていることが少なくありません。

「この人よりも、もっといい人がいるのではないか‥‥」という疑いです。

そんなとき、「この人とやっていく」とコミットメントすることができれば、その疑いは消えます。

心を決めたあとは、よそ見をしなくなり、思考も「この人と、どんなふうに生きていこう」という方向にシフトしていきます。

その結果、「落ち着く」という状況が生まれるわけです。

「この人と結婚しようか、どうしようか‥‥」と、長年、足踏み状態にあるみなさん、「この人とやっていく」と決めることができたなら、少しずつ前に進んでいけるようになるようですよ。

一歩一歩の歩みでも、気づいたらだいぶ先まで歩いていたということになるのではないでしょうか。

では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

平 準司

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。