どうして女性に生まれてきたの?(2)~「弱い男は許せない!!!」~

エレクトラ・コンプレックスは、女性の、「男性にあるものが無い」というコンプレックスで、この「不足している」という概念をあらゆるものに投影するため、女性は男性に比べて自分は「足りない」「劣っている」と感じたり考えたりする傾向があります。

この不足原則に縛られて、必要以上に競争し、大切なパートナーをやっつけてしまうこともありますが、そもそも不足原則は誤解です。この誤解を解き、自分は欲しいものをすべて手に入れていいと思うのに、父親からの愛と承認を受け取ることが大切です。

女性の、「どうして私、男性にあるものがないの?!」というコンプレックスを「エレクトラ・コンプレックス」と言います。お父さんにあるものが自分にはないと知ったとき、素直に「私はお母さんと一緒」と喜べればいいのですが、「無い」ことを「自分は何か不足しているのではないか」と心は受け止めるようです。この「不足している」という観念をあらゆるものに投影するので、女性は男性に比べて、「何か足りない」「劣っているのではないか」という「不足原則」でモノを見たり、感じたり、考えたりする傾向があると言います。

「自分は何か不足している」と思うとき、不足しているから「人一倍頑張らなくちゃいけない」と思うタイプと、不足しているから「辛抱しなくちゃいけない」と思うタイプといます。

「人一倍頑張る」派は、「無い」ことのコンプレックスを努力で補い、乗り越えようとしますから、「私が男だったらこう生きるのに!」とばかりにあらゆる場面で男性と競争して頑張ります。「男に生まれてきたかった」彼女たちの男性への嫉妬が、カウンセリングルームでたびたび炸裂する「弱い男は許せない!!!」という怒りにつながります。

でも、もともとは「お父さんが大好き」な彼女たちですから本当は「男性が大好き」で、自分に無いものをもっている男性を、まるで偶像を崇拝するように崇めているフシがあって、本音は、「強い男性を頼り、甘えたい」のです。ところが「頑張りすぎ」で「負けず嫌い」の彼女たちの目には、恋愛対象になりうる自分を負かしてくれる猛者は見当たらず、いきおい、年齢の離れたオジさま(不倫が多い)か、大化けするかヘタレで終わるか一攫千金狙いの天才肌の一匹狼とのムズカシイ恋愛になりがちです。

せっかくパートナーシップを育むのにいいお相手と結婚したのに、「頑張りすぎ」と「負けず嫌い」が仇になり、つい夫と何かにつけて競い、「やり方」で戦い、夫を打ち負かしては、夫の家庭内での居場所や地位を奪ってしまうケースもよく見られます。これも、妻の心の中の、男性への高すぎる期待から勝手に夫にがっかりしてしまう、あるいは夫婦間の競争で完膚無きまでに相手をやっつけてしまうことで自分が一番欲しい「頼れるパートナー」を失う、という自分で自分の首をしめるような残念な展開です。

でも、そもそも「不足原則」自体が大きな誤解なのです。娘は自分では「足りない」と思い込んでしまったかもしれませんが、父親にとっては愛しい、愛しい娘。不足などあろうはずがありません。女性の恋愛とキャリアの成功にとって、父親からの愛と承認が大きな後押しになりますが、これは、娘は、父親にこそ「不足している」という自分の思い込みを否定してもらいたいと思っていて、これが自信の元になるからです。

男の子になりたかった女の子の願いは、「父親と一緒に遊びたい」、「父親と一緒に楽しみたい」、「同じ体験をしたい」です。それが女の子であるがゆえにできない、と思ったことが痛恨のハートブレイクなのです。「きっとお父さんもそうしたかったはず」と思う娘の気持ちと、家制度の名残などで男女の待遇が大きく違う、家業の後継を男子に求める親の想いが重なり、「女の子でごめんなさい」罪悪感が強化されてしまうようです。

「お前が男だったらよかったのに」という父親の言葉を、娘は「女の子に生まれてきてごめんなさい」という罪悪感のフィルターを通して聞きがちですが、そのココロは「娘に自分と同じ苦労や痛みを背負わせたくない」という男親の女の子を大切に思う愛なのではないでしょうか。

>>>『どうして女性に生まれてきたの?(3)~「女性性を受け取る」ってどういうこと?~』へ続く

この記事を書いたカウンセラー

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みずがき ひろみ

感情や感覚といった女性性をフルに使い、心のブロックを外すカウンセリングが得意。「目からウロコが何枚も落ちる」と見方が変わることに定評がある。 深層心理に眠る「願い」を掘り起こす「癒し」を通して、人生の豊かさを受け取りたい人の、恋愛、ビジネスでの自己実現をパワフルにサポートしている。