欲を持って生きるのも悪くない

欲があるから、問題や悩みから抜け出していくことができる

「何がなんでもこうありたい!」と強く望む欲は、心の余裕や自由がなくなり、自分を追い込んで苦しくしてしまうものです。
ですが、「何をしても無駄」「どうせ無理」と諦めきってしまうと、元気がなくなり、何をする気力も出てこなくなってしまいます。
欲自体は、悪い物ではなくむしろ私たちを幸せに向かわせてくれる原動力となるものです。
その持ち方や、叶え方によって、手放したほうがいい欲もありますが、欲を持って生きるのは、決して悪いことではないのです。

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欲というと、皆さんはどんなイメージを持っておられるでしょうか?
この心理学講座でも、何度も登場するテーマである欲ですが、ニーズや欲求と表現したりもします。

よく自分のニーズを手放しましょうというお話をしたりもしますので、欲を持つことはよくないことだと思っておられる方も多いかもしれません。
ですが、欲というのは、人間である以上持ってしまうものではないかとも私は思います。

確かに自分の欲にばかり注目して、相手や周りの状況を顧みないでいると、トラブルを抱えることも多いですし、自分自身も苦しくなってくるものです。

例えば、「何が何でも彼と付き合いたい!」とか、「私はこの仕事がしたいの!」と、自分の欲に頑なに執着してしまっていると、相手にとって負担になる可能性もありますし、他の人の都合や状況がそれを許さないことだってありますから、思い通りにいかなくて苦しくなってしまいます。
そうすると、その欲(ニーズ)は、手放していった方が、楽ですし、周りとの関係も良くなっていきます。

では、全ての欲をなくしてしまうのがいいのか?というと、そうではないと思うのです。

ある意味、欲は私たちの原動力でもあります。

「何もやりたいことがない」
「何もほしいものがない」
となると、とても気力が低下してしまうと思いませんか?
元気がなくなってしまうんですよね。

私たちの気力が低下して、やる気も元気もなくなってしまうときというのは、「何をやっても意味がない」「どうせ無理」というように、諦めてしまって、欲をもたなくなってしまったときでもあるのです。

ですから、欲はもっていても良いものなのです。
貪欲なほうが、元気にあふれて、行動力も出てきます。

ただし、その欲を満たしていくのは、自分であって、誰か他の人ではないということですね。

自分の欲を満たすために、誰かに迷惑をかけてはならないというのも、確かにそうなのですが、100%誰にも迷惑をかけずに生きるなんてことは、難しいと思います。
だからといって、盛大に迷惑をかけてよいということではないのですが、何事も100%を求めないというのが、心を追い詰めてしまわない方法として、とても重要ではないかと思います。

欲も100%なくさなくてはいけないなんて、考えないでいただきたいのです。
そんなことしてしまったら、何の気力もわいてこなくなってしまいます。

欲を手放して、今あるものだけに感謝して生きていくというのも、素晴らしいことだと思います。
でも、それにしたって「そうありたい」という欲求があるからこそ、成り立つのではないかと屁理屈めいたことを思うのです。

全ての欲を嫌って排除する必要はありません。

もっていて苦しすぎる欲や、誰かをとても傷つけてしまう欲は、手放していったほうがいいですが、そうでないならば、欲がある方が私たちの心や身体は元気に活動しはじめるのです。

「あなたの夢は何ですか?」と、問題や悩みを抱えて行き詰ってしまっておられる方に、カウンセリングでもお伺いすることが多々あります。

これは、その夢を持つことが、問題や悩みから抜け出していくための原動力になるからなのです。
夢も「こうなりたい」「こうありたい」という欲求ですよね?
欲があるから、問題や悩みから抜け出していくことができるとも言えるのです。

欲、欲求、ニーズ・・・様々な言い方がありますが、悪い物ではありません。
その持ち方や、叶え方が大切です。

苦しむために持つものではなく、幸せになるために持つものであり、誰かに叶えてもらおうとするのではなく、主体はあくまでも自分です。

もちろん、時には自分以外の誰かがあなたの欲求を叶えてくれることだってあります。
そんな時は、「ありがとう」と感謝することが大切ですし、あなたが誰かの欲求を叶えてあげたっていいのです。

(完)

この記事を書いたカウンセラー

About Author

大門 昌代

恋愛や結婚、浮気や離婚など男女関係、対人関係やビジネス関係、家族関係や子育て、子供の反抗期、子離れ、親離れ問題など幅広いジャンルを得意とし、お客様からの支持が厚い。 女性ならではの視点と優しさ、母としての厳しさと懐の深さのあるカウンセリングが好評である。PHP研究所より2冊出版。