跡継ぎの重圧

相談者名
もこまる
 いつも興味深くホームページを拝見しています。私はパラサイトシングル31歳です。
私の家は由緒ある家柄(自分で書くのもなんなんですが…)らしく、長女である私は、物心がついたころから「いい跡継ぎになりなさい」「いいお婿さんをみつけなさい」と親戚中からいわれ続けました。そのせいか、自分がしたいことより親が喜ぶことを選び、いい子いい子できてしまったような気がします。心のどこかで、親は私を跡継ぎという目でしか見ていなくて、私そのものに対して愛はないんだろうな、ともずっと思っていました。
その影響があるのか、結婚を考えるとき恋愛の延長には考えることができません。結婚に魅力を感じず、付き合った人から結婚の話が出ると、逃れたくなるのです。とっても愛しているからこそ、我が家の婿に入り苦労させたくない、と思ってしまうのです。
年齢からみても、妊娠出産を考えても、まわりの風当たりが強くなってきました。実際私も子供は欲しいので結婚願望はあります。ただ恋愛の末の結婚ではなく、見合いとか親の紹介とかになるのかな、という感じです。早く結婚しろ、というのなら早くつれてきてよ!という心境です。友達にはそんな考え寂しい、といわれます。けど生まれながらにして逃れられないことなんだと思っています。けど本当は苦しいんですよね…。
長々とすみませんでした。よろしければいいアドバイスをお願いします。
カウンセラー
清水三季央
もこまるさん、はじめまして。
カウンセラーの清水三季央です。ご相談ありがとうございます。

ご両親からの期待が重く肩にのしかかった人生を歩まれてきたんですね。そして、期待にこたえるために
良い子でなければならないとがんばってこられて、もこまるさん本来の自分をなかなか表現することもで
きなかったのではないでしょうか。

>心のどこかで、親は私を跡継ぎという目でしか見ていなくて、私そのものに対して愛はないんだろうな
>ともずっと思っていました。

さらにご両親からの愛がないと感じながら、それでも、生まれながらにして逃れられないことだと、自分
に言い聞かせ、何十年と窮屈な感覚を持ちながら耐え忍んでこられたわけですから、心が苦しさを感じる
のも当然だと思います。

>結婚を考えるとき恋愛の延長には考えることができません。結婚に魅力を感じず、付き合った人から結
>婚の話が出ると、逃れたくなるのです。とっても愛しているからこそ、我が家の婿に入り苦労させたく
>ない、と思ってしまうのです。

そして、もこまるさん自身が苦しい思いをしている家族の中に、恋愛相手を迎え入れることなどできない
という思いに至って、せっかく結婚の話を切り出してくれた恋愛相手や、女性にとって幸せであるはずの
結婚も遠ざけてしまっていたんですね。

>年齢からみても、妊娠出産を考えても、まわりの風当たりが強くなってきました。実際私も子供は欲し
>いので結婚願望はあります。ただ恋愛の末の結婚ではなく、見合いとか親の紹介とかになるのかな、と
>いう感じです。早く結婚しろ、というのなら早くつれてきてよ!という心境です。友達にはそんな考え
>寂しい、といわれます。けど生まれながらにして逃れられないことなんだと思っています。けど本当は
>苦しいんですよね…。

「生まれながらにして逃れられないこと」だと自分に言い聞かせないとやってこれなかったかもしれませ
んが、本当はこの状況を抜け出したいですよね。

もこまるさんのような心の状態のときは、ご両親の期待にこたえてしまい、自分の気持ちを置き去りにし
てしまう長年の習慣から、心のパターンができあがっているわけですので、両親のような人物がいる場面
はもちろん、ひとりきりの自由な場所だとしても、自分の気持ちを置き去りにした行動をなっていること
とってしまうことが多いんですね。そして、悲しいことに自分の望んでいない事柄に囲まれることになっ
てしまいます。ですから、まずは、もこまるさんがひとりでいるときのふだんの行動の中で、自分の気持
ちにしたがう行動を意識して、少しずつ、それをふやして、自分の気持ちしたがう心の習慣を身につけて
いくのが効果的だと思います。

最終目標は、両親を目の前にしてコミュニケーションをしているときでも、自分の気持ちにしたがうこと
もできるようになることです。そうすれば、結婚に至るまでの家族との話し合いや、結婚してからの生活
でも、自分の気持ちを置き去りにしてしまうようなことがなくなり、周囲と自分の気持ちのバランスのい
い折り合いをつけやすくなるでしょう。

さらにステップアップするとしたら、ご両親やご家族を理解し、受け入れることができるようになること
で、恋愛相手とも結婚生活を楽しめるだろうと希望をもてるようになります。ですが、まだこの部分には
抵抗感があるでしょうから、今は考えなくてよいかと思います。

また、恋愛相手との関係が現在も続いているものであれば、2人の関係を深めることも役に立ちます。2人
の間の信頼関係がより深まれば、より多く、彼と家族の事情についてコミュニケーションできますから、
彼を頼りやすくなり、もこまるさんの気持ちもきっと楽になるでしょう。彼が家族の事情を2人で乗り越え
ていこうとサポートにまわってくれることもあるかもしれません。(この部分はもこまるさんからの情報
が少ないためある程度、私の方で推測してお答えしていますので、実際とずれがある場合もあるかと思い
ますが、ご了承下さいね。)

もこまるさんが自分で対処できることはたくさんありますが、それでも、今までの何十年と蓄積された苦
しみや疲労感から、自力でできない場合もあるかと思います。そんなときも、どうぞ一人でかかえこまな
いでほしいんです。まずは一旦、カウンセリングなどでその苦しみを吐き出し、心を解放させて、気持ち
がおちついてから、もこまるさんのペースでとりくんでみて下さい。

最後に、もこまるさんが望む人生を歩んでいけることを願っております!

清水三季央

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛・夫婦などの男女関係、家族の問題、アダルトチャイルド、仕事や対人関係、メンタルヘルスなど幅広いジャンルでカウンセリングとセラピー(イメージ療法とコラージュ療法)を行う。約2万件以上の臨床実績と、高等学校教諭一種免許・産業カウンセラー・国家資格キャリアコンサルタントの資格を持つ。