PTSD(トラウマ)

 

相談者名
天真爛漫
私は30歳になる女性です。
中学生の時に仲の良い友達からある日突然急にシカトされ最終的にはクラス全員からシカトされるいじめに合いました。
いじめられた事は自分の悪い所を気付かせてもらえた良い経験の一つだと思っているのですが・・・。
10年程前から自分でも理解出来ない不思議な症状(?)が度々起こるようになりました。それは急に人が恐くなり連絡も出来なくなります。この恐くなる人と言うのはそれまでは仲良くしていた友達や同僚等です。逆に全然見ず知らずの人には恐怖は感じません。友達は心配して電話やメールをしてくるのですが何も答える事が出来なくなります。こういう事が今まで何度か起こりました。その時によって恐怖を感じている期間は違います。1日で大丈夫になる時もあれば何ヶ月もかかる時もあります。1日程度で恐怖感から開放される時はいいのですがなかなか恐怖感から開放されない期間が長引くともちろん自分も辛いのですが周りからの信用もなくなりますし理由も説明出来ないのでかなり不信がられてしまいます。そんな自分が嫌で嫌でしょうがないです。悩んで悩んでネットで調べていたらPTSDの症状に良く似ていました。私の場合おそらく中学生の時のいじめられた事がトラウマになっているのだと思います。考えてみるとどんなに仲良くなっても心のどこかで嫌われるんじゃないかという不安感が付き纏っています。その為人の顔色を伺って嫌われない様に嫌われない様に常に人の反応や言動に敏感になってしまっています。とても辛いです。
トラウマを克服する方法を教えて下さい。
よろしくお願いします。
カウンセラー
大門昌代
今回担当させていただきます大門と申します。
どうぞよろしくお願いします。中学時代にクラス全員からシカトされたのは、とてもつらかったでしょうね。
きっかけは、仲が良かった友達のようですし、当時のショックは相当大きかったと思います。
そんなつらい経験を、「悪いところを気づかせてもらえた良い経験の一つ」と言える天真爛漫さんは、とても素晴らしい人だと思います。
ですが、そう言えるようになるまでは、時間がかかったでしょうね。
シカトした友達やクラスの人達に対して、怒りを感じたり、その状況に言いようのない悲しみを感じたりもしたかと思います。
寂しかったでしょうし、本当に孤独でつらかったでしょうね。
「また、あの時のようなことになったらどうしよう・・・」そういう思いがあっても仕方ない経験をされたのだと思いますよ。

今、突然感じる恐怖は、天真爛漫さんがおっしゃる通り、中学時代に感じておられた恐怖ではなかと思います。
仲が良い友達に急にシカトされたわけですから、「また、突然シカトされるかもしれない」そんな恐怖をずっと抱えてこられたのでしょう。
そうすると、仲が良くなればなるほど、「あの時」のことが心の奥で騒ぎだすのです。

天真爛漫さんは、「あの時」のことを、「自分に悪いところがあったから」と思っておられるのかもしれませんね。
そう思うことで、周りのお友達を責めないようにされたのだと思います。
人を責めないようにすることは、とても素晴らしいのですが、代わりに自分自身を責めるようになったので、「いつか嫌われてしまう自分」を抱え込むようになったのではないかと思います。

もしも「いつか嫌われてしまう自分」というのがあるのだとしたら、誰かと仲良くなればなるほど、その嫌われてしまう自分を、隠しきれなくなってしまいます。
そして、嫌われてしまう自分を仲が良い友達に見つかってしまうことは、ものすごい恐怖となります。
なぜなら、見つかってしまえば、また「あの時」のように、シカトされるのではないかという恐怖を感じるからです。
人の顔色をうかがったり、嫌われないように気を使うのは、天真爛漫さんが抱えている嫌われてしまう自分が、見つからないようにするためなのかもしれませんね。
ですが、隠しても隠しても、嫌われてしまう自分はなくなりません。また、見つかってしまう恐怖も残念ながらなくならないのです。

ですから、このつらい状況を乗り越えていく為には、天真爛漫さんが「いつか嫌われてしまう自分」と思い込んでいる、本当の自分の姿を、誰かに受け入れてもらうことが必要なのです。
隠している自分を見せずに、いくら仲良くなったとしても、「本当の私のことを知らないからでしょ」となってしまい、本当の自分の姿を見たら、きっと嫌いになるに違いない、きっと友達は去って行くに違いないと、ずっと恐怖を感じてしまうことになります。
そして、嫌われるぐらいなら、自分から距離をとった方が、楽だと思いますので、自分から友達と距離をとるように、連絡をとらなくなったり、何も話さなくなったりしてしまうのでしょう。
もちろん、そんなことは意識的にやっていることではないので、天真爛漫さんとしては、なぜ自分が友達に対して急に恐怖を感じて、連絡もとれなくなるのかわからないかと思います。

ある意味、「あの時」のように仲の良い友達に嫌われてしまわない方法として、友達と距離をとり、嫌われてしまう自分をみつからないようにしているとも言えるのです。
心の防衛本能ですね。

天真爛漫さんの気持ちを、まずは一人でいいですので、話してみませんか?
「中学時代に急にシカトされたことがあり、それ以来、人と仲良くなればなるほど、怖くなってしまう」と言うことを、今現在の友達のうち一人にお話しになってみてください。
クラス全員からシカトされるということは、とても孤独で、誰とも繋がりがなかった状態とも言えます。
その傷を癒していくために、まずは孤独から脱出することが大切です。
「あの時」は、誰も一緒にいてくれなかったかもしれませんが、今ならわかってくれる人もいるかもしれません。

恐怖を感じていることも、説明しようとしても、うまく話せないことも、全て話してみるといいのかもしれません。
何も隠さないでいることが大切ですね。
全てを話して、何も隠さない状態で、それでも受け入れてくれる人がいたら、どんな気持ちになると思いますか?
孤独から開放されていくのです。

とは言っても、恐怖を感じておられるときは、誰かと話せる状態ではないかもしれません。
特に、お友達には話せないかもしれませんね。
もしそうならば、カウンセラーを使ってみて下さいね。
カウンセラーに、あの時の悲しみや、寂しさ、孤独を話して下さい。
そして、今現在、どれほど恐怖を感じているのか、どれほどつらいのかも話してみてください。
もしかしたら、お友達に話すよりも、楽に話していただけるかもしれませんよ。

孤独の中で傷ついた経験ですから、誰かとの繋がりで癒していければいいのではないかと思います。

この度は、ご相談いただきありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

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恋愛や結婚、浮気や離婚など男女関係、対人関係やビジネス関係、家族関係や子育て、子供の反抗期、子離れ、親離れ問題など幅広いジャンルを得意とし、お客様からの支持が厚い。 女性ならではの視点と優しさ、母としての厳しさと懐の深さのあるカウンセリングが好評である。PHP研究所より3冊出版。