今あるものに価値を見てみよう~自立から相互依存へのステップアップ~

自立すればするほど、今自分が手にしているものに価値を感じられなくなります。

そんな無味乾燥な世界を抜け出す見方をご紹介。

私達は大人になれば少なからず何かに対して自立しているものです。
「自立」というのは「一人で頑張る」という姿勢。
それも必要なことですが、一人でやりすぎるとやがては“デッドゾーン”に行き着きます。
そこでは価値や魅力を感じられず、心が麻痺してしまったような状態で、無気力にもなりやすいんですね。

今回はそんな自立の姿勢から抜け出して、相互依存のステップへと進む見方をお伝えします。

●“自立”が邪魔するもの

自立すると一人でどんどん頑張ろうとしてしまいます。
そして、その頑張り方は「こんなんじゃダメだ!もっと頑張らねば!」とスパルタ式を採用することが多いんですね。
そこでは人に対して横柄な態度や自信満々な態度を取っていたとしても、内面ではそんな自己嫌悪と自己否定の塊になってしまうことも少なくありません。

そんな時はお給料をもらっても「なんだ、これっぽっちか・・・」とか、
物事がうまく行っても「これ如きで、満足してはいけない」とか、
すごくすごく自分に厳しくなっていきます。

「厳しくなる」というのはまだいい言い方でして、実際には自分が手にしているものを否定し、価値や魅力を感じられなくなっているんです。
即ち、心(感情)が麻痺してしまっていることも多いんですね。

それではせっかく素晴らしいものを手に入れていたとしても、まるでそれが無いように振舞ってしまいますし、どれだけ成果を挙げても満足感や充実感に心が満たされることはありません。
むしろ、空虚感で心がいっぱいになって、無気力になり、そして、やがては燃え尽きてしまうこともあります。

それはモノやお金だけでなく、人に対しても同じです。

自分を否定するから、自分に近い距離の人(パートナーとか家族)に対しても、同じように否定的な見方をします。
すると、だんだん「自分にはもっと相応しい人がいるのではないか?」とか思い始めて、他の異性を探すようになることも少なくないんですね。

実際多くの別れや浮気の問題はこうしたタイミングで生まれてきますし、会社を辞めたくなったり、遠くに逃げたくなるのもこういう時期なんです。

だから、相手がどれだけ愛情を注いでくれたとしても、そんなときは全然受け取れないし、むしろ、うっとおしいものに感じてしまうものです。

でも、そこで実際別れたり、会社を辞めてしまうと、後悔したり、引きずることが多くなります。
本当はすごく大切で、価値のあるものなのに、それが見えなくなってしまっていたからなんですね。

●感謝を贈る気持ちを持つ

ただ、こういうことは頭で分かっていたとしても、なかなか心は付いてこないものです。
それゆえに、結構同じ過ちを繰り返してしまう人もいます。
失敗することは何も悪いことではなく、そこから学んで成長すれば乗り越えられるのですが、自己否定的な状態では自分の変化や成長も受け取ることができなくなります。

どれくらい頑張っていても、どれくらい成長したとしても、それをちっぽけなものとして扱ってしまうんですね。

自分がそんな悪循環にはまってしまってるなあーとか、はまりそうだなあーというときは、まずは意識的な変化にチャレンジしてみましょう。

まずは、今自分が手に入れているものに感謝してみます。
“感謝”というのは、そのものの価値を認め、ただ受け取ることです。
そして、感謝は素直さ、謙虚さをもたらしてくれ、自分自身をナチュラルな状態へと導いてくれるものです。
「ありがとう」という言葉に、それくらい大きな効果があるんですね。

パートナーに感謝を伝えるのもいいですし、給与明細をもらったら、どんなに金額が少なく感じられたとしても「ありがとうございます」と頭を下げたり、自分の着ているもの、身に着けているアクセサリ、一つ一つに感謝してみましょう。

まずは、形からだけでもOKです。

今、あなたの身の回りの人・モノを見つめてみましょう。
その一つ一つに「ありがたいなあ」との気持ちを贈ることができたとすると、きっと心はほっとして、安らぎを手に入れられることでしょう。

●関係性をステップアップするために

自立の立場にい続ければ、相手の価値が見えなくなってしまいます。
男女関係ならば、付き合い始めてから何年も経てば相手に魅力を感じなくなって、他の相手に意識が向きやすくなります。
大志を抱いて入社した会社であっても、何年も勤めれば「ここにしても先はないよ」と情熱を失い、別の会社に移りたくなることもあるでしょう。

もちろん、別れや転職を否定するわけではありません。
ステップアップのために必要なこともあるでしょう。

でも、否定的な理由で別れを選んだり、仕事を変えてしまうと、やはり何年か先には同じ感情が再び出てくるようになります。

それは自分自身の内面に問題があるからなんですね。
つまり、自立的になって自分に厳しくしたり、否定的な目で自分や相手を見るようになること事態が問題なんです。

例えば、とても美しい彼女と付き合い始めたとしても、それに慣れてしまえば全然、その美しさに価値を感じなくなります。
当たり前になってしまって、マンネリ化するんですね。
それは自分の見方が単一的になってしまっていることを表しています。
美しさのほかに魅力を感じられない自分がいるのかもしれないし、欠点ばかりが目に付くのかもしれません。

そうすればぞんざいに彼女を扱うようになって寂しさを与えてしまうことにもなりますし、他の人に目が移りがちになってしまいます。
そう感じることは決して恥ずかしいことではありません。
変化するのが怖い分、誰でも単一的に見たい心理もあるんです。
「あいつは○○な奴だ」と決め付ければ、もう振り回されなくて安心するようなものです。
でも、それを「仕方のないこと」とか「相手のせい」にしないことがポイントです。

そこでもう一度相手の価値や魅力を見つめてみましょう。
感情的には魅力を感じなくなっていることは事実なんですよね。
それを否定する必要はありません。

でも、それを変えるためには、初心にかえったり、別の角度で見たりするなど、自分を変える必要が出てきます。

仕事や趣味に対しても同じことが言えます。
あなたが自立的に振舞えば振舞うほどこのデッドゾーンはやってきます。
そこで改めて周りの人たちや手にした報酬に価値を見てみましょう。
自分の見方を広げる良いチャレンジだと思ってください。

それはしんどかったり、めんどくさいと感じるものかもしれませんが、自分の視野を広げ、可能性を大きくするチャレンジになるんです。

そこを越えたとき、“相互依存関係”という、より楽で、自然で、かつ、とても充実した関係性を作り出すことができるのです。

そのための新しい見方が「相手の価値を改めて見つめなおしてみよう」ということなんです。
そして、その価値を認め、パートナーであることを感謝できるようになったとき、このデッドゾーンを抜け出しているあなたがいるんですね。
そして、関係性を大きく変えていくことができるようになり、あなた自身の器をより大きくすることに繋がっていくのです。

もし、今、当たり前すぎて有難みを感じないものがあったとしたら、それを取り上げて感謝の気持ちや価値を見つめ直すレッスンを始めてみましょう。
きっと新しい気付きや発見がやってくるはずです。

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