関係性に変化を起こす方法(3)~自立と依存の逆転劇「仕事の問題」~

自立と依存がひっくり返るときは関係性に危機が訪れます。

それまでの気持ちに変化が起こり、振り子のように逆の方向に振れるからです。ですから、依存側からスタートした当初の問題もこの状態にやってくると自分にも選択権が回ってきます。すなわち、自分がどうしたいのか?を発揮できるのです。
今回は夫婦問題に加え、仕事でのテーマにも踏み込みつつ、お届けしたいと思います。

●自立と依存がひっくり返るとき

自立と依存がひっくり返る瞬間というのは、一番関係性が崩れ易い場面でもあります。
それまで自立側にいた人は、依存側に落ちて惨めな思いをするのはいやですし、依存側に居る人も、自立側に回って楽になりたいと思うからですね。
これが自立側にある「競争」であり「パワーストラグル」という主導権争いなんですね。

※一方、依存の立場を取り合う競争もあります。すなわち、依存側にいて相手に面倒を見て欲しい、というニーズで競争します。共依存もこれに当たります。

だから、浮気されて依存側にいた奥さんが自立してくるのは、旦那さんからすれば、自分の立場を脅かす存在になりうるわけで抵抗心が芽生えます。
と同時に、自立してきた奥さんにとっては「何でこんな問題を引きずらなあかんねやろ?」と一気に離婚の方に意識が向いたり、意識的ではないにせよ、別の男性が現れることも少なからず出てきたりします。

数ヶ月前は「離婚は絶対イヤだ。なんとしてもやり直したい」と思っていた方が、「今は離婚してもいいかも。やり直せるとは思えない」と変わっていくんですから、人の心は不思議なものです。

でも、こうして自立と依存の立場がひっくり返れば、こちら側に優位に話を進めていくことができます。
つまり、以前は絶対にタブーだった「あたしと別れるか、あっちと別れるか、3日以内に決めなさい!」という最後通告も、自立側にたった今は有効な復縁手段になるんですね。
そうすると、自分の立場としても、結婚生活を続けても幸せになれるし、別れても幸せになれるだろう、じゃあ、どっちを選ぼうか?という状態になるのです。

つまり、自分自身に選択権が回ってくるのです。
よくこうした問題をカウンセリングさせていただくとき、「最後は奥さんが選択することになりますからね」というお話をさせていただくんですね。
それは、この状況を見越してのことなのです。

●自立と依存の逆転劇(2)~仕事の問題に対処する~

例えば、このテーマを仕事に転用してみましょう。
会社といっても、そこは上司だったり、人事だったり、人が動くところですから、人間関係の問題として捉えられます。

辞めたくなる、文句が出てくる、色々と会社や組織のアラが見えて辞めたくなる、というのも、実は会社に対する依存的な立場を示唆します。
というのも、自立側の立場(多くは経営陣)は、もしアラが見えても「何とかしよう」という力を持ちますし、「辞める」以外にも選択肢を多く持っているからなんですね。
愚痴を言うのは気持ちよくないものですが、愚痴が言えるというのは依存させてくれる会社があってのことです。

#経営者がこの問題にぶつかるときには、個人vs会社というよりも、個人vs社会という関係にあることが多いです。

では、次回はこのテーマについて詳しくご紹介していくことにしましょう。

 

>>>次回『関係性に変化を起こす方法(4)~乗り越えられない問題はやってこない~』に続く

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