大切な人を亡くしたとき~感謝と許しを持つ意欲~

突然、大切な人を亡くすと大きな心理的ショックを受け、時に「なぜあの時○○できなかったのだろう・・・」「もっと○○してあげればよかった。」と強い後悔に苛まれるものこともあるかと思います。

そんな時、私たちは強い喪失感を感じますし、時に私たちは自分を責め、自分の行動を自ら批判し、まるで誰よりも自分が悪い人間であったかのように、自分を罰することがあります。誰かを助けられなかった、という「無力感」が強い度合いだけ自己攻撃も激しくなるものなのです。
この自己攻撃のルーツは子供時代の心理パターンが元になっていることが多いのです。

なのでまず、自分の過去の心理パターンを理解し癒し、自分を許すことが大切です。そのために、大切な人からあなたに向けられてた愛情に、感謝する気持ちを持つことが、自分を許すプロセスの始まりなのです。
そして、あなたの中にある、大切な人に感謝と愛を捧げること。その感謝と愛情を持つ意欲が、自分を責め、後悔に苛まれる自分を癒してくれます。

◎リクエストを頂きました◎
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昨年の暮れに母の検査の付き添いに行きました。
その帰りに、母は急に意識を失い、その後病院に引き返しましたが、意識が戻らず永眠しました。
家族の誰も責めてはいないのに、「あの時私がちゃんとしていたら・・・」と思い、ずっと自分のことを責め続けてしまいます。
どうしたら、前に進めるようになるのでしょうか・・・?

同じように大切な人を亡くして前に進めなくなっている人もいるのでは?と思いリクエストさせていただきました。

(一部編集をさせていただきました)
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リクエストをいただいたように、突然、大切な人を亡くすと大きな心理的ショックを受け、時に「なぜあの時○○できなかったのだろう・・・」「もっと○○してあげればよかった。」と強い後悔に苛まれるものこともあるかと思います。

このようなときは、まずその辛い気持ちや心の痛みをじっくり癒すことが最優先に考えていただきたいと思います。ご自分を責めず大切に扱っていただきたいと思います。

今回はその上で、大切な人を失った悲しみや辛さから、なぜ人は強い後悔の念に駆られたり、自分を責めてしまうのか?そして、自分が前を向くためにはどうしたらいいのか?について、私なりに書いてみたいと思います。

自己攻撃の裏に隠れている感情。

今回のリクエストをいただいたように大切な人を失うと、私たちは強い喪失感を感じますし、時に私たちは自分を責め、自分の行動を自ら批判し、まるで誰よりも自分が悪い人間であったかのように、自分を罰することがあります。

ここで自分が感じている感情は「罪悪感」。何もできなかった、失敗してしまった、過去にベストを尽くさなかった、と思う自分を罪人であるかのように責めてしまうものなのです。

しかし、どこかで自分を責めてもどうしようもないことは、ご理解されている方がとても多いんです。どこかでずっと「自分自身を許せないままでいる」といった感じでしょうか。

ここで一つのポイント。

自分を責めてしまう時、罪悪感を感じていると書きましたが、実はこの罪悪感の下に、ある感情が隠れていることがとても多いのです。

それが「無力感」という感情。自分は誰かの役に立っていない、誰かを助けられなかった、という思い。

私たちはどこかで、この無力感を感じたくない、認めたくないと思った度合いだけ「罪悪感」という感情を使って自分を責めます。それぐらい無力な自分を嫌っていたり、苦手にしている、または、許されるわけがない、という思いがあるのかもしれません。

■「マジカル・シンキング」という言葉。

マジカル・シンキングという言葉があります。これは幼少期の子供が両親の病気や死別などを経験した際に、「これって自分のせいじゃないのか?」「自分が悪い子だったからこうなったのでは?」と、因果関係がない理由を信じ込んでしまうことを表した言葉です。

今回リクエストをいただいた内容を読ませていただくと、このマジカル・シンキングと同じような現象が起きているようにも考えられないでしょうか。

例えば、今起きている現実は、実は予測不可能であったことであったり、どれだけ注意を払っても回避できなかったことがあったり。いろいろあると思います。

しかし、今の現実が自分のせいであると強く感じてしまうとすれば、このマジカル・シンキング的な発想が自分の中に心理パターンとして存在するとも考えられるんですよね。そしてこのルーツは私たちの子供時代にあると考えることができます。

例えば、私たちが子供だったころ。

「悪い子」の私は愛されないと思ったり、「役に立っていない私」は愛されないし、必要とされないと思うことってなかったでしょうか?場合によっては、自分が悪い子だったから誰かが苦しむ、不幸になる、といった発想を持つ場合もあります。

すると、私たちは「何もできない、頑張れない自分」をとても嫌うようになります。だから無力であった自分を責めるのですね。そして、この部分が今の自分の中にずっと存在している可能性があるのです。

つまり、これから前を向いて生きるためには、「過去の自分が抱えた誤解を解く」ことが大切です。すなわち自らの心理パターンを理解し癒し、自分自身を許すこと。

どれだけあなたを周囲が許したとしても、自分自身が自分に無罪を言い渡さなければ、自分を責めずこれから前を向いて生きることは叶いませんし、罪悪感や無力感という感情の効果の一つは、あなたに愛や感謝を感じさせないこと。あなたを酷く辛い感情の海に沈めてしまうだけなのです。

■前を向いて生きるために「感謝」する。

大切な人を失う。本当にお辛いでしょうが、こういう時こそ、勇気を持って思い出していただきたいんです。

「あなたの大切な人が、あなたに今まで与えてくれたものは、どれぐらいあったのでしょう?」

そして、「これほどまでに自分を責めてしまう自分に、大切な人を思う愛がないわけがない」と。

心理学では、罪悪感や無力感を癒すメゾットは、感謝と許しと言われています。

まず、あなたに向けられた愛情に、あなたが感謝する気持ちを持つことが、自分を許すプロセスの始まりです。
そして、あなたの中にある愛情の部分を感じ、大切な人に感謝と愛を捧げること。その感謝と愛情を持つ意欲が、自分を責め、後悔に苛まれる自分を癒してくれるのですね。

ただ、この「感謝をすること」は、時にとっても難しく感じることがあるんです。

何故なら、大切な人を思えば思うほど、愛と感謝を感じると同時に、痛みも感じてしまうことがあるからです。喪失感、寂しさ、分離感、後悔、罪悪感、無力感、いろいろな感情が出てくることがあるんですね。一人で向き合うことが過酷になることがあるんです。そんな時は焦らず、誰かのサポートを受け取ろうと考えてみてくださいね。

以上、皆さんの参考になれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

浅野 寿和

年間400件以上の面談カウンセリングを行う実践派。「男女関係向上・男性心理分析」「自信・自己価値向上」に独特の強みをもち、ビジネス・ライフワーク発見なども対応。明快・明晰かつ、ユーモアと温かさを忘れない屈託のないカウンセリングは「一度利用するとクセになる」と評され、お客様の笑顔が絶えない。