相手をコントロールしないネガティブコミュニケーションの方法

相談者名
小春
初めまして。いつも大変参考にさせて頂いております。
以前、ネガティブコミュニケーションの方法について分かりやすくポイントを挙げていらっしゃいましたが、一人で実践するのはなかなか難しいように感じましたのでご助言を頂きたいと思います。私の長所は温厚で誠実といった点にあると思いますが、その一方で消極的で他人に振り回されやすいという短所もあります。
その為、気がつけば相手のわがままに迎合していたり、相手から軽く扱われることも少なくありませんでした。
これからは相手だけではなく、「自分もOK」という態度に変えていきたいと思っています。

そこで私自身の考えを相手に伝える事から始めようと思っているのですが、相手をコントロールしてしまう表現になりそうで、怖くて実践できずにいます。
例えば、勤務先に攻撃的な言葉を使う男性メンバーがいて、お客さんの身体的な問題(手の振るえをコントロール出来ない方)を笑ったり、他のメンバーの行動を揶揄したりけなしたりします。
不満で一杯な人なんだなぁと客観的に見るよう心がけていますが、「あいつ今日も手が震えていたよね」とか「(メンバーの事を)最低だよな」と私に意見を尋ねてくるので、困っています。

また、妹は資金を稼ぐために朝から晩までほぼフルタイム働いているのですが、疲労がたまっているからなのかよく八つ当たりをしてきます。
私や家族くらいにしか甘えられないんだろうと思いますが、時々話しかけても無視されるので、コミュニケーションが成り立たず悲しい気持ちになります。

私は、勤務先の人には人を傷つけるような事を言わないで欲しいと思いますし、妹には疲れているのは分かるけれど無視はしないで欲しいと思っています。けれど、そのまま言葉にすることは私の考えを押し付けることになるのだろうかとも思います。
どういう対応をすれば、私も相手もOKという風になるのでしょうか。

カウンセラー
寺島やすこ
初めまして、小春さん。
カウンセラーの寺島と申します。
ご相談、ありがとうございます。なるほど。。。。メールの文面を読んで、小春さんの優しさをいっぱいに感じました。
他人を攻撃したり、八つ当たりする人は、確かにその方自身が不幸なんですよね。
小春さんは、そこの部分ののことをよくわかってらっしゃるので、感心いたしました。

さて、それでは相手をコントロールしないコミュニケーションの方法ですが、
具体的には人それぞれのやり方があると思います。
そこに正しい、間違ってるとか、ただ一つの正解はないと私はも思うんですね。
小春さんなりに自分が相手だったら、こうして欲しいということで良いと思いますよ。

でも、極論してそう言いつづけてしまうと、選択肢が増えていかなくもなってしまいますので、
私自身が採用している方法をいくつかご紹介しますね。
小春さんが、「あ、それはいいなぁ~真似してみよう」と感じられたら、
ぜひ、採用してみてください。
もし、「うーん、違うような気がする」と思ったら、しなくていいですよ。
どんな方法を採用するかは、その人の選択の自由に任されていることが、
つまりは相手をコントロールしないということなんですね。

①イヤなことをされたり、話しかけられたら、その場からすぐ離れる

無理して共感したくないことを共感させられたと犠牲を感じて、
自分がつらくなりすぎたり、相手を責めたくなってしまうと、
逆にお互いにとってマイナスですよね。
そういう時は、「あっ、ちょっとトイレいってきまあす」と(ウソでOKです)
「早く帰らないと見たいテレビがぁ~」という理由など使って、
その場からすぐ立ち去ります。
目の前にいなければ、相手もそれ以上話かけようとはしないでしょう。
そして、大事なことは、相手の言ったことを、すぐ忘れてあげること。
そして、今あるエネルギーはすべて自分のしたいことに集中することです。
必要以上に、相手がどうにかなってくれないかと、考え込みすぎたり、
そのことで自分までが不幸な気分になってしまうことは、
相手に自分からすすんで、自分の心の自由やエネルギーを放棄して、
相手にゆだねようとしていることになります。

どんなに大切な相手であろうと、相手は自分以外の人間なのです。
人間は自分自身のことに関してだけは、チャレンジすることによって、
コントロールすることは可能ですが、他人のことは、コントロールできません。
つまり、人は相手の幸せを祈るという行為はできますが、
誰かを幸せにするということはできません。
太陽を西から昇らせるようとか、犬をネコにすることができないのと一緒です。
ですから、できないことを悩むのはもったいなくありませんか?

② 離れようとしているのに、それでも相手が追いかけてきたり、
(物理的に)相手に監禁された場合には、
本気ではなく、自分を守るために、威嚇して怒ります。
または、もっと権威のある人に助けを求めます。

勤務時間中は、なかなかその場を離れることができませんよね。
そういう時に、相手にイヤなことを言われたりするとなかなか離れることもできず、
つらいこともあるでしょう。
そういう時は、もっと強い人や権威のある人に困っていることを相談し、
サポートを求めるのも一つの方法だと思います。
1人でなんでも解決しなくて良いんですね。

でも、それでも、そういう強い人たちにいつも側にいてもらえないこともあるでしょう。
そうなったら、「怒ってみせる」のは、とても効果的ですね。
自分の身を守るために時には怒ってみせることもできることは大事です。
電車で痴漢にあってるのに、笑って逃げ出さないのは、
成人以上の方の場合は被害に会いたいとも思われかねないことあるのですから。

けれども、「怒って見せる」ことが苦手な方は、
まずは「とぼけて見せる」から試されてみるのも良いと思います。
「耳が遠くなって聞こえないふりをしてみせる」
「全然違うトンチンカンな回答をしてみせる」
「体の具合が悪くなったふりをする」
なども有効な方法です。
仮にそれで相手から頭が悪い人と思われたとしても、
逆にそれはそれでしめたというものです。
これは軽く扱われているのではなく、軽く扱わせているのですから、
それはまったく違います。
主導権は自分で握っているのですからね。

究極的に大事なポイントは、とにかくその場をいったん離れることです。
自分を大事にできるということは、自分を大事に扱わない場所からは、
断固として自分から離れることができること。
そして、自分を大事にしてくれる友人、職場、仕事、恋人をきちんと選びましょう。
偶然血縁だったから、偶然職場の同僚だったから、
という理由だけで、自分の意志で価値をを認められない相手をやたら大事にしすぎたりする、
そのような習慣はあらためられるほど、楽になれます。

決して血縁者、職場の同僚を粗末に扱えと言ってるわけではありません、
けれども、自分が心に思う人はきちんと選ぶのが大切ということなんですね。
もしあなたが、自分を大事にしない人たちを
それでも自分は思いたくて選んで思っているのだとした場合、
あなたは自分を大事にしないことを自分自身で選択してる状況なのです。
であれば、その自分を粗末にしてしまうネガティブなクセをコツコツ治してしまいましょう。

小春さんの相手に言い返してやりたいなぁというエネルギーを、
まずはそんな相手にせずにその場から離れてしまおう!!という行動に結び付けて、
さらに
今日はアフターファイブに習い事にいってみよう!!
今日は大好きなあの人をデートに誘って楽しくお食事しちゃおう!!
今日は私のライフワークのお勉強に打ち込もう!!
というように、ベクトルを変えてみましょう。
実はエネルギーというのは中立なのです。
肝心なのは使い方、発散のさせかたなんですね。

最初は上手に自分のエネルギーをコントロールできないと思いますが、
これは車の運転を覚えたり、日本人が英語を習得するのと同じことです。
たゆまず、あせらず、訓練しているうちに自然と身についてきます。

ぜひ、あきらめずにチャレンジしてみてくださいね。
ご相談ありがとうございました。

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