離婚の心理学1~破局の危機は乗り越えられる~

離婚の危機は人生の一大事でもあきらめないで、この危機をどう乗り越えるか考えてみましょう。

離婚話や、別れ話がでている時は、「もうこの関係はどうしようもない」
「修復は不可能」「絶対無理、死んでも無理」そう思われるかもしれませ
ん。絶望を感じられているかもしれません。

しかし、破局の危機は乗り越えることは可能です。
大丈夫です。道はいろいろあります。

もちろん、それなりの努力や、根気、自分自身の成長等、取り組まなけれ
ばいけないことはありますが、それに取り組むことで乗り越える道が開く
ことができます。

絶望したり、あきらめるには、まだ早いかもしれません。
希望の道や、抜け道はいくらでもあると思います。

ただ、自分ひとりでは、希望が見えない時や、どうしていいかわからない
時は、苦しさやストレスなどのからみもあり、その思考から抜け出せない
場合がありますので、その場合は一人で考えず誰かにサポートを求めると
いいと思います。

●関係修復の意味を見つけよう。●

「もう、この人とやっていくのは、しんどいわ・・・でも子供もいるし、
別れるのは・・・。」

別れたくてもなかなか難しい状況ってありますよね。こんな時は、毎日が
苦しいと思います。

じゃぁ、二人の関係を修復しようと思っても、相手に腹を立てている時は、
もう一回仲の良い夫婦に戻ろうとは思えないかもしれません、すると一緒
にいるのは嫌だけど、しかたがないから我慢して暮らそうと思ってしまう
んです。

でも、嫌だけどしかたがないから我慢して20年、30年と暮らすのは、
しんどいですよね。
まるで、牢獄で暮らしているようなものかもしれません。

こんな場合は、努力はいるかもしれませんが我慢して20年、30年暮ら
すよりも関係修復に取り組むことをお薦めします。
例え修復に1年かかったとしても、後の29年が幸せになれば取り組む価
値があるんじゃないでしょうか?

二人の関係を修復するのは何の為か、その意味を探してみられるといいで
しょう。「もっと幸せになる為に」「あの頃に戻るために」「愛のあるS
EXを取り戻すために」あなたにとっての意味を見つけられることをお薦
めします。
なんの為かわからず努力するのは、しんどいだけですし、努力も長続きで
きなくなりますから。

しかし『この為に努力するんだ。」という意味が見つかれば、努力の力も
持続しやすくなります。

●隠れてしまった愛情を見つけ直そう。●

お互いこの人とはやってられないというご夫婦のカウンセリングのお話で
す。

まずは、お互いの言い分を聞かせていただきました。

夫:「私はね、家族の為に一生懸命がんばって夜遅くまで仕事をしてきて
いるのにね、こいつったらね、家のことをかえりみないとか、食事
の用意が不定期で困るとか文句ばっかりいうんですよ。」

妻:「主人は、家族のことをかえりみないばかりか私がそのことを主人に
言うと、お前は家にいて暇なんだからお前がやるべきだろうと、私
がするのがあたりまえというばかりか、暇人呼ばわりまでするんで
すよ。
馬鹿にしていると思いませんか?私がどれだけ家族の為に家事をし
ているか分かってないんですよ。」



夫:「お前はなー、いっつも口やかましくて人をイライラさせて・・・」
妻:「あなたはね、えらそうに口ばかりでなにもしないくせに、・・・」

お互いの欠点を言い合ったり、罵りあったりと、
時には、こんなひどい日本語あったのかと思うようなこともあります。
お互いに怒りの感情が噴出してきます。

お互いの言い分を聞き、少し熱が冷めてきたところで
ある質問をさせてもらいました。

「ご主人さん・・、奥さんがどれだけ最低なのかは聞かせていただきまし
た。奥さん、ご主人さんがどれだけひどい男なのか分かりました。
でも、分からないことが一つあります。
ご主人さん、なんでそんな最低な奥さんの為に毎日夜遅くまで仕事を頑
張って毎月お給料を持って帰ったんですか?
奥さん、なんでそんなひどいご主人の為に、毎日ご飯をつくってあげた
り、ワイシャツにアイロンをかけたり、なんでそんなに頑張ったんです
か?」

夫:「それは・・・大切な人ですから・・・・」

妻:「・・・・・・・・・・・・愛していましたから」

「ということは、お二人とも愛する人の為に頑張っていたんですよね。
でも、お互いその愛をわかってもらえてない感じがしていたんじゃない
ですか?
相手を愛するあまり、伝わらないことで傷ついて怒ってしまったんじゃ
ないですか?」

夫:「そうですね。それで怒っていたんだと思います。」
妻:「そう思っていました。」

「じゃあ、お互い愛が無かったわけじゃなくて、伝わってなかったんじゃ
ないですか?」

夫「そうですね、私も怒ってしまってたので、彼女が私の為に頑張ってく
れてたことを見落としてたような気がします。」

妻「私も、怒りのあまり、夫を愛してたことを忘れてました。
夫の愛も見てなかったような気がします。」

お互いに元は相手を愛していたからこそ怒ってしまっていたこと、相手の
愛を見落としていたことに気づき、胸の奥から見失っていた愛がこみ上げ
てきて、涙がこぼれてきます。

そして、こう言ってくれたんです。

夫「すまんかったな、自分のことばっかりでお前のことを考えてあげれん
くて。」

妻「私も、不満ばっかり言っていてごめんなさい。」

夫「もう、少し頑張ってみないか?」

妻「そうね。」

それから、お互いの愛の理解を深める方法、表現の仕方をアドバイスさせ
てもらいカウンセリングを終えました。

このご夫婦は、怒りでいっぱいになり、元々は相手を愛していたからこそ
頑張っていたということを忘れてしまい不満ばかり募っていた為、離婚問
題にまでこじれてしまっていました。

元々の愛を思い出すことにより、もう一回頑張ってみよう、伝わっていた
なかったものを理解してみようという気持ちになりました。

私たちは、こういう本当の思いが隠れてしまい、不満や怒りでいっぱいに
なりがちです。
隠れてしまった愛を見つけることで二人の関係を修復しようと意識を向け
れます。

夫婦の両方共が隠れた愛を思い出せなくても、まずはご主人、奥さんのど
ちらか片一方が思いだすことからで結構です。

愛を思い出すと、一つ一つの言葉遣い、行動が違ってきます。
それが、二人の関係を変えていきます。

二人の関係がこじれてしまっていたら、
今はこじれてしまった関係でも元々は相手を愛していたことを思い出して
みましょう。それが修復の第一歩になるはず。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

若年層から熟年層まで、幅広い層に支持されている、人気カウンセラー。 家族関係、恋愛、結婚、離婚、職場関係の問題などの対人関係の分野に高い支持を得る。 東京・名古屋・大阪の各地でカウンセリングや心理学ワークショップを開催。また、カウンセラー育成のトレーナーもしている。