「満たされない思い」を満たすには

恋愛やパートナーシップなど、今ある問題に取り組んでいくと、その人のこころの奥には、過去に欲しかったものが得られなかったり、また満たされなかったと言う思いを抱えている場合があります。

そしてそれが今の問題根底に影響しているのです。今回はその「満たされない思い」を探して、癒していくプロセスを紹介しています。

現在抱えている問題を見つめていくと、私達の心の中に潜んでいる、
過去に満たされなかった思い(欲求)が深く関わっている場合があります。

彼は私のことを愛してると言ってくれるのだけど、
どうしても満たせれてると感じられず、もっともっと求めてしまう。

頭では結ばれない関係だと解っているのに、
彼なしでは生きては行けないとさえ感じて離れられない。

夫婦である以上、夫とのSEXは大切だと思うのだけれど、
どうしても夫を男性として受け入れられない。

私達の心の中に仕舞い込まれている「欲しかったのにもらえなかったもの」を、
今のパートナーに満たしてもらいたい、と言う心理が無意識に働いている事があります。
例えば、彼に、私を子供のように愛して欲しいと求めても中々難しいですし、
ニーズ(欲求)が大きければ大きいほど、それが得られない時の痛みも強く感じます。
また、誰かから、与えて欲しかったものをずっと諦めて生きて来たとしたら、
今、それを与えてくれている男性とは、離れられなくなってしまいますよね。

夫に対して父性を強く求めてしまうと、心のどこかで夫を父親として見てしまいます
そうしたら、夫がSEXの対象とは感じられなくなってしまいます。

このような場合には、心の深くに埋もれている過去の「満たされない思い」を探して、
その感情を癒していくという方法が、問題解決の鍵となるのです。

愛されていても「満たされない思い」は存在する。

過去の話を遡っていくと、
「私は、両親にはものすごく愛されていました」とか、
「周りの人には、すごく愛情を持って接してもらいました」と、
お話される方も結構多いです。

そう感じられること自体、すばらしい事です。、
色んな愛情をたくさん受け取って来られたのだと思います。

もちろん私達の誰一人として、愛されていなかったら今存在していません。
たくさんの愛を与えてもらえたから、今こうして存在しているのです。

では、過去の「満たされない思い」とはどんな事を言うのでしょう?

長年連れ添っている彼や夫婦の場合だと、
求めることが恥ずかしく感じたり、また何度も求めて拒絶されたりすると、
その度に心は傷つき、傷つきたくないがゆえに、求める気持ちを抑圧します。

また、私達の子供時代まで遡れば、
「もっともっと愛されたい」「もっともっと○○して欲しい」と、
いつも願っている時代のことです。

例えば、日曜日に遊園地へ連れて行ってもらってとっても楽しい思いをしたら、
明日も連れて行って欲しいと、せがむのが子供の心理です。
おもちゃをひとつ買ってもらったら、すぐさま違うものも欲しくなりました。

欲しいと言う気持ちを素直に感じ、それがいくらでも出てくる時期です。
それが叶わず傷ついたこともたくさんあったはずなのです。
たくさん愛情を与えてもらったとしても、それ以上に欲求を感じていた子供の頃です。

「もっと甘えたかった」「もっと誉められたかった」「もっともっと愛されたかった」

大人になって、普段抑圧(こんな風に感じることはいけない)している気持ちを、
少し緩めて、心の中に埋もれている色んな気持ちを思い出して見ましょう。

満たされない気持ちと向かい合って見る

私達の心は、与えられずに寂しい思いをしたり、悲しい思いをした時、
その求める気持ちが、はじめから無かったかの様に感じようとします。

離婚して自分の前からいなくなった父親への思いなど、
子供の頃に常に感じていたら、耐えられなくなってしまいますよね。
そんな時、父を思う気持ちなど、はじめから自分に無かった様にしようとします。

誉めて欲しいといつも願っていたのに、何をしても誰も誉めてくれないとしたら、
誉めて欲しいと気持ちを感じない方が、傷つかなくて済みますよね。

また、怒りや諦めといった感情で抑え込んだりもしてしまいます。

夫から感じたいもの、何か欲しいものがあったとしても、
「うちのだんなに言っても無理だから」とか、「夫婦ってそんなものだから・・」
と言う諦めの気持ちで、その気持ちを抑え込もうと頑張ります。

諦めている気持ちの奥には、必ず欲しいと言う気持ちがあるはずですよね。
欲しいと感じてないのに、諦めることなんて無いはずです。

その時その時代では、そうしてその思い(欲求)を見ない方が、
また抑圧した方が、傷つかなくて済んだのです。

ただ、そうして自分の中にある気持ちを感じないように頑張ったり、
見ないふりをしていると、心の中には何かしら虚無感が出来てしまいます。
何か解らないけれど、どこかで寂しさを感じていたり虚しさがあったり。
そして「満たされない思い」が出来上がってしまうのです。

結ばれなかった彼のことが、今でもどうしても忘れられないという状態にも、
ずっと心の中にあった「満たされない思い」が隠れていることがあります。

私は今まで、誰にも誉められたことなんて無かった。
だけどたった一人、その彼が私のことをはじめて認めて誉めてくれたと感じていたら、
私の人生でたった一人、唯一の存在になってしまいますよね。
砂漠の中でひとつだけ見つけたオアシスのような状態です。

この状態では、頭では彼を手放さなきゃと考えても、
心の中では、手放す事が難しくなってきます。

こんな時、手放しの手段として、
自分の心の中にずっと隠している思いや感情に、
もう一度向かいあって、受け入れてあげる事が大切なのです。

「満たされない思い」とは、
心の中に確かに存在する感情や思いなのに、
自分であるあなた自身にも、認めてもらえなかったり、否定されている感情なのです。

満たされない思いを満たすとは、
まず、自分がその気持ちに対して目を向けてあげることなのです。

そして、それがどれだけ欲しいものだったのか、
それが無くてどんなに寂しく感じたのか、悲しい思いをしたのか。
そんな気持ちを優しくじっくりと受け止めてあげることが大切です。

満たされない思いは誤解から

自分の心の中に、閉じ込めていた色んな感情を感じられるようになってくれば、
次にあなた自身が、それを満たしてくれなかった人達のさまざま感情に、
気が付いたり、感じ取れる様になってくる事ができます。

自分の満たされない思いを受け入れたときと、同じ様に感じてあげることが出来れば、
その人の生い立ちや人生に対しても、同じ思いを見つけることが出来るでしょう。

その人が生きてきた人生に、どんな満たされない思いがあったのか?
そして、それをどんな苦しい思いで我慢して生きて来たのか?

その人たちがどれほど寂しいと感じ、またその寂しさを感じまいと頑張って来たか?
その人なりの心もようが、見て感じ取れる様になって来ます。

一度も私を誉めてくれなかった父自身が、その人生で、
「人に認めてもらいたい」と言う素朴な気持ちを感じないで済むように、
どれだけ長い間、自分と戦った来たのか?

自由で無邪気な私を、受け入れてくれなかった母が、
母自身の心の中にある子供の一面を、誰かにどれだけ受け止めて欲しいと
感じていたか?

彼ら自身が、心の中にある当たり前の欲求を、
必死になって感じないようにして来たのか?
彼らが、自分に許せてない「満たされない思い」を、
あなたが気付いてあげることが出来るのです。

そこには、あなたと同じ様な気持ち(痛み)があるのが見えてくるでしょう。
そうしたら、今までとは少し違った目でその人を受け入れられる様になるでしょう。

子供は、たくさんたくさんのことを求めていて自然です。
だけど純粋な心は、それが与えられない時に大きな大きな”誤解”をしてしまいます。

誉められないのは、きっと自分が誉められる存在じゃないからだと。
自分の無邪気で自由なところを、受け入れてもらえないと感じた時、
自由な自分が悪い子だと、愛する人を困らせてしまう子供だと感じてしまうのです。

そんな”誤解”が、私たちの「満たされない思い」を作ってしまったのです。

もともとそれを求めるあなたの気持ちは、ごくごく自然なことだったのです。
そしてあなたは、それを与えられるだけの価値ある存在だったのです。

ただそのとき、あなたの周りの人がそれをあなたに感じさせてあげられないような
心境を持っていたに過ぎないのです。

そして・・・
あなたが、あなたの気持ちを許してあげた時。
あなたが、周りの人の感情に気付いてあげた時。

心の中に空いた穴「満たされない思い」は癒され、
自然に心の穴がなくなっていることに気付くでしょう。

そして今、目の前にある障害に、新たな思いで取り組む事が出来るようになるのです。

この記事を書いたカウンセラー

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