職場の対人関係を楽にする、3つの視点(前編)

【職場の問題の9割は、対人関係である】

そうよく言われますが、実際に、下記のような調査が行われたことがあります。

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2015年12月1日からの「ストレスチェック制度」の施行に伴い、リサーチ会社の株式会社マクロミルが、20歳~59歳までの働く男女1000名を対象に、2015年11月20日~11月22日の期間、インターネットで「ストレス実態調査」を実施(有効回答数は1000名)
働く男女の86%が「ストレスを感じている」と回答。
そのストレスの原因は「仕事、職場の人間関係」が多数となった。

・働く男女1000人ストレス実態調査
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会社の規模や、自営か会社員か?に関わらず、私たちが「仕事」をする上で、どうしても避けて通れないのが「対人関係」ですよね。

「会社に行きたくない」
「仕事の事を考えるのが憂鬱」
「職場の雰囲気が悪い」
「仕事に喜びを感じれない」

そんな悩みから、体調不良やひどい場合はうつ病になるケースも、カウンセリングでお話を聞いていくと多くの場合は
上司や同僚、取引先との対人関係や、セクハラ・モラハラと言われるような理不尽な相手との関係性や不当な扱いをする、
あの「○○さん」へのストレスというというところに行き着くことが多くあります。

出会う相手全員と信頼関係を築き、心を通じ合わせることができるならば、それほど素敵なことはありませんが、なかなか「みんな仲良く」というのは難しいもの。

しかし、ほんの少しだけ「視点を変える」だけで、対人関係の問題の解決策を引き出すことができます。

今回は「前編」「後編」に分けて、『対人関係を楽する、3つの視点』についてお話したいと思います。

 

●視点1:「行動の”理由”」にフォーカスする

対人関係でのストレスが少ない人や、人間関係を気づくの上手な人がごく自然と行っておるのが、
相手の言葉や行動そのものを受け止めて振り回されるのではなく、相手のその【行動の”理由”にフォーカス】している、ということです。

例えば職場に、あなたにキツく当たる上司がいたとします。
例えばあなたが何かミスをした時に、まるであなたの人格までをも否定するかのごとく叱責されたり、、
あなたの頑張りや成長を評価してくれるでもなく、「ほんとに大丈夫なのか?」「次は失敗するなよ」と信頼を感じることができない。

そんな上司から今日もまた、助言やアドバイスではなく「叱責」という形で指導を受けた。

・・・そんな場合、あなたならどう感じるでしょう?

多くの人は、相手があなたを否定したその「言葉」や、信頼のない態度で接してきたその「行動」を受け止める為、、
「なんであんな態度を取られなきゃいけないんだ!」
「腹が立つ!」「気分が悪い!」
と相手に対して不満や怒りを感じることでしょう。

しかし、相手の「行動の”理由”にフォーカスする」人はこんな風に捉えます。

「何が、あの人にこのような行動を取らせているのだろう?」
「何があれば、あの人はあんな行動を取らずに済むのだろう?」

 

叱責されて「俄然、やる気出てきた!」という人の方が稀ですから、
通常は部下を育てる意味でも、正しい方向に導く意味でも、「叱責」という行動での指導には意味がありませんよね?

しかし、あの上司には良くも悪くも「その表現方法を取るなりの”理由”がある」訳です。

その、相手の「行動の”理由”」にフォーカスすることで、相手の状況や気持ち、相手のニーズに目を向けることができますし、
それを理解することで、「相手を動かす為のアイデア」が浮かびやすくなります。

 

もしかしたらその上司は、昔自分の上司から同じような扱いをされていたので、「叱る」という形でしか部下の育て方を知らないのかもしれません。

もしかしたらその上司は、部下のミスに関し、自分の上からの評価が下がる事や、更に上の上司から起こされることに関し不安を感じ、ヒステリックになっているのかもしれません。

もしかしたらその上司も、別のことでストレスが溜まっており、あなたに八つ当たりしているだけなもかもしれません。

 

「何が、あの人にこのような行動を取らせているのだろう?」

その”理由”が分かれば、私たちは相手の言動によって自分の存在や価値を否定されたと傷つくことことも、振り回されることも減ります。

 

「何があれば、あの人はあんな行動を取らずに済むのだろう?

今、自分と相手との間に、信頼関係が結べない”理由”が分かれば、「じゃあ、こんな風にしてみたらどうだろう?」と、相手の好ましくない行動を変えてもらう為にできること、を見つける事ができます。

もし相手が、一方的にあなたに辛く当たってきている時には、相手の中で「あなたに対する誤解や思い込み」があり、それが相手の「行動の理由”」になってるケースも多くあります。
そうした場合は、相手にそれに気づいてもらうように促すことで、人間関係を改善に導くことが可能になります。

その時にも今回の視点は有効ですので、お試し下さいね。

 

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛、対人関係、自己啓発、ヴィジョン、ビジネス心理を得意とし、”少しでも楽に・簡単に・シンプルに”をモットーに、分かりやすい心理分析と日常的に無理なく取り組める提案を行っている。 その人本来の輝きや、問題の先にあるヴィジョン(幸せな未来や才能)を引き出すカウンセリングが好評である。